週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

研究室訪問をしよう(研究をしよう30 卒論準備編)

今回は卒論の研究室が決まる前の大学生向け。
卒論の研究室を決めるために研究室訪問をしよう、という話。
これ、研究室を決めるにあたり、大学側から必ず言われることだと思う。
しかし、これをやらずに研究室を決めてしまう大学生は結構いるよう。
そこで、何でやったほうがいいのかを書いておくことにする。

研究室訪問は、行くことのメリットがいくつかある。
行かない学生さんに話を聞くと、どうもこのメリットをよくわかっていない様子。
例えば、興味ある分野が決まっていて、教員が1人しかいない。
もうつきたい教員が決定していて、それ以外の研究室には行く気がない。
興味あることが見つからない、別にどこでもいい。
だ、か、ら、別に研究室訪問行かなくてもいいよねー、ということらしい。
が。
だからこそ、研究室訪問に行く必要がある。
どういうことか。

入りたい研究室だからこそ行こう

第一希望の研究室があって、そこしか行く気ないから行かない。
訪問に行かない人によくあるのがこの理由。
これ、かなりの間違い。
行かないことで、第一希望の研究室への所属が遠のくことがある。

研究室へ入れる学生さんの数は教員・研究室のキャパで決まる。
当然希望が集中して調整が必要になることはよくある。
この時、事前に研究室訪問に来ている学生から確定するというのはよくある話。
卒論指導にあたって、学生さんがどんなことに興味を持っていて、どんな理由で自分の研究室を選んだのかは、教員が卒論指導を考えるとき重要。
学生さんが事前に研究室訪問をしてくれている場合これらがよくわかる。
なので、指導可能と判断してまずは確定、ということになりやすい。

この一手間を惜しんだために、希望の研究室に入れなかった、というのは避けたいところ。


コレジャナカッタを防ごう

結構大事なのがコレ。
研究室訪問に行って、教員の話を聞く中で違和感を持つことはある。
ちょっと違うな、と考え直すこともある。
卒論・修論は2−3年、その教員と付き合いながら書き上げていくことになる。
このため、思っている指導じゃなかった場合や相性が悪かった場合、結構しんどい。
場合によっては、途中での移動や留年、退学につながることもある。
コレはぜひ避けたい。

もちろん、1回の訪問ではわからないこともあるが、全く行かなければわかることはない。
授業から受ける印象と、研究指導は別物なことが多いので、ぜひこのあたりを探っておきたい。
なお、少し違和感を持ったら、別の研究室をできるだけ多く訪問して、選択肢を増やしておきたい。
コレは、研究が行き詰まった時に助けてもらえる教員を増やすことにもなる。


ダメだった時の対策をしよう

結構大事なのがコレ。
いかに対策をしたところで、第一希望の研究室に入れるとは限らない。
この場合、第二希望や第三希望をしっかりと探しておかないと、卒論・修論を全く興味のない研究室で進めなくてはいけなくなる。
2−3年、深く研究と付き合うことになるので、これは結構つらい。
第一希望がとても強かったとしても、もしダメだった時の選択肢はしっかりと練っておきたい。
この時考えた第二希望や第三希望については、第一希望が通った後であても役に立つことはある。
全くムダになるというわけではない。
これについては、次の項目で詳しく書く。


意外な出会いがあるかも

多くの学生さんが気づいていないのがこれ。
自分の興味からして、この研究しかない、と決めつけている場合がある。
しかし。
思いがけないところに自分の興味のテーマを指導できる教員がいることがある。
例えば、うちの場合。
心理学に興味ある学生は結構多いのだが、心理学分野以外の幼児教育や特別支援教育の分野に心理学を専門とする教員が配置されている。
教科教育系でも、心理学のバックグラウンドがある場合もある。
多くの研究室訪問をしない学生さんは、そのことに気づかず、選択肢として考慮することもなく、卒論の研究室を決めてしまう。
あとからそのことに気づいて残念がる、というのはよく見る。

そもそも、その教員がどんな研究ができるのかよくわからず、選択肢から漏れる、ということもある。
訪問して、どんなことができるのか話を聞くうちに、ここだ!となることもある。
〇〇分野、××コースなど、名前からは想像できないような研究ができる場合もある。
教員によっては、授業で教えていない内容の専門分野を持つことあるし、過去に担当授業内容からは想像できない研究をしている場合もある。
これは、行って話を聞くなどの情報収集をしなくてはわからない。

なお、自分の興味あることややりたいことを話すと、訪問先の先生が別の先生を紹介してくれることもある。
長い間、一緒に働いているので、同僚の先生の研究や専門性については知っていることが多い。
これも研究室訪問のメリット。


と、まあ、そんなわけで、研究室訪問には行ったほうがいいよ、というお話。
気軽にそんなことできるのも大学生のうちだけだし。

ではでは。
また。




羽田にて。

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2022/05/22 15:44
休暇中。
どこかのカフェにて。


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Update 2022/05/22
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