週刊雑記帳(ブログ)

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学び方を学ぶ(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 12 )

結構大事なのがこれ。
高校までにしっかりやっている、という人もいるかもしれない。
ただ、社会に出てから役に立つ学び方、という意味では高校までのそれは不十分。
大学生のうちにぜひ身につけておきたい。

さて。
高校までの学び方と大学以降のそれは何が違うか。
決定的なのは高校までは教科書と参考書がそろっており、学び方がかなり整備されている、というところ。
また、受験やテストに最適化されており、点数を取る、という学びになりがちなことも高校までの特徴。
この学び方は大学以降だと役に立たないことが多々ある。

高校まではある程度教える内容が全国的に決められており、使われる教科書のクオリティは文科省によって担保されている。
大学受験が産業化しており、点数を取るための勉強方法や参考書もまた競争の中で磨かれるため質の高いものが多い。
高校まではこれらが使えるため、学び方も限られた方法で効率よく学ぶ、というようになりがち。
それができる人が試験を制す、というようなところがある。

大学以降ではそういう高校までのやり方とはガラッと変わる。
まず、高校までに使っていた質の高い教材というのがなくなる。
学ぶ人口の多い科目については教科書が出ているものの、質は高校までのものと比べるとだいぶ劣る。
同じ科目の教科書でもそれぞれ内容が大きく異なっていることすらある。
これがなぜか、については前の記事で書いた通り。
授業の話が難しすぎてなんだかちんぷんかん、指定された教科書もさっぱりわからん、なんてこともある。
だいたい高校までと違って、知識自体が正しいかわからない場合や正解がないような場合だってある。
最先端の専門領域であれば、知識がまだ体系だってまとまっていない、なんてこともしばしば。
この傾向は社会に出てからもずっと続く。
さあ、どうしようか。

そもそも大学での学び、社会に出てからの学びは、試験を制すことが目的ではなく、学んで知識を身につけることが目的であることが多い。
もちろん、高校までの学びもそうあるべきなんだけど、試験があって効率よく点数を稼ぐことが極度に求められる場合は、そういう学びにならないこともあるだろう。
単位認定試験は別として、大学以降は知りたいことを学んで、知識として自分の中に取り入れることが目的の場合がほとんど。
どんな難しい事柄でもあきらめることなく知識を身につける、という「学び方」の能力が必要になる。
この能力は、社会に出てから新しい仕事を任された場合、問題を解決するために新たな知識を身につけたい場合、など、あらゆる局面で役に立つ。
ぜひ身につけておきたい。

さて。
ここで注意しておきたいことがある。
それは、学び方、にはさまざまな方法があり、それは人によってやりやすい方法が千差万別であるということ。
一般的に効率的とされる方法が自分には合わないこともある。
邪道だと言われる方法が自分にとっては近道の場合もある。
例えば、ある人は直接授業のように聞く方法が有効かもしれない。
あるいは、1つの教科書をじっくり読むのがいい人もいるかもしれない。
さらっと読み流すけど、複数の本を読みこなすのがいいという場合もあるかもしれない。
自分でまとめ直して、オリジナルのノートを作るというのがいい人もいるだろう。
このように、複数の方法を色々試して、試行錯誤しながら、自分の得意な学び方を見つけておく。
これが後々ものすごい武器になる。
学び方を学ぶ、というのはそういうこと。

これが早く見つかると、その後ぐんぐん伸びていくことになる。
社会に出てから新しい知識が欲しくなった時もそんなに困らない。
特に大学では、学び終わった後に単位認定の試験なりレポートなりがあるので、本当に知識が身についたか試す場がある。
うまく活用して、今のうちに自分にとって最適な学び方というのを見つけておきたい。

ちなみに僕は本を複数読みこむ方法があっているらしい。
新書クラスの簡単な本を複数読んで、のちにかたい専門書に移行するとスッと頭にはいる。
大学生の真ん中辺くらいでこのことに気付いてから、勉強の効率が上がったのを覚えている。
なお、かたい本から読み下していかなきゃはかどらない友人、予習してから講演(授業)を聞くのがよいタイプなんてのもいたので、これは本当に個人の好みの問題。
具体的な方法は教員や友人に聞いてみると色々出てくると思う。
まあ、簡単には見つけられないとは思うが、色々試してもがきながらがんばっていい方法を見つけてほしい。

では今回はこの辺で。




そろそろ、楽しい季節。


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2020/03/08 23:36
寝なきゃね。
自宅にて。


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Update 2020/03/08
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