週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

ひとりごと

大学教育の問題 その3 時間以外編

前回は大学教育の問題について、時間の観点から書いた。 今日はそれ以外の観点から書いてみる。 時間の話と全く独立の話ではなく、主には時間配分で教育以外のことに時間を使いたくなる要因が存在する、という話。 評価の問題 大学教員は研究者である。 その…

大学教育の問題 その2 時間編

前回のつづき。 大学教育の問題は、大きくは時間がないというところに帰結するということを書いた。 なぜ時間なのか、今回は具体的に掘り下げていく。 教育には手間がかかる 当たり前のことなのだが、教育には手間がかかる。 そして、当然ながらこの手間が授…

コロナの「自粛」の話

先日Twitterに以下のつぶやきをした。 自粛はあくまで自粛なので、無理ならする必要はないし、それ見ても特に悪い感情はわかない。仕方ないよ、1年半だもん。— Hisakazu YANAKA (@htyanaka) August 6, 2021 すると、知り合いの学生さんの質問箱に、以下の投…

大学教育の問題 その1 導入編

僕が大学生の時。 大学の授業にはひどいものが残っていた。 授業のレベルが学生に全くあっていないもの、準備を全くしていないと思われるもの、教科書を読み上げるだけのもの。 学生のことを考えて練られた授業というものもあったものの、ひどいものもいくら…

エビデンスの話

エビデンスという言葉がある。 ここ20年くらいでよく聞くようになった言葉で、主張されている事柄についての科学的な裏付けのことをいう。 医学や心理学の臨床など、ケースバイケースで進める現場系分野でよく用いられるようになった。 SNSで主張されている…

企画の人(僕のなりたかったもの8)

大学教員になりたいなぁと思って修士課程に進学も、かなり早い段階で萎えた話は書いた。 だいたい、早く結婚したい。 博士課程なんて行っている場合じゃあない。 当時北の大地に渡っていた僕は、土地の重要性についても痛感していた。 やはり故郷の横浜に住…

ゼミでの論文紹介発表〜資料編(研究をしよう27)

ゼミでの論文紹介。 今回は資料編。 実際の発表で気をつけることは別の記事に書いているので、そちらも併せて読んでほしい。 ゼミ資料はなんのためにあるのか。 これは、ゼミメンバに伝えるため、これに尽きる。 多くの研究室に所属してきたが、大抵の場合は…

政治を勉強したい人のために No.2 政治家を知る

前回は時事に詳しくなるなど、ごく基本的なことを書いた。 その先に何をしたらいいか。 思いつくものをいくつか書いてみようと思う。 あくまで私見ではあるが、ある程度は役に立つと思う。 で、今回は政治家を知る編。 政治家の考えを知る まずはその人がど…

スペースのはなし

TwitterにSpaceという機能がついた。 現在はスマホアプリからのみ利用可能なようで、PCやタブレット経由の方は名前しか聞いたことないかもしれない。 学生さんや有名ツイッタラーがよく利用しており、ちょっと気になっていた。 どんな機能かといえば、公開お…

卒業研究真っ最中の学生さんへのアドバイスなど(研究をしよう25)

今回も悩める卒論生への記事。 卒論を進めていく中で、よく見られる注意点を書いてみようと思う。 論文の読み方 卒論を進めている最中に、論文を読むことは日常。 ただ、その読み方が気になることがある。 どういうことか。 卒論も中盤くらいになってくると…

おみやげ・サバイバル

僕は客先におみやげを持って行かない。 これは仲間内では結構有名で、社会人としていかがなものか、と自分でも思わないではないのだが、まあ持っていかない。 本日は、そんな僕の反社会人的な特性への言い訳的な記事。 例によって、何の役にも立たない。 ま…

政治を勉強したい人のために No.1 時事と問題を知る

「政治のことを勉強したいのですが、どうしたらいいですか。」 これはたまに質問されること。 SNSで発言したり、ここでものを書いたりしているせいか。 そこで、今回はこのことについて書いてみようと思う。 ここでいう政治は学術的なことではなく、あくまで…

東海道を歩いた話

僕は歩くのがとても好き。 カメラ片手にぶらぶらしていると、気付けば数キロ歩いているとういうのはザラ。 都内散策なんかすると、新宿・渋谷から東京駅まで歩く、ということもよくある。 で、若かりしのある日。 僕は思いついてしまった。 東海道を歩いてみ…

論文に嘘を書いたりしないの?(研究こぼれ話 No.1)

数年前のゼミでの話。 確か、統計を使った数字バリバリの研究論文だったと思う。 その論文を読んでいる最中に、学生さんが素朴な疑問を持った。 「論文に嘘を書いたりしないのか?数字が嘘ってことはないのか?」 実に、いい質問。 今日はこのネタについて。…

大学教員(僕のなりたかったもの7)

いろいろと書いてきたが、いよいよコイツ。 これになりたいと思ったのは大学生の中盤ごろ。 もともと修士で他大の院に行くことは大学入学時から決めていた。 その延長線として大学教員という選択肢が出てきた。 理由はいろいろある。 まずは、大学教育に関わ…

震災10年

あの日、僕は福井のとある大学にいた。 脳波実験をしていて、実験室の外で実験用のモニタを見ていた。 14時46分。 ゆっさゆっさと静かに揺れ始めた。 天井にぶら下げていた、予備の脳波電極がゆっくりと揺れていた。 小さくゆるい周期で少し長めのその揺れを…

夜行列車のはなし

今はもう残り少なくなったが、僕が大学生くらいまでは夜行列車というのが存在した。 夜に、東京駅、上野駅の在来線ホームに行くと、行き先案内板には全国の地名が並んでいた。 これらの駅に行けば、本当に全国各地どこにでも行くことができた。 南は西鹿児島…

成功の理由と失敗の原因と格差社会の話

成功するとお金持ちになり、そうでないとお金持ちになれない。 ある職業は収入が多く、ある職業は収入が少ない。 同じ会社でも、地位によって収入に格差が生じる。 仕事ができる人は富み、仕事ができない人は貧する。 新自由主義の中で、当たり前に受け入れ…

2020年と30代を振り返る年の瀬の話

えらい目にあった。 30代とここ1年の話である。 30代については、今年の40歳の誕生日前日に厳かに振り返る予定も、それすら叶わなかった話は既に書いた。 まあそんなわけなので、ここ一年と30代についてしみじみと振り返りつつ、次の1年の夢と希望を書いてみ…

四十路記念日

去る9月1日。 僕はめでたく四十の大台に乗ることになった。 四十といえば、中学生の時の人生計画だとすでに中3の息子がいて、本気のキャッチボールをしている、というはずの年齢。 いろいろと思うところがあり、散々だった30代を振り返りつつ、その日を厳か…

高校教員(僕のなりたかったもの6)

さあいよいよ、今の僕を見て予想つくものが登場。 高校教員。 こいつになりたい、という時期がかなり長いこと続いた。 ただ、なりたい、と思った時期はかなり遅い。 僕はちょっと変わった経歴を持っている。 大学に2つ通っているのだ。 一つ目はさる地方国立…

がんばった奥歯の話

数年前の話。 奥歯が痛くなった。 冷たいものを飲んだ時にしみるのだ。 こういうのはまったくがまんしないタイプなので、早速歯医者に行った。 歯医者先生曰く、親知らずが虫歯になっているとのこと。 横向きに生えていて、治療ができないので抜くしかない、…

記者(僕のなりたかったもの5)

細々と続けているこのシリーズ。 いよいよ大学生に。 僕は入学前から大学院(修士)にいく予定だったので、大学では幅広く学ぶことを主眼に置いていた。 幅広く学んだ上で、大学院で特定の分野の専門性を深めようというハラ。 大学学部はリベラルアーツ(教…

僕の読書物語 その2

さて、前回のつづき。 前回は大学生前半の小説読みあさり記について書いた。 その小説が中心だったのは、大学生の前半。 当時はバイト代の多くが本代に消えていた(代わりにモテアイテムの車は買えなかった)くらいの本の虫。 月1万円は確実に本に使っていて…

僕の読書物語 その1

本を読め。 僕が学生によくいう言葉。 本を読めると情報を手に入れることができる。 卒業後は誰かが教えてくれる、という機会は格段に減るので、それまでに読む力をつけておくといいよ、いう意味もある。 この辺りは別記事「読む力」を読んでいただければ詳…

GLAYと高校時代

ふいにWALKMANからGLAYが流れてきた。 オレが高校生だったとき全盛だったバンド。 グロリアス、口唇、However。 熱狂的なファンというわけではなかったが、当時常に近くにいた。 カラオケで誰かが歌っていたし、バンドでも何曲かコピーしたりもした。 音楽と…

長期休暇のぼくら(大学教員・研究者という生き物8)

大学の授業期間は1セメスターあたり4ヶ月程度。 うちの場合、4−7月と10−1月に授業をやって、その直後に試験をやるというスケジュール。 まあ、大方の大学がこんなスケジュールで動いていることと思う。 大学生はそれ以外の期間は長期休みに入り、比較的自由…

大学のレベルの話

大学のレベルの話をしよう。 偏差値による大学のランクわけ。 大学生と話をしていると、上位校と比べて自校を卑下していることがある。 ただ。 大学のレベルは単に入学時点の点数の順序に過ぎない。 知識・能力という意味では、その後の過ごし方如何で上位校…

映像制作の人(僕のなりたかったもの4)

高校生くらいの頃はよくテレビを見た。 特によく見たのがドラマ。 当時は北川悦吏子や野島伸司といった気鋭の脚本家が全盛。 夢中になって見たドラマがたくさん放送されていた。 北川さんは「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」を描いた人で、…

教育やめたこと色々話

この大学で教えるようになって時間が経った。 もともとが教育がしたくてこの仕事を志したので、いろいろとやりたいことを試してはみた。 ただ、授業準備がゼロからなので初年度が一番忙しい、という前評判には見事に裏切られ、年々忙しくなってゆく。 その中…