週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

コロナ対応授業の表と裏 No2 学生の不満編その2

前回の続き。
コロナ対応授業の想定文句とその言い訳。
今回は授業以外のいろいろについても触れてみる。
内容は所属機関を代表するものではなく、あくまでイチ私見なので、その辺よろしく。

ほとんどの人が大学の周りにいるのだから対面授業にしたらいいのに

これもたまに耳にする意見。
県境をまたいだ移動が制限されていた頃によく聞かれた。
自分の周りはほとんど大学の近くにいるのだから、対面でよいじゃん、というのが主張の骨子。
特に低学年に多い印象。

ただ、これは難しい。
なぜかと言えば、少数の学生さんが県外でオンライン経由参加をしているから。
大学が移動の自粛を呼びかけているので、この人たちが不利益を被るのは避けなければならない。
上級生になると就活等で県境をまたがなければならない人も多くなる。
大学の近くに戻ってきても2週間は出校停止になるので、これも対面だと不利益を被る。
まだある。
コロナでなくとも僕らは体調を崩すし風邪もひく。
現在はこういう場合もコロナを警戒して出校を見合わせることになる。
そういう学生さんを出席扱いにすることはできるが、授業内容のフォローをするのは難しい。
こういった理由から、対面よりオンラインが勝つ。

対面とオンラインの混在が大変なこと、即時の切り替えが難しいことは、その1で書いた通り。

学費は割り引くべき

私立大学を中心にこの声が上がっていた。
普段と同じ授業や大学生活を享受できないのだから、お金返せ。
一見正しい意見に聞こえる。

ただね。
これは大学側から見ると酷。
と、いうのは、コロナで普段の授業が提供できていないから大学や教員が楽をしているわけではないのだ。
むしろ、コロナ対応のために準備や設備のコスト(時間的にもお金的にも)は増えている。
そうすると、このコストを誰が払うか、ということになる。
当たり前のことなんだけど、これを大学側が一方的に被れば大赤字になる。
なので、これが長期にわたれば大学は潰れるか、コロナ禍の現状を前提としてコストを授業料にのせていくことになる。
コロナ禍という特殊状況下で代替手段のオンライン授業を提供する、という離れ業を同じ授業料でやっている、と見ることもできるわけで、学生さんは視点を変えてこのあたりを勘案してもよいのではないか、とは思っている。

なお、心情的にはコロナで損をしている感、がっかり感を味わっている学生さんがいるのは十分わかっている。
そのあたりのことを考えて、オンラインが対面授業の劣化版にならないようがんばっている教員は多いと思う。

金銭的サポートが足りない

各大学、経済的に困窮した学生さんを救済するために経済的なサポートを行なっている。
これが足りない、もしくは、もらえなかった、という不満を目にすることがある。

まず、大学がなぜこういうことをするか。
これは、いろいろなところから困窮の事例が上がってくるから。
他大で1週間ご飯を食べてなかった学生がいた、なんて話が上がってくると、うちもそういう学生さんがいるかも、と考える。
恵まれている人にはわからないかもしれないが、経済的な背景は本当に人それぞれである。
コロナのせいで家庭の事情が大きく変わったというようなこともある。
もともと、生活費の大半をアルバイトで稼いでいる、という学生さんもいる。
こういうことで、大学を辞めて欲しくない、というのはおそらく多くの大学教員と大学に共通していると思う。
なので、そういう悲しいことにならないように、緊急避難的にできる範囲で経済的サポートをしている、というのが正直なところだと思う。

ただ。
これは本来大学の役割ではない。
特にコロナの場合、全国的にかなりの大学生がこういう状態におちいっていることが考えられる。
日本国憲法第26条第1項には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とある。
それを受けて、教育基本法第3条第2項で「 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」と定めている。
つまり、これは本来国と自治体の役割である、ということ。
なので、かなり困窮している、そういう人が身近にいる、という場合は、このラインに働きかけていくというのも大事。
声を上げる、は、民主主義の基本。

本当はなんとかしたいんだけど、予算が限られている以上大学としてできることは限られてしまう。
特に国立大学は授業料だけだと常に赤字で、国費で補って運営しているので、厳しい。

なお。
経済的に困窮して、退学を考えるほどになっている学生さんは、一度教員に相談してほしい。
いろいろと道が用意されているので、一人で考えるよりもはるかに選択肢が増えると思う。
決して、一人で思い詰めて辞めてしまわないよう。

長くなった。
今日はこの辺で。
ではまた。




f:id:htyanaka:20200622101243j:plain ザギンのテンホコ。

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2019/06/21 20:31
休暇中。
鳥取にて。


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コロナ対応授業の表と裏 No.1 学生の不満編その1

コロナで大学の授業が変則的になっている。
双方向やりとり可能なオンライン型、動画を見るオンデマンド型、従来通りの対面型。
コロナが少し落ち着いてきたことから、本務校も含めて対応に変化が出てきた。
今回はそんなコロナ対応授業について、学生さんの不満と疑問を拾って言い訳をするという記事。
学生さんの不満は教員側で気づいているものもある。
が、それでもどうしようもないもの、意図があってわざとやっているものなどもある。
もちろん、僕の完全な私見ということも考慮して読んでいただければ、幸い。
なお、このブログは大学教員も読者としていくらかいるようなので、コメント欄に自分の意見・不満等を書いていただければ、緩やかに教員に伝わるかもしれない。
僕がいちいち返信することはないけど、そういう使い方は歓迎。

さて。
QA方式で行こう。

なぜコロナが落ち着いたのに対面授業に戻らないのか

コロナが完全に落ち着いて、今後もう流行らない、ということであれば即座に対面に戻ると思う。
問題は、いつまた流行るかが全く読めないところ。
この場合、学期の途中からオンラインに戻すというのが難しい。
学生さんは簡単なように考えるかもしれないが、オンラインと対面では準備や授業の構成が異なるため、来週からオンラインという対応がかなり厳しい。
対面用の授業計画で始めた場合、オンラインに切り替えるには計画の変更や授業マテリアルの大幅な修正がいる。
すでにオンラインを経験済みの教員の場合はまだいい。
新学期から初めて授業を担当するといった教員もいる。
この場合、技術的に未熟だろうし、オンライン用の機材すら持っていない場合がある。
前もって用意しておけよ、という声も聞こえそうだが、通常時でさえ時間に追われて過労気味の教員にとって、それはちょっと酷。
オンラインの仕事が増えたせいで、機材需要が高騰し、価格は上がり納期が長くなっている。
なかなか、即座に切り替えというのは難しい。

対面とオンラインの混在は困る

これはその通りだと思う。
オンラインは自宅で受けるのが基本。
では対面で受けるには移動時間が必要。
そう考えると、オンラインから自宅への移動時間が休み時間では足りない。
特に大学周りに住んでいない実家住まいの学生さんがきつい。

これについて現状では、大学は一応オンラインを受けるために教室の一部を開放している。
今のところオンラインも含めて全ての授業を大学で受けることで解消することができる。
他にできることがあるとすれば、休み時間を15分から移動に耐えうる時間に増やしてもらって、その時間に課題等を設定しないようにしてもらうことくらいか。
そういう対応になっておらず、それを望む場合は大学に要望としてあげてみるといい。
大学という組織は、学生さんの声をわりとよく聴こうとするところなので、どこかで検討してくれるかもしれない。

ところで。
なぜ、対面授業を一部入れるのか。
一つ目は、そうでないと成り立たないタイプの授業があること。
実習や実験、ゼミ系の授業等、授業の目標の達成がオンラインでは不可能な場合がある。
こういう授業の場合、対面でやらざるを得ない。
オンラインしかできない場合、その学期では休講にして、できるようになってからやるという対応をとることになる。
今後どうなるかわからないので、できるうちにやっておきたいと考えるのは合理的。

もう一つの理由が、学生さんを心配して、というもの。
特に1年生を心配する声が教員側にある。
対面授業というのは、直に学生同士が顔を合わせるので、人間関係を作るのに有効。
大学の授業をこなす(受けるだけでなく、課題やったり試験受けたり)時に、同級生同士で意見交換をするというのはよくやる。
この機会が新入生にないことが、大学という環境への不適応につながるということは考えうる。
教員との距離も遠くなりがち。
近ければ気軽に相談できるものを、そうでないことで相談できない。
そういう状態をなるべく早く解消したい、というのは大学側が一部でも対面授業をやりたがる理由。

ただ、オンラインと対面の混在は色々と問題を含むのも事実。
まあこんなご時世で、トライアル&エラーで進めざるを得ないので、困っていることがあったら大学側に伝えてその都度対応してもらうのがいいと思う。
教務係、学生係、授業担当教員、担任・チューター教員、ゼミ教員、仲いい教員等、いろいろなチャンネルで困り感を伝えてほしい。

オンライン授業の課題が多すぎる

これはオンライン授業を進めていく中で出てきた問題点。
多くの教員がこの問題を予想していなかった。
最近はちょっとずつ認識されるようにはなってきているが、それでも不十分かもしれない。
あきらかに課題が多すぎで、徹夜が常態化するような状態になっている場合は一度大学に相談してみるといいと思う。
教員側が気づいていないだけな場合もあるので、教員組織で問題が共有されれば少しは課題量がコントロールされることと思う。
ちなみに、大学の授業は授業時間1回(90分)に対して自習の時間を4時間を基礎としているので、その範囲を超えていなければ課題が多すぎとは言えない。
ただ、それでも総合的に困っているのであれば相談はしてみたらいいと思う。
心身の健康を壊すのは違う。

他にも学費のこととか、色々書こうと思ったけど、長くなりすぎた。
続きはまたそのうち。




f:id:htyanaka:20200622000329j:plain 始まりましたな。
神宮かな。

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2020/06/21 13:09
出かけた。
姫路スタバにて。


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PCのスキル(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 13 )

大学生と接していて、思いの外できないのが、PC。
これ、わざわざ学ぶものでもないが、大学生のうちに技術を身につけておくと、社会に出てからかなり役に立つ。
大学のうちは練習だと思って、これを身につけることを自らに課してみてはいかがだろうか。

基本的にPCは面倒くさいことを簡単にする機械。
スキルをきちんと身につけさえすれば、効率が上がり楽をすることができる。
こいつをちゃんと身につけないと、PCの操作自体に時間を取られて逆に非効率になる。
避けて通らなければほぼ誰でも使えるようになるので、大学生のうちにスキルを磨いておきたい。
社会に出ると改めてスキルを身につける時間がとりづらくなる。
スキルが身につくまでのちょっとの間は効率が下がるが、その後効率が飛躍的に上がって十分ペイできる。
これから説明するスキルを全部身につけると、作業時間は半分以下になると思う。
苦手意識を持たずがんばっていただきたく。

キーポジション(ブラインド・タッチ)

まず一つ目。
人差し指で一生懸命探して打っている人を見かけることがある。
これ、ぜひ改めてたい。

じゃあどうするのか。
キーポジションというものがある。
PCは指をどこに置き、どの指でどのキーを押すのか、その方法が定められている。
こんなもん覚えなくても打てるっちゃ打てるのだが、キー配置がそういうのを念頭に作られているので、覚えた方が早くなる。
ホームポジションについては、下記のサイトが参考になる。
https://happylilac.net/sy-keyboard03.html

キーポジションを覚えるまでは、キーポジションの図を印刷して手元に置いておく。
あとは、律儀にそれを守ってPC作業をやればいい。
しばらくは今までの独自の方法の方が早いと思う。
が、いずれスピードでは抜く。
ヒトのこころ・脳はそういう風にできている。

わざわざタイピングソフトなどで練習などしなくとも、日々のPC作業で地道に身につけていくのでいいと思う。
なお、そのままやり続けると、いずれキーを見なくとも打てるようになる。
これもわざわざ練習するのではなく、結果そうなる、を目指したらいいと思う。

ショートカット

PC作業のうち、マウスで行う大部分の作業はキーボードのみでできる。
これをショートカットという。
キーポジションを守ってキー操作ができるようになると、通常はマウスから手が離れていることになる。
よって、ちょっとした操作のたびにマウスを握り直すのは結構手間。
例えば、入力を間違えて大事な文がバッサリ消えてしまった。
こういう時、おそらくマウス操作で「やり直し」コマンドをクリックすることと思う。
ところが、ショートカットだとこれが「Ctrl+z(Ctrlを押しながらzキーを押す)」で一瞬でできる。
他にもいろいろなショートカットがあるので、よく使うものについては覚えて活用したい。
詳しくは下の記事に別に書いておいたので、参考にしてほしい。
ショートカットキーを使いこなそう(大学生が覚えたいスキル)

ちなみに、ショートカットが使える学生と使えない学生で、卒論のスピードは倍近く違う印象。
日々のレポートで使えるようにして卒論に挑みたい。

その他心構え

PCというとなんか難しい機械というイメージを持つ学生が多い。
なんとなく苦手意識を持つ。
特に文系の人に多い。

が。
PCってそもそも作業を楽にするために考え出されたもの。
特にこの機械、単純作業の繰り返しを楽にするのが得意。
よって、PCを使っている最中に単純作業の繰り返しで大変、という状況に陥ったら、楽にする方法があるのではないか、立ち止まってみよう。
たいがい、めんどくさがり屋の先人達がうまい解決方法を作ってくれている。
調べて、それをうまく利用したい。
その技術を覚えるのが大変そうな場合でも、多用する可能性があれば覚えた方がよい。
覚えた時間は、のちの効率アップにより必ず戻ってくる。

PCは楽をする機械。
これを念頭に置いて、常にこの機械を使って楽をすることを考える。
この心構え、結構大事だと思っている。


ではでは。
今回はこの辺で。
また。




羽田空港にて

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2020/05/24 20:16
2本目。
駅前スタバにて。


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Update 2020/05/24
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卒論・修論で病むのはばかばかしい(研究をしよう19)

大学も後半ともなると、卒業に向けて卒論に取り組むことになる。
修士の院生は修論
これは思いのほか大変で、人によっては精神的に参ってしまうことがある。
今回はそうなりそうになった場合の話。

そもそも研究とは、とーっても大変な営みである。
まず、自由度が高い。
ゴールは曖昧で自分で設定する。
正解も特にない。
様々な特殊技能も必要だし、学ぶことは果てしない。
計画も全部決めて、実行していかなければいけない。
書いてて思うけど、うーん、大変。

特に卒論生にとっては初めての研究となる。
修論生もほんのちょっと経験がある程度。
するといろいろとうまくいかないことが出てくる。
調査・実験がたまたまハズレで結果がちゃんと出なかった。
そもそも研究はうまくいかないことがつきものなのだが、そのあんばいがわからない。
計画通り進められず焦ってしまう。
そもそも計画がうまく立てられない。
研究論文をちゃんと読める(批判できる)レベルに達している場合、自分の研究が自分の求めるレベルに到達しない、ということもある。
批判能力と研究を創造する能力はやや異なっており、後者は経験がないので前者に比べ遅れて成長する。
理想に現実が追いつかない。
それにしんどさを感じる。
これらのことが原因でだんだんと病んでいってしまう、というのがよくあるパタンか。
真面目な学生さんに多い印象。
研究そのものではなく、教員と相性が悪い等の間接的な理由で病んでしまうこともある。

さて。
そうならないように、どうしたらいいか。
1番はなるべく早い段階で、教員に相談しよう。
指導教員と特に仲が悪いわけでなければ、指導教員がいい。
指導教員は研究の先輩でもある。
指導学生がしそうな失敗はたいがいしているし、そうでなくても過去の指導学生の先例がある。
きっと、何かいいアドバイスをくれるはず。
そもそも、研究技能についてはどんなにがんばっていようと卒論生・修論生レベルだと大したことはない。
自分でがんばった末に行き詰まってしまったら、少し相談してみると思いもよらなかった道が見えてくることがある。
指導教官に話すことで問題点が整理されて、研究の方向性が見つかることもある。
完璧なものしか教員に見せない、なんてことは考えず、ある程度がんばったところで未熟なものでもいいから見てもらって相談に乗ってもらった方がいい。
研究自体がいい方向に行くし、鬱々とした気持ちも晴れることが多い。

では、すでに精神的に参っている場合はどうしたらいいか。
これについても、教員に隠さず話してみるのがいい。
わざわざ相談するとかではなくても、研究の相談に行ったついでに、少し精神的に弱っているんだ、と伝える程度でも可。
この場合、指導の仕方が少し変わることもあるし、弱っていることに対してもなんらかのアドバイスがもらえることがある。
別に原因が研究でなくても問題はない。
最近の大学はこの辺りのサポートをしっかりしようとしていて、サポート機関があったりすることも。
精神的に参るなんて風邪引くようなものなので、誰でも起こりうる。
あまり気にせず、まず相談してみるのがいいと思う。

別に相談相手は指導教員である必要はない。
指導教員が怖い、関係が良くない、相談できるようなキャラじゃない、等々、相談相手として適さないことは考えうる。
そういう場合は、誰か仲いい教員や優しそうな教員にねらいを定めて相談しているといい。
きっと力になってくれることと思う。

次に。
指導教員と相性が悪くて弱っている場合。
実はこれはよくある話で、ハラスメントでもない限り、どちらが悪いという性質のものではない。
なので、相性問題で病みそうなくらい悩んでいる場合は、研究室を変更するのはアリだと思っている。
指導教員には話しづらいと思うので、それ以外の信頼できる教員に相談してみるといい。
きっと悪いようにはならないと思う。

研究はおもしろいし、学ぶことも多いと思っている。
が、それで自分を追い込んで病んでしまうのはちょっと違う。
病みそうな場合、すでに病んでいる場合は、自分だけでなんとかしようとせず教員をうまく使っていただきたく。
研究ごときで病んで潰れてしまうのはばかばかしい。
いや、ホント。

ではでは。
また。




智頭ですな。


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2020/06/07 23:30
休暇中。
自宅にて。


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Update 2020/06/07
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iPadのすゝめ(大学生のための学び方入門、番外編2)

遊びにきた学生さんにはたまにオススメするのだが、大学で学ぶに当たってiPadは大変便利だと思っている。
これはタブレットでも構わない。
初期投資としては4−5万円と少々値が張るが、使い方次第では十分元が取れる。
特にiPadApple Pencilの組み合わせは最強。
Apple Pencilの手書き性能はすごいので。

iPadタブレット)ってなあに、という方のために。
こいつは、まあスマホとPCの中間みたいなものだと思っていただければ。
携帯回線を契約するタイプの機種と、PCのようにWifiについないで使うタイプの2種類がある。
後者であれば維持費はかからない。
この場合、スマホテザリングオプションを契約しておき、スマホにつないでネットを使えるようにしておくと便利。
前者はいつでもどこでもネットに繋がるのでとても楽だが、維持費がかかる。
格安simで1000−2000円くらいか。

では。
コイツで何ができるのか。
今日はそのあたりを書いてみる。

書類を読む

授業などでたくさんの資料が配られる。
印刷した紙媒体を使うのもよいが、pdfファイルか何かとして電子化した上で、iPadで読むと便利。
資料のようにかさばらないので、鞄に一つiPadを入れておくだけで全ての資料を読むことができる。
Apple Pencilを使えば手書き感覚で書類に書き込みも可能。
上級生になって研究をするようになると論文を読む機会が増えるが、これもこいつを使うとかなり楽になる。
何よりも、すべての資料が常に手元で見れるというのはなかなか強い。
僕は論文はすべてこれで読んでおり、たぶん数千本の論文がiPadに入っていると思う。

ノートをとる

Apple Pencilが出てから、ノートをこいつでとるのが非常に楽になった。
ノートアプリとしてはMetaMoji Noteあたりが使いやすい(Apple Pencilモードにすると使いやすい)。
手書きとタイプの両方が使えるので、従来のノートとはまた違ったノートを作ることができる。
僕は、学会のノートはすべてこれでとっていて、聞いた情報を手書きで入力しつつ、補足情報をwebからとってきては貼り付ける、なんてノートの取り方をしている。
iPad自体が硬いため机がなくても簡単にノートが取れるのがまたよい。
ちなみに、紹介したノートアプリはpdf等の文書ファイルも開くことができるので、書類の読み書きに使用するということもできる。

辞書として使う

辞書アプリを入れておけば、辞書として使うこともできる。
電子辞書や紙の辞書を持ち歩かなくていい分、カバンが軽くなる。
いつでもどこでも使用できるのもまたよいか。
アプリは有料だが、iPhoneとアプリを共有できるので、iPadがない時でも使用できるのもまたよい。
大学生たるもの、言葉にはこだわりたい。
レポート等、文章を書く時、ちょっと気になった文字は意味を調べて、正しく使う癖をつけたいもの。
以下は、僕が使っている辞書アプリ。
・国語辞典
新明解国語辞典
三省堂国語辞典
国語辞典は2つ入れて、場合によっては2つひいて意味を確かめるようにしている。
・漢字辞典
新漢語林
・英和・和英辞典
Handy英辞郎
まあこのくらいあれば困らない。

簡易PCとして使う

iPadにはPowerPoint、Word等のオフィスアプリを入れることもできる。
これらを使うとPCでファイルを作る代わりにiPadで作業ができる。
クラウドDropBoxGoogle Drive)をうまく使うと、PCで作業したファイルをiPadで引き継ぎ、さらにiPhoneで引き継いで作業することも可能。
ちなみに僕の授業資料は、PCをメインで作っているが、カフェではiPad、出退勤等の移動中はiPhoneを使用して作っている。
授業スライドはiPad経由で出力。
慣れると便利。

電子書籍として使う

Kindleアプリを入れておくと、電子書籍として使用することもできる。
僕は昔は本は紙派だったが、すぐ買える、重くない、場所を取らない、の3つの便利にやられて、電子書籍も結構利用している。


他にも工夫次第で、いろいろ便利な使い方が可能。
社会人だとまた違うと思うけど、大学生の場合、持っていて損はないと思う。
投資に見合うリターンはある。

ではでは。
また。
なんだか、Appleの回し者みたいな記事になってしまった。





東京駅、かな。
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2020/05/31 23:46
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/05/31
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ショートカットキーを使いこなそう(大学生のうちに覚えたいスキル)

今回はPCスキルのお話。
学生さんを見ていて、わりとできていないのがこの操作。
おそらく多くの人は、レポート作成等の作業時、マウス操作を多用していると思う。
文字を選んで右クリックして切り取りを選んで、また右クリックして貼り付けする。
が、いちいちこれらのマウス操作をするのには時間がかかる。
そこで、今回はショートカットという裏技を紹介する。
こいつを覚えると、PCの作業時間は半減する。
簡単なのでぜひ覚えておきたい。

ショートカットとは、いちいちメニューから選んでやる操作をキーボードで1発で行おうというもの。
例えば、切り取りはCtrl+x(Ctrlを押しながらxを押す)でできる。
マウスか何か(Shiftを押しながら矢印キーでも選べる)で切り取りたい文字を選んでおく。
通常はここで、右クリックから選んでいくのだが、前述のCtrl+xを押してみよう。
切り取り作業が行われることと思う。
同じく、Ctrl+cでコピー、Ctrl+vで貼り付けが可能。
よく使うものとしては、Ctrl+zでやり直し、Ctrl+fで検索、Ctrl+sで上書き保存、Ctrl+pで印刷などなど。

これらのコマンドを覚えるだけでも作業効率が飛躍的に高まる。
こいつらはアプリ間で共通していることが多いので、メニュー上のどこからその操作ができるのかわからない場合などでも使用可能。
使ってみればわかると思うが、一度覚えたらコレ抜きにPC作業はあり得なくなる。

で、このショートカット機能。
たいていの面倒な作業にはだいたい用意されている。
なので、メニューを選んで操作という作業が繰り返される場合、ショートカットを調べてみよう。
例えば、CO2の2を下に小さくする、という作業をワードでやる場合。
メニューからこの操作をやるとこれは「下付き文字」と呼ばれる操作ということを知ることができる(操作中のどこかに書いてある)。
そこで、Googleで「ワード 下付き文字 ショートカット」のように検索かけると、情報が出てくる。
ちなみに、これはCtrl+Shift+「ーと=のキー」。
太字にする、下線を引く、等、まあ大概のものはショートカットが用意されている。
あまり使わないものを覚える必要はないが、多用する操作については、その都度調べて使ってみよう。
これでかなり作業が早くなること、間違いなし。

まだ使ったことない人、ぜひ試していただきたく。
レポート作成時間がかなり早くなると思う。
マイクロソフトのHPに一覧が載っているので、こちらも参考なる。

ではでは。
今日はこれにて。




松江かな。


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2020/05/24 19:17(2022/11/09 18:43更新)
休暇中。
復活駅前スタバにて。


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Update 2020/05/24
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本の紹介,「窓ぎわのトットちゃん(黒柳 徹子,講談社)」

窓ぎわのトットちゃん
黒柳 徹子(著)
難易度:☆


僕は大学で教員を目指す学生さん相手に話す機会が多い。
特に、一般の教室で困ってしまう子どもたちの教育についてよく扱う。
そんな授業で、時々紹介するのがこの本。

この本の主人公は著者の黒柳徹子さんの幼かった日々の姿であるトットちゃん。
時は太平洋戦争のちょっと前。
おしゃべりで気が散りやすい新小学生トットちゃんは、地元の学校で大はしゃぎ。
先生の手に負えず、ついには学校を追い出されてしまう。
そこで、ちょっと変わったトモエ学園という学校に通うことになる。
そのトモエ学園での出来事を中心に、トットちゃんの日常を描いた物語。

この物語、キーとなるのはトモエ学園の校長先生。
この先生がとてもよい。
常に子どものためを考えていて、子どもと対等で、優しくて、トットちゃんとは強い信頼関係で結ばれている。
彼が実践する自由で温かく見守るタイプの教育は、教育とは何かについて考えさせてくれる。
教員を目指す学生さんや現場の教員は、本書から学ぶものが多いことと思う。
そしてもうひとり素敵なのが、トットちゃんのお母さん。
怒ったりしばったりせずのんびりと奔放なトットちゃんと付き合う。
これは簡単なようでなかなか難しい。
作中でのびのびと育っていくトットちゃんの土台として、こういうお母さんと家庭があった。
この辺りもいろいろと考えさせてくれる。

彼らのすごいところは、この物語の舞台が昭和初期であるところにある。
この当時、発達障害という概念もADHDという概念もなかった。
今でこそ、これらについていくらか知られるようになって、読めば、ああADHDっぽいなとわかる。
当時は、特性や対応がある程度共有されつつある現代とはずいぶん違うはずで、その中で、こういう教育や関わりができたところに、教育と子育ての本質を垣間見ることができる。

で、もう一つこの本から学べるのが、日常と戦争。
平和で楽しく刺激に満ちたトットちゃんの生活にも戦争の影が忍び寄る。
そして大好きなトモエ学園にも。
黒柳徹子さんの年齢から考えて、彼女が入学した当時はすでに日中戦争は始まっていた。
太平洋戦争へ向けて、時勢はどんどん変化していた頃である。
ところが戦争が感じられるようになるのは後半。
戦争とはどういうものなのか。
当時の空気感を知ることができて、なかなか示唆に富む。

この記事を書くために今回読み直したのだが、何度読んでも新しい発見があるなぁ、と思った。
読んだことない人はもちろん、一度読んだことある人も読み直してみるといいと思っている。
教育に関わるすべての人にオススメな一冊。
もちろん、お父さん、お母さんにも。




お空より。

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2020/05/06 19:26
GWもおしまい。
お散歩先にて。



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