雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

レポートで参考にしたい本が図書館にない!という時の対処法(大学生のための学び方入門9)

大学生にとって避けられないのが、レポート。
レポート課題が出たら、まず文献をおさえに大学図書館に走る。
が、レポートに関する文献が借りられてない。
今回はそんな時にどうしたらいいか、というお話。

ちなみに、大学の調べ物をする上でネットの情報を使うのはやめたほうがいい。
これは、大学生の知識だとネット上の情報の真偽の判定が難しいから。
ある程度知識とリテラシーがついてくると真偽の判定ができるようになるのだが、その知識をつけている最中の大学生にはちょっとハードルが高い。
ある程度情報の質が担保された書籍や文献によるのがいいと思っている。
大学図書館に入っている書籍はある程度の質が担保されている。

公立の図書館をあたる

大学図書館になかったとしても、地域の図書館にはある場合は多い。
市立図書館・県立図書館をうまく活用しよう。
今はwebで蔵書検索ができるので、お目当ての本を探してから足を運ぶこともできる。
大学によっては地域の図書館との連携サービスをしていて、大学図書館で受け取り返却をすることができることもある。
調べてうまく使ってほしい。

公立図書館のもう一つの使い方が、リファレンス・サービス。
カウンターにリファレンス・サービスというコーナーがあるので、そこを利用して本を探すということもできる。
カウンターに行って「〇〇について知りたいのでいい文献はないか」と聞くと、本を紹介してもらえる。
このリファレンス・サービスは、全国の図書館でデータベースを共有しているらしく、かなり役にたつ。
わかりやすい書名の本は貸し出されていても、情報が載っている思いもしなかった書名の本を紹介してくれるかもしれない。

中古本を使う

授業や図書館のリファレンスサービス等でお目当ての本は見つかったものの、貸出中の場合。
次にできるのが、中古本を使うというもの。
Amazonでは新品の他に中古本を買うことができる。
値段はそんな高くないことが多いので、ない場合はこちらで取り寄せるとよい。
ブックオフオンラインなどで価格比較すると安く手に入ることもある。
取り寄せ後丁寧に扱って転売すれば、よりリーズナブルに本を使うことができる。
Amazonで自分で出品するもよし、後輩に売って代々受け継いでいくもよし。

この中古本活用法は卒論などの本格的な研究や社会に出てから本と付き合う際にも役にたつので選択肢の一つとしてぜひおさえておきたい。

CiNii Articlesを使う

CiNii Articles というサイトがある。
これは国立情報学研究所が提供している論文データベース。
卒論等でそのうちお世話になるサイトなのだが、1・2年生は知らないかもしれない。
このサイトは論文検索がメインなのだが、その他の解説記事もひっかかる。
この解説記事やレビュー論文を見つけて取り寄せる。
レビュー論文が何かわからない人は、こちらの記事を参考にしていただきたく。

このサイトを使ってうまく情報を探す。
検索方法としてはお目当てのキーワードを入れる他に、借りたかった書籍の著者、リファレンス・サービスで教えてもらったキーワード等を使う。
その上で、解説記事・レビュー論文っぽいタイトルのものをチェックしていく。
Ciniiではpdfで記事が読めるものとそうでないものがある。
pdfが公開されていればそれをダウンロードして読むことができる。
pdfファイルが公開されていないものでも図書館で取り寄せが可能。
カウンターで複写依頼の申し込みができるので、申し込もう。
お金が少々かかるが数百円程度(多くは500円を超えない)なので大した額ではない。
届くまで1週間程度かかるので、レポートの締め切りを見据えて早めに動きたい。

この、記事を参考にする方法は論文を書く際にも有効なカタイもの。
日々のレポートにおいても積極的に使ってみるといいと思う。


ではでは。
今回はこの辺で。




f:id:htyanaka:20200803005544j:plain ああ、旅に出たい。
浜坂かな。

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2020/08/02 18:32
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大学のレベルの話

大学のレベルの話をしよう。
偏差値による大学のランクわけ。
大学生と話をしていると、上位校と比べて自校を卑下していることがある。
ただ。
大学のレベルは単に入学時点の点数の順序に過ぎない。
知識・能力という意味では、その後の過ごし方如何で上位校出身者を凌駕するというのはよくある話。
そもそも入学試験自体が多くても2回程度なので、実力を出しきれないことだってある。
個人レベルで見ると、1つか2つくらいレベルが上の大学の学生との差なんて誤差みたいなもん。
あまり気にする必要なない。

では。
大学のレベルによって何が違って、何が同じなのか。
いろいろな視点から見ていく。

教員の質

これは大学間でそんなに変わらないと思う。

大学の人事は主に研究業績で行われる。
よって、上位の大学ほど研究ができる人が多いということになる。
これが違いといえば違い。
大学入試の序列と教員が行きたいと思う大学(研究ができる、待遇がよいなどで決まる)の序列が必ずしも高校生の偏差値序列と一致しないので、緩やかにそうなっているくらいに考えていただいて。
ただ、どの教員も大学の学部で教えるのに十分な能力は有している。

また、大学教員は大学間の異動が多い。
在籍中に研究業績を上げて、次に上位校に異動することもよくある。
昇進を機に上位校から赴任してくることもある。
なんでこの先生が、というようなとても研究できる先生が所属していることもある。
行きたかった大学の元教員や将来の教員に教えてもらうというのは、わりとよくある話。
このように、この点の大学間差はあまり気にする必要ない。

なお、ここでいう教員の質はあくまで研究による。
教育力とは全然違うのは頭に入れておきたい。

授業の質

これは必ずしも上位校が優れているわけではない。
むしろ中位校くらいの方が授業の質は高い、というのはよく耳にする。
上位校の学生は教える側があまり工夫しなくても勝手に理解するというところがあって、工夫しなくても授業が成り立ってしまう。
中位校くらいだと、それなりに教える技術を要求されるので、それなりに授業の質が高い、というわけ。

また、授業自体は学生の知識レベルに合わせて用意される。
よって、無理に上位校に行くくらいなら自分のレベルにあった大学の方が効率よく学べる可能性がある。
なお、大学の学びにおける授業の占める割合はそんなに大きくない。
それよりも自ら学ぶことによって得るものの方が大きい。
よって上位校の授業が受けられないからと言って上位校で学ぶ知識が得られないということはない。
専門書も論文もたくさん出版されているので、自学をしっかりすれば大学のレベルによる学びの差はでない。

教員の数

これは上位校(というよりは大規模校)とそれ以外の大学で大きな差が出る。
上位校というのは大学の規模が大きいので、教員数も多くなる。
同じ科目に複数人の教員がいることになるのだが、これが高校までとは異なった意味を持つ。
高校までだと、生物学の教員であれば何人いても同じ生物学の内容を教えられ、それ以上の専門性はない。
ところが、大学の場合、生物学の中でもかなり専門が細分化されている。
それぞれの専門を細かく細分化していくと専門領域が全く同じということはほとんどない。
大学教員の専門性の特徴。
自分と同じことをやっている人は日本で数人、世界でもそこまで多くない。
そういう専門性を有している。

これは卒論の研究室を選ぶときの選択肢を増やす。
研究でより専門性の高い教員を選ぶことが可能なのがメリットの1つ目。
もう1つのメリットは、オムニバス形式の授業などで、専門性の高い教員それぞれから各専門領域を学ぶことができる点。
この辺りは、アクティブに質問したり研究したりする学生にとってはアドバンテージになるか。
領域の教員が多いと、同じ専門領域の複数の教員から研究を見てもらえるのもメリット。

ただ、学部レベルではそこまで大きく影響があるかといえば、多くの人にとってはそうではないとは思う。

同級生と人脈

個人個人で言えば、大学のレベルが少しくらい違っていてもその差は誤差みたいなもの、というのは冒頭で書いた。
時の運で上位校を逃している場合もあれば、それ以外の何らかの事情ですごい実力の人が上位校でない大学にいることもある。
教員をやっていると時々そういう学生に出会うので、これは間違いない。

一方で、全体平均で言えばやはり明確に差が出てくる。
上位校にはやはりすごいやつがゴロゴロしている。
すると同級生からの刺激という部分については差が出ることになる。
一緒に研究したり議論したり、そういう同級生は上位校ほど探しやすくなると思う。
上位校でない人で、この辺りを補いたい人は教員をうまく使いたい。
議論しに行ったり、研究の話を聞きに行ったりは、ウェルカムな教員も多い。

もう一つが、卒業後の人脈。
これは上位校というよりはトップ校の特典。
例えば東大だったら、同級生の何人かは省庁でえらくなり、他の何人かは企業で偉くなる。
こんな感じで各所で活躍する同期・先輩・後輩が比較的多くなる。
一緒にサークルを楽しんでいただけの友人がこうなる可能性もあって、こういう人脈は大きい。
企業が東大生を求めるのの一つの理由にこの人脈が目当て、というのを聞いたことがある。
真偽のほどはよくわからないが、確かにそういった側面はあると思う。
こいつは埋めようがないが、実力をつけるのが本筋なのでそちらで対抗すればよし。


とまあ、思いつくままに書いた。
冒頭にも書いたけど、大学のレベルって入学時の点数の序列でしかない。
実力という意味では通過点の一側面からの評価でしかない。
後からぐいぐい伸びるタイプもいれば、今は良くても伸び悩むタイプもいる。
必要以上に卑下せず、大学で実力をつけて出て行ってほしいと思っている。




f:id:htyanaka:20200713005913j:plain 川崎の工場団地のどっか。

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2020/07/12 23:59
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論文・レポートに関する本

大学生になるとレポートや論文を書くようになる。
単位評価のためのレポート、プロジェクトの大きなレポート、総仕上げとして卒業論文修士論文
4年間を通じて逃れることができないのがこの書くという作業。
面倒くさいと思われがちだが、この能力をしっかり磨いておくと社会に出てからかなりの武器になる。
社会って文書で何かを訴える機会、結構多い。
詳しくは、「書く力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 8 )」も参考にしていただきたく。

ただ。
レポートや論文は闇雲に自己流で書いても能力はあまり身につかない。
大学でも初年時ゼミ等で少しは教えているのだが、これだけだと足りない。
そこで、レポートに取り組む学生さんや卒論・修論に取り組む学生さん向けに、取り組む前に読んでおいてほしい書籍をまとめた。
今回紹介する3冊は全て視点が異なり、それぞれものすごく役に立つ。
卒業までにぜひ全部読んでおきたい。
授業レポートを作成する際に参考にしたいのが、小笠原と木下の本。
論文を作成する際に参考にしたいのが、木下と戸田山の本。
それぞれ何度読み返してもタメになるので、ぜひ手元に置いておいてほしい。

なお、紹介する3冊については、プレゼン発表を行う際にも役にたつ。
これは、論文・レポートの書き方とプレゼンによる論理的な発表は基本的な部分で共通しているため。
プレゼン発表の技術を磨きたい方も、まずは論文・レポートの書き方の本で基本的な構造を学び、その後プレゼンに関する本でテクニックを学ぶことをお勧めする。

最新版 大学生のためのレポート・論文術(小笠原 喜康)

小笠原 喜康(2018) 『最新版 大学生のためのレポート・論文術』 (講談社現代新書)

論文・レポートの書き方についてワードの使い方レベルから解説する、超初級本。
論文・レポート執筆時のワードの設定や資料の集め方、論文のルール、基本構造まで幅広く書かれている。
必要なことがコンパクトに詰まっている。
マニュアル的な使い方も可能。
新入生や論文の書き方本を読んだことない学生にはおススメ。

理科系の作文技術(木下 是雄)

木下 是雄(1981) 『理科系の作文技術』 (中公新書)

少し詳しめの書評はこちら

論文・レポートの書き方系の本で忘れてはならないのがこの本。
理科系とあるが、文系でもビジネス系でも「伝える文章」を書くのであれば非常にためになる。
論文を書く上で必要な情報はすべて詰まっている。
30年以上たった今でも読み続けられているのが、名著の証。
早いうちに読んでおいてほしい本。

新版 論文の教室(戸田山 和久)

戸田山 和久(2012)『新版 論文の教室―レポートから卒論まで』 (NHKブックス)

論理的に何かを主張するために書くものが論文やレポートである。
この本では論文というものを全くわかっていない学生が登場。
彼の書くダメレポートが先生の指導によってちょっとずつよくなっていくというスタイルの内容になっている。
先生と学生のやり取り形式のため、やや冗長に感じることもあるかもしれないが、マニュアル形式の本よりも理解がしやすい。
論理的な発表(スライド等)の下地としても役に立つ。
巻末には論文の書き方についての書籍リストもあり、こちらからさらに勉強することも可能。
初学者が基本を学ぶにはイチオシの本。
卒論に取りかかる前の卒論生にも読んでおいてほしい1冊。




f:id:htyanaka:20200719234310j:plain 横浜にて。

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2020/07/19 17:32
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映像制作の人(僕のなりたかったもの4)

高校生くらいの頃はよくテレビを見た。
特によく見たのがドラマ。
当時は北川悦吏子野島伸司といった気鋭の脚本家が全盛。
夢中になって見たドラマがたくさん放送されていた。
北川さんは「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」を描いた人で、野島さんは「高校教師」「聖者の行進」等の社会的な作品が得意。
純愛ラブストーリーから社会の際どいところを攻める作品まで、まあたくさんあった。
この記事を書くにあたり調べたところ、この時期彼らは30代前半だったんだね。
改めてすごいと思った。
僕は今、こういう仕事できているだろうか、と思ったり思わなかったり。

閑話休題
そんなドラマの話。
高校生なんて単純なもので、簡単に感動する。
で、思ったのが、こういうドラマを作る人になりたいなぁ、というもの。
脚本家になりたくなったわけではない。
当時の僕がドラマのどこに魅せられたかというと、ストーリもさることながら、映像と音楽の掛け合わせに大いに魅せられた。
ストーリーに合わせて効果的に入っている映像のカット。
いいところでフェードインしてくる音楽。
これらがたまらない。
ストーリが音楽と映像で増幅されて心を揺さぶりにくる。
そんな感覚かな。
うまくは言葉にできない。

これは多感な高校生の心を掴むには十分だった。
将来はテレビ局に入ってこういう作品作りに携わってみたいなぁ、と思ったわけ。
カメラでも音楽を混ぜる人でもいい。
漠然とそういう仕事につくぞ、と思っていた。
当時はCMにもいいなと思うものが多かったのでその影響もあるか。
果たして、当時の作品がよかったのか、高校生という時期特異性のせいだったのかは、よくわからない。
ただ、結構本気で、そんな将来を考えていたと思う。

こいつは高校生で終わることはなく、大学生の中盤くらいまで生き残ることになる。
その後は、ちょっと形を変えて、別のなりたいものになるのだが、その話はまたいつか。

今でも、映像・音響ミキサーとか見るとワクワクするのは、この辺りの過去が大いに関係していると思っている。
ドラマ・映画に加えて、PVやCMなど、映像×音楽にやられる単純さはあの頃と大して変わっていない。




f:id:htyanaka:20200713005748j:plain 高松港かな。

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2020/07/12 19:44
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ゼミで学ぶこと(研究をしよう20)

大学生も高学年ともなると研究が始まる。
これに付随してスタートするのがゼミ。
どうも学生さんと接していると、ここで何を学ぶのかを理解していない人がいくらかいるよう。
そこで、本日はこのゼミについて少し書いてみる。
ゼミで一体なにを学ぶのか。

共通の知識・技能を学ぶ

何人かでゼミをやっている場合、ゼミメンバーの専門領域・研究領域は似ていることと思う。
おそらく論文を読んでも方法論等研究上の技能や基礎として必要な専門知識は共通していることが多い。
そこで、これらについてみんなで学ぶというのがゼミの一つ目の目的。
みんなに共通しているのでみんなで一緒にやった方が効率的。
教員の説明やコメントも一回で済むし、わかんないことは教えあえる。

発表技術や質問力をみがく

ゼミでは当番制で発表がある。
これは今までの講義型の授業と大きく異なる点。
これを通じて、発表技術を鍛えるというのが2つ目の目的。
自分の研究や紹介論文は自分が1番詳しい。
こいつをいかに他人にうまく伝えるか。
これは簡単なようにで結構難しい。
教科書的な正解があるわけでもなく、技法は各自の経験で身につけるしかない。
技術をみがく練習の場として、ゼミを利用する。

自分ではうまく説明できた気になっていても、説明不足なことはよくある。
用意した資料がよくなくて、うまく伝わらないということもしばしば。
教員やゼミメンバーから反応をもらって、問題点を洗い出しては発表の方法を見直す。
これの繰り返しで発表の技術を磨こう。
発表技術は研究だけではなく社会に出てからも汎用的に使えるので鍛えておきたい。

発表者以外は質問力を身につけよう。
質問にはレベルがある。
最初はわからない用語に対する質問等簡単なものからはじめ、次第に問題の本質に迫るような質疑技能を磨く。
詳しくは、 質問力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 9 ) も参考にしていただきたく。

自分の研究をみがく

自分の研究を発表したり論文を紹介したりすると、ゼミメンバーや教員からいろいろなコメントが返ってくる。
このコメントがかなり役に立つ。
自分では気づけないことって結構ある。
正しいと思って紹介した論文に大きな穴があるかもしれない。
自分の研究計画を発表したところ、思いもしなかった視点からコメントが来るかもしれない。
これらのコメントを書きためておいて、後々自分の研究に活かす。
これは大変役に立つ。

なお、発表者以外にはこういうコメントをすることが求められる。
もちろんゼミが始まった当初は、なかなか難しいかもしれない。
が、ゆくゆくは発表者にいいコメントができるようになりたい。
この辺は持ちつ持たれつの話。

他のメンバーの研究領域を準専門領域にする

わりと忘れられているのがこの視点。
これ、ひょっとすると大学院生クラスでも意識していないかもしれない。
ただ、これ、ゼミの終盤や終わったあとでかなり効いてくる。
よくいるのが、自分の発表の大事さはわかっているのだが、他人の発表に全く興味がないタイプ。
時間に追われている中、なぜ他人の発表なんか聞かねばならんのか、意義を見いだせていない学生に会うことがある。

他人の専門領域が自分とずれているとしよう。
そういう場合、他人の発表は全く役に立たないのかというと、そんなことない。
ここまで説明した、発表技能や質問力、共通の知識・技能を学ぶことはできる。
ただ、ここで強調したいのはそれではない。
1年ないし2年、他人の専門領域の発表を真面目に聞いていると、後半はその領域の内容についても結構詳しくなってくる。
これがね、準専門みたいな知識になるのだ。
発表者にはかなわないだろうが、その分野の重要論文や問題点はおさえられるようになる。
つまり幅が広がるわけだ。
副産物なのだが、これがその後結構役に立つことがある。
卒論発表会では別の研究室の学生の研究がわかりやすくなったり、卒業後の専門知識の一つとなったり。

ムダだと思って聞き流すと、こうはならないのでもったいない。
どうせ同じ時間を過ごすなら有効的に使いたい。

注意したいこと

さて。
ここまで書いてきたことが有効になるのに見落としてはならないことがある。
それは、情報のシェアとメンバーの参加が前提ということ。
この前提がうまく満たされているゼミは得るものが多い。
逆に、全く満たされていないと、ゼミ自体が死んでしまう。
そうならないように教員は働きかけると思うけど、結局のところメンバーたる学生の意識次第のところはある。
全体としてゼミが死なないように、情報のシェアを心がけた発表と、質問やコメント等の参加を心がけてほしい。

ゼミが一人の場合

うちはゼミが一人だよう、という学生さん。
心配しなくていい。
その代わり教員を独り占めできる。
これはこれでかなりのアドバンテージ。
ここまで書いてきたことを意識しつつ、教員相手とのやり取りでこれらを学んでいただきたく。

ではでは。
また。




f:id:htyanaka:20200705234303j:plain 羽田にて。
しばらく行けないのだろうか。

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2020/06/28 21:06
6月も終わり。
鳥取駅スタバにて。


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Update 2020/06/28
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コロナ対応授業の表と裏 No2 学生の不満編その2

前回の続き。
コロナ対応授業の想定文句とその言い訳。
今回は授業以外のいろいろについても触れてみる。
内容は所属機関を代表するものではなく、あくまでイチ私見なので、その辺よろしく。

ほとんどの人が大学の周りにいるのだから対面授業にしたらいいのに

これもたまに耳にする意見。
県境をまたいだ移動が制限されていた頃によく聞かれた。
自分の周りはほとんど大学の近くにいるのだから、対面でよいじゃん、というのが主張の骨子。
特に低学年に多い印象。

ただ、これは難しい。
なぜかと言えば、少数の学生さんが県外でオンライン経由参加をしているから。
大学が移動の自粛を呼びかけているので、この人たちが不利益を被るのは避けなければならない。
上級生になると就活等で県境をまたがなければならない人も多くなる。
大学の近くに戻ってきても2週間は出校停止になるので、これも対面だと不利益を被る。
まだある。
コロナでなくとも僕らは体調を崩すし風邪もひく。
現在はこういう場合もコロナを警戒して出校を見合わせることになる。
そういう学生さんを出席扱いにすることはできるが、授業内容のフォローをするのは難しい。
こういった理由から、対面よりオンラインが勝つ。

対面とオンラインの混在が大変なこと、即時の切り替えが難しいことは、その1で書いた通り。

学費は割り引くべき

私立大学を中心にこの声が上がっていた。
普段と同じ授業や大学生活を享受できないのだから、お金返せ。
一見正しい意見に聞こえる。

ただね。
これは大学側から見ると酷。
と、いうのは、コロナで普段の授業が提供できていないから大学や教員が楽をしているわけではないのだ。
むしろ、コロナ対応のために準備や設備のコスト(時間的にもお金的にも)は増えている。
そうすると、このコストを誰が払うか、ということになる。
当たり前のことなんだけど、これを大学側が一方的に被れば大赤字になる。
なので、これが長期にわたれば大学は潰れるか、コロナ禍の現状を前提としてコストを授業料にのせていくことになる。
コロナ禍という特殊状況下で代替手段のオンライン授業を提供する、という離れ業を同じ授業料でやっている、と見ることもできるわけで、学生さんは視点を変えてこのあたりを勘案してもよいのではないか、とは思っている。

なお、心情的にはコロナで損をしている感、がっかり感を味わっている学生さんがいるのは十分わかっている。
そのあたりのことを考えて、オンラインが対面授業の劣化版にならないようがんばっている教員は多いと思う。

金銭的サポートが足りない

各大学、経済的に困窮した学生さんを救済するために経済的なサポートを行なっている。
これが足りない、もしくは、もらえなかった、という不満を目にすることがある。

まず、大学がなぜこういうことをするか。
これは、いろいろなところから困窮の事例が上がってくるから。
他大で1週間ご飯を食べてなかった学生がいた、なんて話が上がってくると、うちもそういう学生さんがいるかも、と考える。
恵まれている人にはわからないかもしれないが、経済的な背景は本当に人それぞれである。
コロナのせいで家庭の事情が大きく変わったというようなこともある。
もともと、生活費の大半をアルバイトで稼いでいる、という学生さんもいる。
こういうことで、大学を辞めて欲しくない、というのはおそらく多くの大学教員と大学に共通していると思う。
なので、そういう悲しいことにならないように、緊急避難的にできる範囲で経済的サポートをしている、というのが正直なところだと思う。

ただ。
これは本来大学の役割ではない。
特にコロナの場合、全国的にかなりの大学生がこういう状態におちいっていることが考えられる。
日本国憲法第26条第1項には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とある。
それを受けて、教育基本法第3条第2項で「 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」と定めている。
つまり、これは本来国と自治体の役割である、ということ。
なので、かなり困窮している、そういう人が身近にいる、という場合は、このラインに働きかけていくというのも大事。
声を上げる、は、民主主義の基本。

本当はなんとかしたいんだけど、予算が限られている以上大学としてできることは限られてしまう。
特に国立大学は授業料だけだと常に赤字で、国費で補って運営しているので、厳しい。

なお。
経済的に困窮して、退学を考えるほどになっている学生さんは、一度教員に相談してほしい。
いろいろと道が用意されているので、一人で考えるよりもはるかに選択肢が増えると思う。
決して、一人で思い詰めて辞めてしまわないよう。

長くなった。
今日はこの辺で。
ではまた。




f:id:htyanaka:20200622101243j:plain ザギンのテンホコ。

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2019/06/21 20:31
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鳥取にて。


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Update 2020/06/21
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コロナ対応授業の表と裏 No.1 学生の不満編その1

コロナで大学の授業が変則的になっている。
双方向やりとり可能なオンライン型、動画を見るオンデマンド型、従来通りの対面型。
コロナが少し落ち着いてきたことから、本務校も含めて対応に変化が出てきた。
今回はそんなコロナ対応授業について、学生さんの不満と疑問を拾って言い訳をするという記事。
学生さんの不満は教員側で気づいているものもある。
が、それでもどうしようもないもの、意図があってわざとやっているものなどもある。
もちろん、僕の完全な私見ということも考慮して読んでいただければ、幸い。
なお、このブログは大学教員も読者としていくらかいるようなので、コメント欄に自分の意見・不満等を書いていただければ、緩やかに教員に伝わるかもしれない。
僕がいちいち返信することはないけど、そういう使い方は歓迎。

さて。
QA方式で行こう。

なぜコロナが落ち着いたのに対面授業に戻らないのか

コロナが完全に落ち着いて、今後もう流行らない、ということであれば即座に対面に戻ると思う。
問題は、いつまた流行るかが全く読めないところ。
この場合、学期の途中からオンラインに戻すというのが難しい。
学生さんは簡単なように考えるかもしれないが、オンラインと対面では準備や授業の構成が異なるため、来週からオンラインという対応がかなり厳しい。
対面用の授業計画で始めた場合、オンラインに切り替えるには計画の変更や授業マテリアルの大幅な修正がいる。
すでにオンラインを経験済みの教員の場合はまだいい。
新学期から初めて授業を担当するといった教員もいる。
この場合、技術的に未熟だろうし、オンライン用の機材すら持っていない場合がある。
前もって用意しておけよ、という声も聞こえそうだが、通常時でさえ時間に追われて過労気味の教員にとって、それはちょっと酷。
オンラインの仕事が増えたせいで、機材需要が高騰し、価格は上がり納期が長くなっている。
なかなか、即座に切り替えというのは難しい。

対面とオンラインの混在は困る

これはその通りだと思う。
オンラインは自宅で受けるのが基本。
では対面で受けるには移動時間が必要。
そう考えると、オンラインから自宅への移動時間が休み時間では足りない。
特に大学周りに住んでいない実家住まいの学生さんがきつい。

これについて現状では、大学は一応オンラインを受けるために教室の一部を開放している。
今のところオンラインも含めて全ての授業を大学で受けることで解消することができる。
他にできることがあるとすれば、休み時間を15分から移動に耐えうる時間に増やしてもらって、その時間に課題等を設定しないようにしてもらうことくらいか。
そういう対応になっておらず、それを望む場合は大学に要望としてあげてみるといい。
大学という組織は、学生さんの声をわりとよく聴こうとするところなので、どこかで検討してくれるかもしれない。

ところで。
なぜ、対面授業を一部入れるのか。
一つ目は、そうでないと成り立たないタイプの授業があること。
実習や実験、ゼミ系の授業等、授業の目標の達成がオンラインでは不可能な場合がある。
こういう授業の場合、対面でやらざるを得ない。
オンラインしかできない場合、その学期では休講にして、できるようになってからやるという対応をとることになる。
今後どうなるかわからないので、できるうちにやっておきたいと考えるのは合理的。

もう一つの理由が、学生さんを心配して、というもの。
特に1年生を心配する声が教員側にある。
対面授業というのは、直に学生同士が顔を合わせるので、人間関係を作るのに有効。
大学の授業をこなす(受けるだけでなく、課題やったり試験受けたり)時に、同級生同士で意見交換をするというのはよくやる。
この機会が新入生にないことが、大学という環境への不適応につながるということは考えうる。
教員との距離も遠くなりがち。
近ければ気軽に相談できるものを、そうでないことで相談できない。
そういう状態をなるべく早く解消したい、というのは大学側が一部でも対面授業をやりたがる理由。

ただ、オンラインと対面の混在は色々と問題を含むのも事実。
まあこんなご時世で、トライアル&エラーで進めざるを得ないので、困っていることがあったら大学側に伝えてその都度対応してもらうのがいいと思う。
教務係、学生係、授業担当教員、担任・チューター教員、ゼミ教員、仲いい教員等、いろいろなチャンネルで困り感を伝えてほしい。

オンライン授業の課題が多すぎる

これはオンライン授業を進めていく中で出てきた問題点。
多くの教員がこの問題を予想していなかった。
最近はちょっとずつ認識されるようにはなってきているが、それでも不十分かもしれない。
あきらかに課題が多すぎで、徹夜が常態化するような状態になっている場合は一度大学に相談してみるといいと思う。
教員側が気づいていないだけな場合もあるので、教員組織で問題が共有されれば少しは課題量がコントロールされることと思う。
ちなみに、大学の授業は授業時間1回(90分)に対して自習の時間を4時間を基礎としているので、その範囲を超えていなければ課題が多すぎとは言えない。
ただ、それでも総合的に困っているのであれば相談はしてみたらいいと思う。
心身の健康を壊すのは違う。

他にも学費のこととか、色々書こうと思ったけど、長くなりすぎた。
続きはまたそのうち。




f:id:htyanaka:20200622000329j:plain 始まりましたな。
神宮かな。

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2020/06/21 13:09
出かけた。
姫路スタバにて。


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Update 2020/06/21
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