週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

研究テーマを決める(研究をしよう22)

論文の読み方文献整理研究計画の立て方はすでに書いた。
これであとは研究計画が勝手にできあがるだろう、と思っていた。
ただ、先日、学生さんが何をやっていいかわからない、と言ってきた。
確かに、今まで書いてきたことだけだと、独力で進めるには少し足りない気がしてきた。

そこで。
今回は、論文を読めて文献整理はできる、ただ、具体的な研究計画には至らない。
そういう段階にいる人のために、書いて見ることにした。
研究計画の立て方のごく初期をより詳細に解説したものと思っていただければ。
この段階にいる人、おそらくはテーマが決まらない、テーマの決め方がわからない、そんなあたりで困っているのではないかと思う。
少しだけでもヒントになればうれしい。

レベル1:浅く広く段階

一番初めの段階。
全く何をやりたいのかわからず、自分の興味もかなりざっくりしている。
読んだ論文数も大したことがない場合が多いか。
この段階では分野の論文を広く浅く探すことに目標を設定する。
キーワードは大雑把で構わない。
そのキーワードで引っかかってきた論文をとりあえず、読む。
おもしろかったらそう記録をつけておく。
つまらなかったら、ちょっと別系統の論文を探す。
これを繰り返す。
引用文献がしっかりした専門書を持ってきて、その中で引用している研究論文を読むというのも手。

読む目的は、研究分野を知ること。
批判的に読めるなら読みたいが、読み飛ばして数をこなしてもよい。
とにかく読むべし。

20-40編くらい読んだところで、自分の好みがわかっていると思う。

レベル2:テーマを絞って狭く深く段階

ある程度興味が絞られてきたら、そのテーマの論文をとにかく読みまくる。
どのくらい絞るかというと、データベースで100−200編くらいしかひっかからないくらい。
そして、これをリストとして印刷し、全部読むくらいの勢いでひたすら読む。

この段階での読む目的は、研究のタネを探すこと、その分野の研究方法を学ぶこと。
よって、批判的に精読していく。
方法論も何回かに一回はきちんと調べてどういう方法なのかをちゃんと理解する。
これは自分が研究計画を練るとき、自分の問いに迫る武器になる。

ちなみにこの段階。
テーマがいまいち絞りきれていない場合でもどこかのタイミングでえいやっと決めなくてはならない。
その場合はその時点で一番よかった論文の分野にする。
これに移行できないと、あとの段階の時間がどんどんなくなり、詰む。
研究計画の一次〆切の2ヶ月前くらいがメドか。

レベル3:問いを立てるために読む

レベル2である程度論文を読み込むと、何がわかって何がわかっていないのかがわかるようになる。
どの辺の領域に研究いっぱいあって、どの辺の領域が薄いか。
薄いとすればそれがなぜなのか。

ここまでできれば、あと少し。
仮の問い(研究目的)を立てるために読む。
今まで読んできた論文をさらに精読するもよし、類似する別の分野の論文を読むもよし。
ある程度のところで仮の問い(研究目的)を立てる(文章化する)。

それが済んだら、この問いについて、本当にやられていないのか、を調べるために読む。
問いの新しさや意義などを確認するために読む、と言ってもいいか。
新しくなければ問いを少し変える必要があるし、近いのがあれば差別化が必要。
この段階の読み方は研究計画を立てる初期段階と重複するか。

レベル4:ストーリーを作るために読む

研究計画を作るため(作りながら)の読み方と言ってもよい。
レベル3の後半の段階との区別が難しいが、研究計画でロジックを固めるために読んでいく。
何度書いているように、イントロとはロジカルに研究目的を導き出すためにある。
これをストーリと言ったりもする。

ここではロジックを導き出すための必要な部品集めをする。
今まで読んできた論文とは違う領域の中にもロジックを固めるのに必要な研究論文はある。
研究目的を説得的に展開するためには他領域のアナロジーが役に立つこともある。
これらの論文たちは今までの読み方では出てきていないので、引用文献や新たな検索等で探してくる必要がある。


まあ、こんなところか。
この辺の話は、イントロの話研究計画の立て方も合わせて読んでいただけるといいか。

ではまた。
今回はこの辺で。




f:id:htyanaka:20210111141445j:plain 高松の港にて。

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2021/01/01 20:30
新年1本目の記事。
鳥駅スタバにて。


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Update 2021/01/01
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