雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

お仕事概論(大学教員・研究者という生き物2)

まずは手始めに、どんなことをやっているのかを簡単に。
我々のお仕事は大きく、教育、研究、それ以外に分けられる。
教育は、授業、授業の準備、ゼミ生の卒論指導、学生さんとの面談なんかが当たる。
研究は、実験、文献調査、研究計画を練る、論文を書く、研究費の申請書を書く、などなど。
教育と研究はわりと非業界人にもイメージしやすいのだが、それ以外がなかなかイメージしづらい。
そして、ここの占める比重が結構大きい。

例えば、カリキュラムの作成。
これがパズルを組むようでわりと大変。
資格を出す場合は所管省庁に書類を提出して審査を受けなくてはならない。
入試をやる場合は準備も結構大変。
もちろん本番は張り詰めていて気を使う。
教授会や部局教員の会議なんかも出なくてはいけない。
学内のセキュリティをどうしようとか、〇〇教育をどうしようとかいう会議も結構ある。
〇〇委員というのになるとそういう会議にでるのもお仕事になる。
それから、大学が実施する各種研修なんかも。
研究不正や研究費不正使用事件が起これば研修セミナーへの出席が義務付けられる。
継続的な業務ではないが、改革とかで組織が変わるとかなると、瞬間風速的に書類書きに次ぐ書類書きと関連業務がやってくる。
これらは校務と呼ばれるもの。

「それ以外」には校務以外のものもある。
よくあるのは地域の行政や団体から頼まれごとをされること。
〇〇審議会の委員になってほしい、とか、アドバイザーをやってほしい、とか、講演をしてほしい、などなど多岐にわたる。
こういう案件は地域貢献・社会貢献になるのであまり断らない。
大学も地域貢献や社会貢献は推奨している。

他にも「それ以外」はある。
例えば、学会の雑用、研究雑誌の編集や論文審査(査読)なんかがそうか。
研究費を外部から調達するための書類書きも厳密な意味では研究ではないかも。
教科書・一般向け書籍を書く、一般向け研究紹介記事を書く、というのも研究とは言えないのでここにはいるかな。
人によってはテレビに出てコメントするなんてのもある。

書きながら改めて思ったけど、わりといろいろなことがある。
特に昔に比べると「それ以外」の比重がどんどん増えていて、なかなか大変なのですよ。
次回以降は、トピックを絞ってちょっとずつ我々のお仕事を紹介していく。




丸の内オフィス街の夜。


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2018/10/15 22:36
休暇中。
横浜のカフェにて。


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Update 2018/10/15
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論文を読む〜イントロ編前編(研究をしよう 6)

今回からは論文の読み方編。
前に書いた研究とは何か論文とは何かがまだの人はそちらから読んでいただきたく。

さて。
まずは論文の構造から。
だいたいの論文は前書きがあって、本体があって、考察があって、結論かまとめがある。
言い方は分野や学術誌、研究者によって若干異なる。
序論、本論、結論。
イントロダクション、方法、結果、考察、結論。
他にも色々な言い方があるが、構造自体はほぼ一緒になっている。
これらは論文の中でそれぞれ特定の役割を担っていて、それを意識しながら読む必要がある。
前にも書いたが、論文や研究は本当に玉石混在で、自分でコイツを吟味していかなければならないわけだ。
では、それぞれの部分で一体何を吟味すればよいのか。
これについて何回かに分けて説明していこうと思う。

で、今回のお題に入る前にもう一つ補足。
論文の一番はじめのところに、アブストラクトや要旨というものがついている。
これは何かというと論文の内容をぎゅっと凝縮したもので、読むか読まないかの判断に使う。
詳しくは、論文の書き方のところで扱いたいと考えている。

さて、本題。
今回はイントロ。
イントロダクションの略でイントロ。
このシリーズではこの言い方を使うが、いわゆる前書きの部分のこと。
他にも背景、目的、序論などさまざまな言い方がある。

さて、このイントロ。
論文の中でいったい何どんな役割を持つのだろうか。
よくあがるのが、自分の研究の先行研究や関連研究の紹介、というもの。
これはね、間違いなのだ。
修論レベルでも、ここを理解していない人がいる。

確かにイントロには先行研究やら関連研究やらが紹介してある。
でも大事なのは、何のためにそれをしているのか、がなんだ。
研究とはなにか、論文とはなにか、を思い出した方はもうわかったかもしれない。
先行研究やら関連研究の紹介は、自分の研究の新しさ(新奇性)と意義を主張するために必要だからやっている。
特に意義。
新奇性についてはわざわざ論文で、他の人がやったのを真似してやりました〜、なんて書く人はほとんどいないので、ここからだけで判断するのは難しいが、意義についてはここをしっかり読むことで読み取れる。
というか、書き手が自分の研究の意義を文章でちゃんと伝えることのできる場所がここしかない。
この部分の重要性をわかっている人は、ここにかなり力を入れて書く。
まあ、そうでない論文も多いのだけれども。
ただ、優秀な研究者ほど、ここの書き方がうまい。
これは論文だけじゃなくて、何かを会社の企画書など、何かをわかってほしい系の文章全てに共通すると思う。

つまり、イントロではこの意義を吟味するために読んでいく。
もちろん新奇性についてもわかる範囲で。
イントロには研究の目的とか仮説が書いてあることが多いので、コイツらの意義と言い変えてもよいかもしれない。
かくかくしかじかの理由でこういう目的と仮説が必然的に出てくるでしょ?だからこの研究をやったんだよ。
ってなことが書いあるべきで、その説明に対して、ああなるほどそりゃあこの研究やるの大事じゃん、と思ういう部分が意義ということ。
この意義というのが初めての人にはなかなかわかっていただけないのだが、簡単に言うとこんな感じ。
イントロとは研究の目的や仮説に至るまでの筋道を示して、そいつを通じてそれらの意義を主張するところ、と言い換えることもできるか。
意義、ぼんやりわかったかな。
難しいのでまずはぼんやり理解して、あとはやりながら理解していけばよいと思っている。

ここでひとつ気をつけたいことがある。
それは、新奇性と意義は別物であるということ。
「○○ということはわかっていない。なので本研究で調べた。」は意義ではなく新奇性。
「その○○ということを調べることが学術的にどのくらい大事なことなのか」かが意義。
ここはわかりにくく、よく混同している人がいるので注意したい。

具体的なポイントも書いていこうと思っていたが、わりといい分量になったので今回はここまで。
また次回に書く。




さあ、ゆけ。
羽田空港にて。


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2018/09/23 12:17
休暇中。
職場にて。


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Update 2018/09/23
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大学教員・研究者という生き物 No.1 はじめに

この仕事をやっていると、 普段なにをやっているのか、と尋ねられることがある。
授業と研究というのはなんとなくわかるのだけれども、
授業やっているとき以外の姿がどうも見えないらしい。
研究室にはいつ行ってもいないが、
そのわりに担当授業は高校までの先生とくらべて多いように見えない。
すごく暇そうにも見えるし、すごく忙しそうにも見える、らしい。
そういえば自分が大学生の時を考えてみてもそうだった。

そこで。
大学教員の生態、みたいなものを書いて見たらおもしろいのじゃあないかと思った。
外から見てると分からないこと、こんなことに困っていて、こんなことを楽しんでいる。
えー、そんな仕組みあるの?
そんな環境で生きてるのか。
そんなあたりを大学教員や研究者以外の人におもしろく読んでいただければ、と思っている。

さて。
実は前々からこのシリーズを書こうと思っていたのだが、特に最近書かなくちゃなぁと思うことが増えてきた。
なぜかといえば、思っている以上に業界外の人にこの業界のことが伝わっていない。
業界の人が発信している情報は、業界内とごく一部の知っている人としか共有できていない。
下手すりゃ、近くにいる学生さんや大学の事務系職員さんでさえ、我々が思っている以上に我々のことがわかっていないんじゃないか、と思うようになった。
確かに、大学教員・研究者でそういう発信をやっている人ってあまり見ない。

まあ、そんなわけで、のんびり我々の生態や問題意識なんかを書いていこうと思っている。
ただ、あくまで僕が見知っている範囲のことで書くので、そうでない場合もあることは頭の片隅に入れて読んでほしい。
現在、地方国立大の文系か理系かわからない学問領域で、日々教育と雑用と研究に生きる末端若手。
このスペックに偏ってしまう可能性があることをあらかじめご容赦いただきたく。

さて。
何を書こうかとこのシリーズの構想を考えながら、改めて我々の仕事、世間から見ると変わっているよなぁ、と思った次第。
まあのんびりゆきます。




羽田空港にて。


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2018/10/07 13:32
のんびりしている場合じゃないのだが、のんびりモード。
駅のドトールにて。


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Update 2018/10/07
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それって大学生じゃないとできないこと?【番外編】(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 7 )

今回は肩の力を抜いて、番外編。
高校生やら学生さんに、大学でどんなことするの? と質問することがある。
返ってくる答えは実に色々なものがある。
サークルがんばる。
友人関係を充実させる。
専門的知識をつける。
バイトがメイン。
遊ぶんだー!
本を、たくさん読む!
のんびりすごす。

さて。
ここで問題になるのが、時間は有限であること。
どれもこれもはできない。
当然どれを優先するか自分で決めることになるのだが、このときの判断に使ってほしいのがこいつ。
それって大学生じゃないとできないこと?

例えばバイトに命をかけててそれ以外は疎かな場合がある。
例えば先生になりたくて塾講師をがんばるとか、将来に結びついている場合もよくある。
でも、立ち止まって考えてみたい。
それって大学生じゃなくてもできることじゃないだろうか。
例えば、就職して塾講師や学校の先生になってから経験することと何が違うのだろうか。

ある人は友人関係と遊びを優先させたいという。
確かに人生の中において、これを充実させることは大事だと思う。
でもね、それって大学生じゃなきゃできないことだろうか。
同年代ですでに働いている人でも友人関係の充実や遊びは可能。
大学生のそれと社会人のそれは何が違うんだろうか。

本を読む、専門的知識をつける、サークル・部活動をがんばる、恋人がメイン、のんびりすごす。
どれをとってみても、そう。
それって大学生じゃないとできないことだろうか。
自問してみると、大学生じゃなくてもできること、大学生じゃなくてもできそうでできないもの、大学生じゃなきゃできないものがあることに気づく。
そして、それらはそれぞれの持つ将来像や生き方なんかで一人一人かなり違う。

ここで勘違いしてほしくないのが、大学生じゃなくてもできることが大事ではない、ということではない。
サークル活動を通じて一生付き合える趣味を見つけることは大事だし、この時期に出会った友人は一生モノになる。
この時期の楽しい思い出もまた、人生のいろいろな局面で糧になる。
大学生じゃないとできないことを優先しすぎるあまりここを犠牲にしてしまうと取り返しのつかないことになる。

機会費用という言葉がある。
経済学で出てくる言葉。
何かをやることによってできなかったことがあるとする。
そのできなかったことをやっておけばもっと得られるものがあった。
この時に、得られなかった利益を損失と捉え、機会費用と呼ぶらしい。

学生さんと接していると、時々、ああもったいないなぁ、と思うことがある。
今はそれより大事なことあるでしょ。
本当にそれだけでいいの?これもやってみたらいいのに。
こんな選択肢だってあるんだぜ。
少しだけ長く生きているせいか、当事者ではないせいか、それって機会費用払ってんじゃないの?と思うことがあるのさ。
特に忙しく一生懸命なタイプに多い。

さて。
何が言いたいのかといえば、たまには立ち止まって考えてみてもいいんじゃない、ということ。
これって大学生じゃないとできないことだろうか。
これって機会費用を生んでははいないだろうか。
時間は有限だからね。




高松の港付近にて。


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2018/09/23 22:17
夜のお散歩が終わって。
大阪にて。


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Update 2018/09/23
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バックアップをとろう

学生諸君。
卒論やレポートを書くときバックアップをとっているだろうか。
きっととっていない人が多いことと思う。
もしとっていないのであれば、悪いことは言わない。
今すぐ取ろう。
パソコンやハードディスク、USBメモリは、本当にある日突然逝く。
提出まであと一息、の段階で、死んだのを何度も見たことがある。
悪いことは言わないので、なるべくこまめに取ろう。

と、言うわけで、本日はバックアップの方法について書く。
参考にして簡単バックアップシステムを構築していただきたく。

まず、バックアップ取る場合の注意点。
バックアップはデータのある装置とは別の装置にとるのが基本。
まず、同じ装置にバックアップとってもほとんど意味がない。
本データが死ぬときはたいてい装置が壊れるときなので、同じ装置にバックアップを取ればそいつも一緒に死んでしまう。
なので、パソコンの中にデータを保存している人はUSBメモリを用意してそこに、USBメモリにファイルを保存している人はパソコンに、というように異なる場所にバックアップを取るようにすること。

でも、めんどくさーい、というのは、わかる。
そこで、バックアップソフトを使おう。
僕はRealsyncというフリーソフトを使っている。
これの更新元にデータの入っているフォルダを指定しておいて、更新先にバックアップを作りたいフィルダを設定しておく。
あとは作業が終わる毎に「今すぐ更新」のボタンを押すのみ。
あとは勝手に更新されたファイルのみバックアップを取ってくれる。
楽チン。

詳しい導入方法・使い方については以下のリンクを参考にしていただければと。
Windowsの簡単バックアップソフトRealSync (1) 入手とインストール
RealSync お手軽バックアップ

ではでは。




羽田空港にて


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2018/10/14 13:30
休暇中。
福井市内にて。


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Update 2018/10/14
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論文の種類2〜原著論文やら展望論文やら(研究をしよう 5)

論文の種類の2回目。
査読ありとなしの論文があるよという話を前回したが、今回は別の種類分けの話。

学生さんと論文の読み合わせをしていると、時々先行研究のみの論文を持ってくる。
で、発表の段になって、この論文先行研究ばっかで自分で調べた調査とかがないんですよ、と言う。
これが今回紹介する論文の種類に関係する。

論文は大きくわけて原著論文と展望論文(総説論文、レビュー論文ともいう)にわけられる。
原著論文はなんらかの方法論をもとに、研究を発表するもの。
前に書いた、いわゆる研究に関する論文がこれ。
新奇性があり、新たになんらかの知見を生み出している。

で、もうひとつが展望論文(レビュー論文)と呼ばれるもの。
論文探しをしていると結構な確率でコイツに出くわす。
これは何かというと、ある分野の先行研究にどんなものがあるか出来るだけ集めてきて、それをもとに新たなアイディア(仮説とかモデル)を提唱するという論文。
方法論の記載がないのが特徴なのですぐわかる。
他人の研究を紹介しつつ新しいアイディアを提唱するというのは結構高度なことなので、初学者にはなかなか良し悪しの判定が難しい。
単なる先行研究の紹介になってしまっているものも多い。
なので、ゼミの発表なんかで使うのは避けたほうが無難。
ただ、その分野のことを知りたいという場合に手っ取り早く先行研究を見つけるためには大変便利なので、そういう使い方はあり。
データベースで検索するよりも効率的によい論文に巡り会える。

さて、これで論文の種類に関する大きなものは説明した。
あとは細々したものを少し。
論文を探してくると、表紙に「原著」「プレシーディング」「資料」「展望」とか書いてある場合がある。
これはその学術誌における論文の種類を示している場合が多い。
学術誌によって定義が異なるが、基本的に原著は原著論文、展望は展望論文のこと。
プレシーディングは学会発表をもとに作成した論文のことで、原著論文よりも質が落ちることがある。
ただ、これはその分野・学会によってバラツキが大きい。
「資料」は原著論文のレベルに至っていないが、なんらかの学術的価値があり掲載されているもの。
上記以外にも雑誌によって様々な種類を設定しているので、わからなかったらその雑誌のホームページに行って調べてみるとよい。
投稿規定というのがどのかに載っていて、そこを読むとよくわかる。

論文の種類についてはこんなもんか。
次回はいよいよ論文の読み方編。




飛行機は見てて飽きない。
羽田空港にて。

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2018/08/27 20:50
帰宅中。
汽車の中にて。


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Update 2018/08/27
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メリットとデメリットを考える

メリットとデメリットを比べて、よく考えて決める。
まあ、みんなよくやっていることだと思う。
さてここで少し思考実験をしてみよう。

ある重大な犯罪が起きたとする。
状況から考えるにこの人以外に犯人は考えられない。
ただ、決定的な証拠がない。
警察は法律に則った取り調べのみで、手荒な取り調べはしていない。
被害者は苦しんでいるのに、犯人らしき人は捕まえられない。
そんな中、そんなのおかしいよ、という世論が湧き上がり、少しくらい手荒な取り調べはやむなし、という流れになる。
あ、ちなみに、犯人らしき人は本当に犯人ね。
あなたはこの流れに賛成か、反対か。
どう考えるだろうか。

この場合のメリットは犯人を捕まえることができること。
デメリットはなんだろうか。
賢明なみなさんはお気付きのことと思う。
きっと、冤罪事件が増える。
そう、上の例は世にある冤罪事件の構図になってる。
世の中には手荒なことに弱い人がいて、無実なのに思わず自白してしまうことがある、というのは過去の事例からわかっている。
この場合は犯人なんだからいいじゃん、と思う人もいるかもしれないが、こういうのは全ての人に使われると思って考えないと間違う。
冤罪を防ぐか犯人を捕まえるか。
だいぶジレンマが伴うわけだ。

次の例。
生活保護費をもらうなりパチンコで使ってしまう人たちの様子が報道された。
不正にもらっている人たちもいるらしい。
生活保護、なくても生きていけるんですけどねー。」(プライバシーのため音声は変えております)
これを防ぐために生活保護費の要件を厳しくしよう。
さあ、どう考える?
要件を厳しくした時のメリットは不必要な生活保護費が減ること。
デメリットはすぐ出てくるかな。
たぶん、必要な人の中で生活保護を受けられない人が出てくる。
不景気の頃餓死者のニュースが出ていたが、そういうのは増えるんじゃないかな。
これが僕が考えるデメリット。
つまりこれも一見メリットしかないように見えるけど、だいぶジレンマの伴う事柄。

いやいやまて。
犯人だけに厳罰を。
不必要な人からのみ生活保護費を取り上げればよいじゃあないか、と思われる人もいると思う。
それはね、僕は無理だと思っている。
統計を使っていろいろなことを見ていくということをやっているとわかるのだが、あらゆる事柄は確率で決まる。
で、その確率を完全に0%とか100%にするのは難しい。
どうやっても例外や思いがけずの値みたいなのが入ってくるのだ。
統計をかじったことのある人であればわかると思う。
何か制度ややり方を変えるというのは、この確率をいくらか動かすことだと考えている。
理想値に近づけることはできても理想値にすることはできない。
だから、そういうものだと思って考えなきゃならないと思うんだ。

ところで。
思考実験でメリットを考えるとき、目の前の事例からそれを考えたことと思う。
それに対して、デメリットはどうだっただろうか。
目の前の事例からいったん離れて、違う事例で考えたんじゃないだろうか。
そう。
デメリットに関しては想像力を働かせてこれをやらなければならない。
なので、メリットに比べてデメリットは見つけづらいし、場合によっては気づかないこともある。
デメリットに気づくには時間をかけてよーく考えることが必要。
自分では気づけないものもあるので、他人の意見からそれを拾うことも大事。
その上で、メリットとデメリットを並べて、意見や行動を決める。
簡単なようで意外と難しいのだよ。

そんなわけで、今回の話のポイントは以下の2点。
メリットとデメリットをちゃんと比べよう。
統計的な考え方は大事だよ。




見上げてごらん。
夜空の星を。
あっ、まだ昼だった。
九州のどっかかな。


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2018/08/31 11:49
出張移動中。
岡山市内にて。


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Update 2018/07/14
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