週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

時事的なこと・社会的なこと

核は抑止力になるのか

核抑止力、という言葉をよく聞く。 核戦力を持っていると、相手から攻撃されない。 特に、核による攻撃。 まあそんな意味らしい。 核で攻撃すれば、こちらも核で攻撃する。 やれるもんならやってみろ。 そうやって力で牽制し合う。 お互いが大ダメージになる…

国会議員の報酬は多すぎない

国会議員の歳費(給与・報酬)を減らすべきだ。 身を切る改革として、国民感情に配慮して、などなど、さまざま理由からこの主張がなされる。 ただ、僕はこの主張には反対。 民主主義という仕組みを維持するために、今の水準の歳費は必要という立場。 今回は…

小学校学級会と民主主義

民主主義とは何か。 ここ10年、この問いについて考えるようになった。 それより前はあまり考えたことがなかったので、民主主義的な何か、が脅かされているのではないかと思う。 民主主義とは多数決である。 これは若い人に多い印象で一部政党が強く持ってい…

評価の性質

前に書いた「数値評価は難しい」の続編。 前回は評価のための数値指標を作ることの難しさについて書いた。 今回は数値評価というものの特性について。 仮に評価の数値指標について完璧なものが作れたとしよう。 これで各々をきちんと評価することができるの…

数値評価は難しい

厳密な数値評価、客観的な評価、評価指標の開発。 成果主義、GPA、PDCA。 評価を厳密に客観的に数値で行う、というのは世の中で多く行われるようになった。 特に、組織経営、国家経営をする人、数値評価で高得点をとる人はこの傾向が強い。 数値評価を行い、…

選挙の思考の一事例

前の選挙で自分の投票行動を記事にしていた人がいた。 こういう理由でこう投票する、という感じの記事。 これは大変おもしろかったので、僕もやってみようと思っていた。 よって、今日はこれ。 全く同じでもつまらないので、思考の途中経過をダダ漏れにして…

大学教育の問題 その3 時間以外編

前回は大学教育の問題について、時間の観点から書いた。 今日はそれ以外の観点から書いてみる。 時間の話と全く独立の話ではなく、主には時間配分で教育以外のことに時間を使いたくなる要因が存在する、という話。 評価の問題 大学教員は研究者である。 その…

大学教育の問題 その2 時間編

前回のつづき。 大学教育の問題は、大きくは時間がないというところに帰結するということを書いた。 なぜ時間なのか、今回は具体的に掘り下げていく。 教育には手間がかかる 当たり前のことなのだが、教育には手間がかかる。 そして、当然ながらこの手間が授…

大学教育の問題 その1 導入編

僕が大学生の時。 大学の授業にはひどいものが残っていた。 授業のレベルが学生に全くあっていないもの、準備を全くしていないと思われるもの、教科書を読み上げるだけのもの。 学生のことを考えて練られた授業というものもあったものの、ひどいものもいくら…

政治を勉強したい人のために No.2 政治家を知る

前回は時事に詳しくなるなど、ごく基本的なことを書いた。 その先に何をしたらいいか。 思いつくものをいくつか書いてみようと思う。 あくまで私見ではあるが、ある程度は役に立つと思う。 で、今回は政治家を知る編。 政治家の考えを知る まずはその人がど…

政治を勉強したい人のために No.1 時事と問題を知る

「政治のことを勉強したいのですが、どうしたらいいですか。」 これはたまに質問されること。 SNSで発言したり、ここでものを書いたりしているせいか。 そこで、今回はこのことについて書いてみようと思う。 ここでいう政治は学術的なことではなく、あくまで…

震災10年

あの日、僕は福井のとある大学にいた。 脳波実験をしていて、実験室の外で実験用のモニタを見ていた。 14時46分。 ゆっさゆっさと静かに揺れ始めた。 天井にぶら下げていた、予備の脳波電極がゆっくりと揺れていた。 小さくゆるい周期で少し長めのその揺れを…

成功の理由と失敗の原因と格差社会の話

成功するとお金持ちになり、そうでないとお金持ちになれない。 ある職業は収入が多く、ある職業は収入が少ない。 同じ会社でも、地位によって収入に格差が生じる。 仕事ができる人は富み、仕事ができない人は貧する。 新自由主義の中で、当たり前に受け入れ…

裁量労働制と大学教員 その1 基本編

大学教員は裁量労働制という仕組みで働いている。 特に国立大学は多くがそう。 ただ、大学教員がこの仕組みを理解しているかというと、そんなことはないように思う。 そこで、今回はこの仕組みについて知っていることを書く。 自分への備忘録としての意味合…

戦争を考える

この国は何十年か前に国を滅ぼしかねない大きな戦争をやった。 この戦争での日本人の死者は300万人と言われている。 日中戦争が始まる前の人口が7000万人くらい。 人口比でもかなりの数字である。 うち、軍人・軍属以外が80万人くらい。 沖縄や国外にいた日…

原発のハナシ

原発について。 僕は福島に住んでいたことがある。 友人もあっちの方にたくさんいて、震災と原発事故についてはいろいろ思うところがある。 そんなわけなので、このトピックに関してはちゃんと書きたいと思っていた。 僕は原発という発電の仕組みについては…

日本の研究力低下についての雑感

どうも、相対的に日本の大学の研究力が落ちているらしい。 他の国の発表論文数の伸びに対して日本のは伸びが悪かったり、影響力のある論文が相対的に少なくなったり。 正確な数字やそれを元にした議論は世の研究者がやってくれているので、そういうのはここ…

太平洋戦争のお話

僕は時々戦争の本を読む。 これには理由がいろいろあるのだが、一番はなぜ戦争をするのかよくわからないから。 これを知りたくていろいろと本を読むのだが、なかなか答えには行きつかない。 戦争をする、犠牲の大きさに嫌になる、戦争はダメなものと認識する…