週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

本の紹介,「大学の誕生(上)(下)(天野郁夫,中公新書)」

大学の誕生 天野郁夫(著) 難易度:☆☆☆ この本は日本の大学が誕生するまでを解説した新書である。 世界的な大学の歴史や成り立ちは、吉見さんの「大学とは何か」に詳しいが、日本のことについては最小限の記述にとどまる。 そこで、詳しく書いていある本はな…

根拠をWebに求めるな(大学生のための学び方入門17)

大学で勉強をしていると、さまざまな調べ物をすることになる。 日々の勉強、レポート、卒業研究。 その中で、安易に使われすぎているなぁ、と思うのが、Webの情報。 今回はこのテーマで書く。 確かにwebの情報は便利ではある。 Wikipediaを中心とした詳しい…

質疑応答虎の巻(研究をしよう40)

卒論修論の最後にやってくるのが、発表会。 発表については、過去にいくつか書いている。 発表をしようシリーズ 今回はその中でも、質問に関する応用編。 発表時の質問についての続編、と考えていただいて。 質問対応というのは瞬発力がいる。 何を聞かれる…

質問力を鍛える〜研究編(研究をしよう39)

さて、前回授業編を書いた。 今回は、研究編。 よって、学生のための学び方入門ではなくて、研究をしようシリーズに。 ただ、研究の中で鍛えられるというだけであって、大学生のうちに身につけておきたいより一般的な意味での質問力と意味合いもある。 研究…

研究における選択と集中について

研究業界において、選択と集中ということがずっと言われてきた。 選択と集中というのは、経営的な考え方で、伸びる分野を選択しそこに集中的に資源(金と人)を注ぎ込むという考え方。 研究業界では、主に研究費も含めた研究関連の予算について選択と集中と…

教養とは何か、なぜ必要か

その昔、大学生のうちに教養を身につけよう、ということを書いた。 教養〜自分の幅を広げよう(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 2 ) しかし。 教養とは一体なんであろうか。 よくよく考えてみると、なんとなくのイメージで語っている。 数年前、知り合いの大学…

引越し大失敗事件

ご出身はどちらですか? これは気軽に投げられるわりに答えに窮する問いである。 生まれは福岡県久留米市。 ただし、これは母方の実家出産だったせい。 居住地は横浜市で、小3まで。 その後、茨城、栃木と引越し、栃木で高校までを過ごす。 今も実家は栃木に…

本の紹介,「沖縄のこころ: 沖縄戦と私(大田昌秀,岩波新書)」

沖縄のこころ: 沖縄戦と私 大田昌秀(著) 難易度:☆☆ 1945年春。 東京大空襲から半月ほど過ぎた頃、沖縄戦が始まった。 4月に米軍が沖縄に上陸、6月に事実上沖縄から日本軍が消滅。 その悲惨さは耳にしたことがある人も多いと思うが、ちゃんと知らない、とい…

卒業研究学術論文化奮戦記(教育奮戦記11)

僕の教育の方針として、卒業研究・論文指導は1つの大きな柱として力を入れている。 正課として用意されているゼミ時間の何倍も使って指導しているし、研究の質についてあまり妥協したことは言わない。 研究室配属の前から、研究の質として、外に公開できるレ…

障害とは何か

障害とは何か。 今回はこれについて書いてみる。 僕の障害観と考えていただいてかまわない。 世の中、障害という言葉があふれている。 発達障害、知的障害、視覚障害、聴覚障害。 障害という言葉はついていないが、特別支援教育には肢体不自由や病弱といった…

谷中研究室に関するQ&A:大学院編

前回は、学部生に向けてのQAを書いた。 今回は、大学院進学を考えている人向け。 基本的な指導スタイル等は変わらないので、学部生向けQA やカテゴリー:谷中研究室も読んでいただければ。 Q:どんな人が向いていますか? 研究をやりたい人、研究能力を身に…

学会で懐かしの先輩と再会した話

先日、学会に参加してきた。 主な目的は調査。 せっかくなので、参加したいという学部学生数名を連れて、いざ大阪へ。 学会というのは、同じ分野で研究しているさまざまな古い知り合いにも会えるイベントでもある。 学会前夜は、数年前に卒業した卒業生と飲…

特別支援教育2024(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/11) 特別支援教育の概要(1) 最初~合理的配慮 第2回 特別支援教育の概要(2)(4/18) 合理的配慮補足~発達障害 第3回 特別支援教育の概要(3)(4/25) 制度と現状:特別支援教育の目的~方法・場 第4回 …

障害児等神経生理学研究2024(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/16) 脳と神経の基礎(1) 最初~脳と神経のなりたち:ラスト 第2回 脳と神経の基礎(2)(4/23) 神経細胞の情報処理~神経間の情報伝達:シナプス 第3回 脳と神経の基礎(3)(4/30) 神経間の情報伝達:主な…

肢体不自由児等の教育課程と指導法2024(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/10) 肢体不自由の概要(1) 最初~病因・疾患を知る利点 第2回 肢体不自由の概要(2)(4/17) 肢体不自由の病理:一次障害~ラスト 肢体不自由教育の歴史(1) 最初~戦前:光明学校 第3回 肢体不自由教育の歴…

肢体不自由児等の生理・病理・心理2024(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/10) 肢体不自由の概要(1) 最初~肢体不自由の病理:疾患と解剖・生理 第2回 肢体不自由の概要(2)(4/17) 肢体不自由の病理:疾患と症状・病因~肢体不自由の病理:全部 第3回 肢体不自由の概要(3)(4/24…

言語化する力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 14 )

最近、特に感じるのが、コレ。 大学生の大半はコレが苦手で、歳を重ねればみんなが勝手にできるようになるわけでもないと感じている能力。 すでに本シリーズでも書いた、書く力、質問力と似ているが、ちょっと違う。 これらよりはもっと基礎的なところにある…

学校教員の労働環境の話

学校の先生の労働環境が悪い。 こういうことが言われるようになって久しい。 これは、だんだんと知られるようになってきたようで、最近は教員志望者が減り、現場で教員が確保できない、といったことも増えているらしい。 数値的なこと、詳しいことは書籍や新…

つれえぜ、一人親方研究室(教育奮闘記10)

医学部や工学部だと、1つの研究室に教授を頂点として、准教授・講師・助教等の教員がいて、さらに複数スタッフがいるということが多い。 この仕組みを講座制というそうで、昔はこの方式をとることが多かった。 いわゆる博士講座と呼ばれる方式で、教員数の積…

データ分析と論文執筆には時間がかかる(研究をしよう38)

卒業研究のスケジュールを考えるで、データ分析は遅くとも11月(1月末が〆切の場合)で終わらせておくように書いた。 ただ。 どうもこのあたりが全然伝わっていないように感じることがある。 そこで、今回はこいつに絞って詳しく書いてみようと思う。 論文執…

研究でやってはいけないこと〜捏造編(研究をしよう37)

前回は盗作はいけないよ、ということを書いた。 せっかくなので、もう一つの研究不正、捏造と改ざんについて。 まあ、学部学生レベルでの捏造は盗用と比べるとそんなにないのだけど、改ざんはその重要性がわからずやってしまう、ということもないとは言えな…

ノートはいい、筆記具はいい No.3

さあ。 このどうでもいいシリーズも最終回(シリーズはこちら)。 この上、何を書くことがるのか、と思われるかたもいるかもしれない。 いや、しかし。 まだまだたくさんある。 今回はマニアック編。 ノートに筆記具で書く、ということをずっとやっていると…

わかりやすく伝える人は頭の良い人、なのか

SNSで「難しい言葉をいっぱい言うのは簡単」「わかりやすく伝える方が頭良い」というのを見た。 有名人の投稿だったので、結構注目を集めていたよう。 なるほど、確かに!みたいな反応が多かったか。 さっそく、知り合いの学生さんが、これを引き合いに出し…

研究でやってはいけないこと〜剽窃編(研究をしよう36)

研究には、絶対にやってはいけないことがある。 学部生、未熟な院生レベルだと、これがよくわかっていない場合がある。 よくよく振り返ると、学部生向けにあまりこれに関する授業や講習がなかったりする。 ただ、これ、研究業界でやると犯罪に準じたヤバさが…

谷中研究室に関するQ&A:学部編

研究室(学部ゼミ)配属について、よくある質問をQ&Aとしてまとめてみました。 ゼミを決める時の参考にしていただければ幸いです。 なお、大学院修士編、もいずれあげる予定です。 また、研究室のあれこれについてはこちらにも書いています。 まだの人はお読…

なぜ指導教員は前と言っていることが違うのか(大学教員・研究者という生き物 12)

なぜ指導教員は前と言っていることが違うのか。 卒論生・大学院生と話していると、時々こういうことを言われることがある。 これは結構よくあることらしく、場所・人を問わず、聞く。 そういえば、僕も院生時代、これに覚えがある。 え、それ、先生が言った…

僕の研究変遷記〜修士編前半

前回(学部編)の続き。 大学学部は幅広く学び、いざ院の修士へ。 進学先は北の大地の大きな大学。 ここの医学系の大学院だった。 研究室は脳の電気生理学系の研究室。 高次脳機能学分野、という字面のイメージだけで希望を出し、ここに配属となった。 今考…

1週間徹底的のんびり休暇日記

今シーズンの年末年始は暦の並びがとてもよい。 いやー、極めてよい。 12/27(水)まで授業だったものの、12/28(木)まで勤務したら12/29(金)から休暇入り。 明けの1/4-5は木金平日であるものの、大学の粋な計らいにより授業はなし、休暇奨励日になってい…

2024年の生き方

長らくこういうのやっていなかったのだけど、今年は元日が月曜日ゆえ、たまには、という気分になった。 中堅・中年にありがちな、日々の忙しさにかまけて思うように生きられていない、という感じがなくもない。 よって、ここ数年の我が身を振り返りつつ、今…

本の紹介,「あきらめない 働く女性に贈る愛と勇気のメッセージ(村木厚子(著),日経ビジネス人文庫)」

あきらめない 働く女性に贈る愛と勇気のメッセージ 村木厚子(著) 難易度:☆ 村木厚子さんは、地方国立大学(高知大学)を出たあと、キャリア官僚として労働省に入省、事務次官まで上りつめた人。 僕は地方国立大学で教えているので、地方国立大学経由でこう…