週刊雑記帳(ブログ)

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研究計画を立てる〜実践編(研究をしよう24)

このテーマではすでに何度か書いた。
それでもなお、難しいらしい。
そこで。
理想的なことはわかった、でも、どうしていいかわからないんだ、という人向けに。
研究テーマを決める研究計画を立てよう 前編研究計画を立てよう 後編がまだの人は、まずはそちらから読んでいただきたく。

まず。
卒論には〆切がある。
手順に沿って研究計画を作っていたらもう間に合わない、という場合もあるだろう。
もう研究計画が出来上がるべき時期が過ぎてしまっている、ということは多いと思う。
このあたりは、卒論のスケジュールを考えるあたりを読んでいただいて。
もはややるだけのことはやったけどうまくできず、何をやっていいのやら途方に暮れている人もいるのではないだろうか。

で、そういう場合はどうしたらいいか。
研究の目的から書こう。
これは相当に未熟でも構わない。
まずは、文字にして書類という形にする。
今一番興味を持っている、もしくは、詳しいことについて、なんでもいいから研究の目的を書く。
やりたい調査法があれば、それも意識した目的にしておくとよい。

おそらくそうやって書かれた目的は、自分でも何をしていいかよくわからない、具体性のないものだと思う。
そこからスタートする。
続いて、その目的に向けて、段落構成を考える。
これもこの際根拠とかどうでもいい。
まずは、この段落でこういうことを言いたい、というような筋立てを勝手に考える。
引用も、根拠探しも、何もいらない。
とにかく、完成させる、というのを第一に考える。
形式については、研究計画を立てよう 前編研究計画を立てよう 後編に準拠するといいか。

そうすると、1日もあれば、なんだこりゃ、というような研究計画らしき文書ができる。
それでいい。
ここからが勝負。
勝手に考えた段落構成において、それぞれの段落で言いたいことの根拠を探しては書き込んでいく。
根拠が見つからない場合はその箇所を保留して、とりあえず最後まで根拠を探しては根拠となる文献を書き込んでいく。

これをやると、どうしても根拠が見つからない場合がある。
その場合、そもそもそのことを調べることを研究の目的に変更した方がいいかもしれない。
どうあっても無理っぽければ、ここで目的を変更した上でやり直してみてもいい。
そこまでの流れはあるので、このやり直しは初版に比べると時間がかからない。
ただ、その前に指導教員に見せてコメントをもらってみるのもいい。
漠然と質問をするよりも、格段に有益なコメントがもらえると思う。

この段階まで来ると、過去に書いた「研究計画を立てよう」の記事の内容を見ながらある程度自分でできるのではないだろうか。
加えて定期的に教員に見せてはコメントをもらうことで、それなりに進んでいくことと思う。

この、未熟でもいいからとりあえずやってみる、は結構大事で、研究の各段階でも意識しておきたいこと。
まあ、研究に限らず、何かをやる時には大事なことかもしれない。

ではまた。


おまけTIPS

なお、この未熟な研究計画の更新。
古いバージョンは残しておくのがよい。
過去に作ったものは、その後部分部分使えることがあり、将来資源になる。
時々、消して書き換えて作成して最新バージョンしかない学生さんに会うことがあるが、あれはもったいない。
ファイル名の末尾に日付を仕込んでおき(例えば、卒論研究計画210429.docx)、改訂のたびにファイル名を変更して作業をしたい。
こうすると、全てのバージョンが残ることになり、便利。




f:id:htyanaka:20210430200820j:plain 横浜かなー。

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2021/04/29 21:10
GW1日目。
鳥駅スタバにて。


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Update 2021/04/29
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