週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

オンライン授業備忘録〜システム編

さて、前回は前期の授業スタイルについて書いた。
今回は授業のシステムについて。

僕の授業システム(前期前半)

ウェブカメラ

エレコムサンワサプライか、かなりオーソドックスなWebカメラを使用。
通常はオフで、必要に応じてzoomのカメラを切り替えて使った。

会議&収録システム

zoomを使用。
いろいろなツールを比較してみたのだが、画面共有システムの精度が1番よかったため。
ただ、zoom自体の画面共有の精度もガマンならず、結局スライドは別の方法を用いて画面に表示した。
この辺は次の「スライドシステム」で詳述する。

収録もzoomの録画機能を使った。
デフォルトの設定でもそこまでファイルサイズが大きくならないのがいい。
スライド+音声メイン90分で100MB程度。

スライドシステム

当初は画面共有を考えたが、これはやめた。
画面共有システムは送信側および受信側の通信環境により画面が粗くなったりコマ落ちが起きたりする。
時間も受信側でその環境により遅れが生じる。
一方で、マイクからの音声は遅延しない。
これにより、レーザーポインタの示している場所がわからなくなったり、音声と合わないことが生じる可能性があった。
画面共有を避けたのはこれが理由。

代わりに、キャプチャーボードという機械を利用した。
これは、HDMI端子の映像をWebカメラとしての出力に変換して使うというもの。
本来プロジェクターやディスプレイに出力する映像をWebカメラへ出力するという要領。
僕が使ったのは、この製品
Webカメラの映像は画面共有のような遅延は発生しない。

スライドの出力にはiPadを使用。
レーザーポインタツールがついているので、これを使って説明箇所を示す。
Apple Pencilを利用して適宜スライドに書き込みを行なっていくのもやりやすかった。

レーザーポインタツールはPCのオフィスにも入っているので、このシステムの場合iPadの代わりにPCで行うこともできる。
学会発表のようなイメージ。
ただ、この場合PCは2台必要になる。

マイクとヘッドホン

USB接続のコンデンサーマイクを使用した。
使ったのは audio-technica USB マイクロホン AT2020USB+
少し高いが、これは効果が高い。
学生に聞いてもらったが、コンデンサーマイク越しの音声は段違いでよかったとのこと。
SNS上に転がっているオンライン講義の不満の一つに音声不明瞭というのがあったので、ここはお金をかけていいと思っている。

なお、オンライン授業ではヘッドホンは必須。
音声をスピーカーで出すと、それをマイクが拾って音がループするというようなことが起こる。
学生の側の音響が悪く聞き取りづらいこともあるため、ヘッドホンを使って音を拾えるようにしておくと便利。

システム全体

で、全景としてはこんな感じ。
f:id:htyanaka:20200830191339j:plain

僕の授業システム(前期後半)

実際始まってみると、問題が結構出てきた。
特に困ったのが、映像教材の配信。
僕の授業ではDVDやYouTubeなどの映像教材を多用する。
これに解説をつけながら授業を展開する回があるのだが、上記システムでは不具合があった。

DVDやYouTubeを画面共有で流しながら解説を試みたのだが、ここで画面共有の遅延が問題になった。
流している動画と音声が合わないのだ。
画面共有による動画の遅延は聞き手の通信環境に依存するらしく、これがかなりばらつく。
当初は自分のスマホで共有動画を見ながら解説を入れてみたのだが、聞き手間で遅延がばらつくとなるとこれはできない。
よってこれに対応するため、以下のシステムが導入された。

映像ミキサー

先述のキャプチャーボードをパワーアップしたような機器。
複数の映像を入力でき、それらを瞬時に切り替えることができる。
僕が使っているのはBlackmagic Design ATEM Mini Proという機器。
使いやすくて便利。

これで、プレゼン用のiPadに加え、映像再生用のPCを接続。
映像教材をこちら経由で流すことで、先述の遅延問題は解決した。
ただ、再生中は音声を重ねることができないため、解説のたびに一時停止してマイクを切り替えて解説する必要があった。
まあ最低限はクリアと言ったところ。
これは後期のシステムで改良する予定。

映像ミキサーのモニタ用にモバイルディスプレイを導入し、映像を確認しながら切り替えができるようになったのもよかった。

iPhonewebカメラ

映像ミキサーを使って困ったのが、Webカメラ
せっかくミキサーがあるので、Webカメラもこいつを経由させてミキサーで切り替えたい。
しかしミキサーはHDMI入力のみのため、通常のUSB出力のwebカメラは使えない。

そこで、iPhoneの内カメラを使ってHDMI出力させる方法を使った。
Apple Lightning - Digital AVアダプタかましHDMIの信号を映像ミキサへ送った。
iPhone純正のカメラアプリはシャッターボタン等が映り込むので、こちらのアプリを使用。
スタンドで上からiPhoneをぶら下げ、インカメの映像をwebカメラ化することに成功した。

システム全体

改良システムは以下のようになった。
全景は以下の通り。
f:id:htyanaka:20200906191726j:plain

今後のシステム

後期は映像教材に声を載せたいと思っているため、サウンドミキサーを導入予定。
これにより、様々な音声に声を乗っけられるようになる。
マイクも複数使用できるようになるので、ついにラジオDJ風配信、学生にゲスト出演してもらう教育テレビ番組風配信も可能になる。
ああ、楽しみ楽しみ。




f:id:htyanaka:20200906192614j:plain 島根県益田駅かなぁ。

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2020/09/06 19:21
休暇中。
横浜のカフェにて。


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Update 2020/09/06
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