週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

入学後からできる卒論対策

卒業研究、卒業論文
大学生も下の学年だと、先輩からその大変さを聞いていることと思う。
どんなものかイメージできないくせに、大変だという話だけは聞く。
ちょっと不安だなぁ、と思っている人も多いのではないだろうか。

卒研・卒論とは何か。
所属組織にもよるが、基本的には大学生の一番最後にやってくる、学んできたことの集大成と位置付けられている。
これをやるために、必要なことはあらかじめ学んでおき、授業があるのであれば単位を取っておく。
そのわりに、何をしておいたらいいのかは教えてもらうことが少ない。
まあ、大学というところはそういうのも含めて自分で考えて自分で行動せよ、というところなのだけど、それを言ってしまったらここで記事が終わってしまう。
そこで、今回は入学後からできる卒論対策について書く。
なお、卒論はそれ自体から得ることがかなり大きい。
前もって下学年のうちにやっておくべきことをやっておくと、より多くのことが学べる。
どんなことが学べるのかは、 研究(卒論・修論)で身につく能力(研究をしよう31) あたりを読んでいただいて。

しておくべきこと1:書き方の基礎を鍛える

卒論では当然ながら論文を書く。
結構な量の文章を書いていくことになる。
この時に、すでに基礎的な書く力がついていると強い。

この書く力は、大学1年生から大学生活の中で身につけることができる。
一番鍛えられるのは、日々のレポート課題。
これらをしっかりと書くと、結構鍛えられる。

しかし、ただ漠然と書いていてもあまり身にならない。
なるべく早い段階で、ここで紹介している本を読んでおく。
日々のレポートはこれらの本で書いていることを実践する場として活用する。
これだけで、結構書く力は身につくと思う。
これらの本を読むのは、早ければ早いほどいい。
教員によっては、頼み込めば添削をしてくれることもあるので、時々はそういった振り返りを入れる。
これらはやればやるほど力がつくと思って間違いない。

なお、研究系の書く力は、ビジネス系文書全般に共通している汎用性の高い能力。
卒論に生かせるだけでなく、就活のエントリーシートや社会に出てからのビジネス文書においても役にたつ。

しておくべきこと2:読む力を鍛えておく

研究を進めるには、たくさんの論文・専門書を読むことが必要になる。
この時、読む力、読む速度がものを言う。
下級生のうちから、そのあたりを意識して読む力を鍛えておきたい。

では、どうやったら鍛えられるのか。
これは、もう、たくさん読む、に尽きる。
読んだ文字の数だけ、力がつくと思っていい。
授業で推薦されるような本、論文を読むクセをつけておこう。
別に、専門分野に関係する本でなくてもいい。
何でもかんでも読む、雑食的に読みまくるというのがおすすめ。

読んでいてもわからん、というのは読書をあまりしない人からよく聞かれる。
わからなくてもいい。
とりあえず最後まで読む。
そして数をこなす。
これを繰り返すと、いつの間にかついているのが読む力。
大学1・2年生のうちにこれをやっておくと、後がかなり楽になる。

読む力については別記事も書いているので、そちらも参考にしていただいたて。
なお、この読む力には、英語力も含む。
研究論文は、英語で書かれているものも多いため、がんばれば読める程度に力を身につけておきたい。
英語力についてはこちらも参考になる。
僕は大学入学時点では英語が超絶苦手だったが、時間をかけて克服した。
どんなに英語が苦手な人でも、無理やり使わなければいけない環境に放り込まれるとできるようになるので、語学は時間なのだと思っている。

しておくべきこと3:幅広く知識を入れておく

研究をやるためには、当然ながら研究する分野を選ばなければならない。
分野を選ぶためには、選択肢となる様々な分野のことを知らなくてはならない。
分野選びは2年生か3年生の段階で行うことが一般的。
それまでにある程度選択肢とその中身を知らないと選びようがなくなる。
そのために浅いが幅広い知識を入れておく必要がある。

入れる知識は2種類。
1つ目は選択肢となる分野の概要。
所属している学部学科コース等によって、卒論時に選べる選択肢は決まっている。
選べる教員の授業を中心に、必要に応じて本を読むなどして、どの分野でどんなことをやっているのか知っておく。
注意が必要なのは、授業だけではもれる分野があること。
授業は同じ時間に複数設定されているので全部は履修できないし、カリキュラム上、卒論分野を決めた後の学年にしか履修できないものもある。
これらは意識して書籍から学んでおかないと、知識としては入ってこない。
選択できる所属組織の教員一覧から、専門分野の名前、専攻の名前を調べて、新書なんかを読んで内容をさらっておきたい。
まあ、そこまでせずとも、卒研究発表会に顔を出して、卒論生がどんなことをやっているか聞いておくくらいは必須。
これらは早ければ早いほどいい。
分野選択の間際にあわてて調査をするともれる情報が出てくる。

2つ目。
選択肢となる分野以外の教養的な知識も入れておきたい。
卒論が忙しくなってくると、全く関係ないことを学ぶ時間が減る。
しかし、それらの知識が卒論を進める上で意外なところで役に立つことがある。
選択肢外に面白い分野を見つけてしまい、院でそちらに進みたくなるかもしれない。
院に進まずとも、選択肢として用意されている分野と選択肢外の分野の内容を結びつけて研究をする、なんてことはあり得る。
専門とか研究とかのために学ぼうとすると視野が狭くなりがちなのだけど、視野を広げるためにあえて関係ないことをインプットしておくのはとても大事。
何が役に立つかはわからない。

しておくべきこと4:PCのスキルを磨いておく

今や、PCを使わずに卒業研究を進める、卒論を書くなんてことはありえない。
苦手だと言って避けるのではなく、ある程度使えるようになっておきたい。
タイプ練習するなど、特別なことをやる必要はない。
日々の授業やその課題を進める時に、ちょっと大変でもスキルが身につくように意識して作業すればいい。
特に、時短できるような技を教わったら積極的に使いたい。
たまに、PCに苦手意識を持つあまり積極的に避ける人がいるが、これは卒論最終段階で苦しむ。
一番忙しい時期に2倍3倍の作業時間が必要になる。
早めになんとかしておきたい。

これについては関連記事(PCのスキル(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 13 ))も参考にしていただいて。

しておくべきこと5:演習系の授業は全力で

さて。
大学では今まで話したことを総合的に学べる場として演習系の授業が用意されている。
調査実習、実験演習、〇〇プロジェクト、などなど、名前はいろいろ。
これらの授業は、元々研究を見据えて設定されている。
よって、研究する力をつけるための、各種必要なことが盛り込まれている。
そういうものだと意識して、手を抜かずに訓練の場として使うとそれなりに力が身につく。
たいていはグループワークになるので、手を抜こうと思えば手が抜けるのも演習系授業の特徴。
ただし、それをやると必要な力が身につかないまま卒業研究を迎えることになるのであとで苦しむ。
できるだけ全力で取り組むようにしよう。

この演習系授業。
具体的に研究プロセスの一部を体験することになる。
すると、研究を進める上で必要なこと、やっておいた方がいいこと、に気づくこともある。
これらが見つかった場合は、この授業外で自主的に学んでおく、というのが大事。
もちろん、授業科目として用意されている場合もあるので、それらもうまく活用してほしい。
そもそも大学って、そういう場所。



つらつらと書いたが、長くなったので今回はここまで。
ではまた。




横浜のとあるえきにて。


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2023/02/05 15:08
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2023/02/05
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