週刊雑記帳(ブログ)

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新書をうまく使う(大学生のための学び方入門11)

大学の授業を受けた。
何を言っているのかちんぷんかんぷん。
指定の教科書を読んでみたけど、あまり頭に入ってこない。
授業によっては教科書すら指定されていないかもしれない。
しかし、その分野はしっかり学びたい。
大学においてはわりとよくある話だと思う。

そんな時は、新書、というものをうまく使おう。
僕の記事にはたまに出てくる新書。
こいつは何かというと、文庫よりちょっと長い大きさのノンフィクションの本。
岩波新書中公新書新潮新書のように出版社ごとに名前がつけられ出されている。
コンセプトとしては、マニアックなテーマについてその道の専門家が一般向けに噛み砕いて説明してくれる読み物。
出版社ごとに色があるものの、教養を深めるにはもってこいのシリーズ。
レベルとしては大学以上でその道の初心者が読める、程度のもの。
その分野に詳しい高校生でも楽しめるかもしれない。
ただ、著者によって難易度に幅はある。
大学卒業時の読書能力のレベルをたいていの新書が難なく読めるレベルに設定するのはみなさんにオススメしている。
これについては別の記事で書いたので、そちらも参考にしていただきたく。

少し話がそれた。
で、授業の内容がわからない場合、その分野の新書をあたってみよう。
授業担当の教員に副読本として新書レベルの本を教えてほしい、というと教えてくれることと思う。
教員が役に立たない場合やハードルが高い場合は、Google先生に頼ろう。
「授業名+新書」で検索をかけて出てくる本があったら候補。
「授業名+シラバス」で検索をかけて他大学のシラバスを見てみるのも手。
シラバスによっては教科書や副読本としての新書の紹介があったりする。

授業のトピックについて深めたい場合も新書が使える。
むしろこっちの方が本道の使い方もしれない。
新書は1つのテーマを詳しく追うものなので、よりマニアックに1点を深めることができる。
例えば、心理学だったら、知能とはなんだろうとか、サブリミナル効果についてだけ学ぶとか、性格ってなあに、とか、そういうことだけを1冊の本で深めることができる。
著者の数だけマニアックなテーマが存在する上、著者はその分野の専門家で心の底からそのテーマをおもしろいと思っているので、読みこなせると楽しくてたまらない。
一回の授業のテーマごとに新書を読んでみるというヘビーな使い方から、気になったテーマやレポートを書くトピックだけ読んでみるというのまで、多様な使い方ができる。
僕の授業だと、1テーマ(2−3回分)ごとにオススメの新書を数冊紹介している。
探し方は前段落に書いた方法がそのまま使える。

ちなみに。
新書勉強方式は社会に出てからも使える。
例えば、世論で意見が割れているトピックについては、新書を1冊読むだけでだいぶ印象が変わる。
著者の偏りが気になるのであれば、著者を変えて数冊読むとだいたい問題点が整理できる。
ネットの情報やメディアの情報よりはるかに正確な情報に迫れるので、世論的な情報の真偽を自分なりに判断できるようになる。
たまに新書のコーナーに行き、全然知らないテーマのおもしろそうな新書を読むというのを習慣化すると定期的に教養的知識が入ってくる。
この方法はとてもよい。
みんなが読む流行の本ばかり読むと、みんなと同じ発想をしがちになる。
あえて、みんなと違うインプットを入れる、というのそれを打破する方法としては有効。

なお。
出版社ごとに新書の色が違う。
岩波新書はかたくてちゃんとしたものが多い、とか、中公はこの分野が厚いとか、そういうのがある。
が、ここでは書かない。
自分の目で読んで、そういうのもわかるようになっていただければ幸い。

では今回はこの辺で。
また。




f:id:htyanaka:20201005061431j:plain 高松港


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2020/09/25 18:37
出張中。
ユトリ珈琲Aossaにて。


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Update 2020/09/25
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