週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

なぜいつもいないのか(大学教員・研究者という生き物5 )

「いつ行っても研究室にいない」
大学教員をやっているとよく言われる言葉である。
僕が学生の頃もそう思っていた。
同僚を見てみても、なかなか会えないレアな教員がいる。
で、今日は、それがなんでなの?というお話。
理由は大きく2つある。

まず1つ目。
大学教員って見た目より忙しい。
講義やゼミなどの授業で部屋を空ける。
最近は担当授業が多いので、留守は多くなりがち。
会議もけっこう多い。
教授会のような大きな会議から、入試委員会、教務委員会といった役割に応じた学部運営の会議、全学の委員会担当になるとそういうのにも呼ばれる。
業務の半分以上は研究(ということになっている)なので、研究で出ていることもある。
実験や各種調査、学会発表などなど、 研究系のイベントはかなり多い。
あとは、講演や助言などで地域の行政・学校に呼ばれていることもある。
昨今、地域貢献は重要な仕事とされている。
そんなわけでそもそも研究室外で働いている時間が多い。

2つ目は、大学教員の働き方にある。
多くの大学教員は裁量労働制という仕組みで働いている。
大学は時間管理をしないよ、という仕組み。
よって、タイムカードもこの時間までに来なさい、というのもない。
会議や授業さえ来れば、残りは好き勝手やっていい。
ちょっとでも来れば、8時間(大学によって時間は異なる)働いたとみなしてくれる。
そのかわり、12時間働いても8時間だけ働いたとしかみなされない。
そういう仕組みで働いている。
なんでそんな仕組みなのかといえば、研究という業務の特殊性による。
ノリにのって朝から夜中までぶっ通しで研究を進めることもある。
かと思えば、今日はなんだか乗らないのでやーらないって日もある。
ぼーっと歩きながら研究のことを考えることでアイディアが浮かぶことがある。
カフェでのんびり文献を読むほうがはかどることもある。
家で論文を書いていることもある。
基本的に大学だろうが家だろうが常に研究のことを考えていたり、研究活動を行なっていたりする。
このように、どこからどこまでが業務でどこからどこまでがプライベートかよくわからない。
進め方も人それぞれで、上司も指示の出しようがない。
このような業務内容の場合、仕事の裁量を本人に委ねたほうがはかどる。
こういった理由から、大学教員は裁量労働制という働き方で働いている。
そんなわけだから、用事がない時に研究室にいる必要は全くない。
当然、大学外のほうが居心地がいい人は留守がちになるわけだ。

まあ、かくして、いつもいない大学教員というのが出来上がる。
決して、仕事していないとか暇だとかそういうわけではないので、誤解なきよう。
では、そのタイプの教員に会いたい場合はどうするか。
これはもう、ストーカー化するか、あきらめるしかない。
なんてのは冗談。
やはりアポを取るのが一番ラク
あとは時間割を見て、授業直後の時間に行ってみるとつかまりやすいかもしれない。
もちろん、オフィスアワーが設定されている場合はその時間に行くと会いやすい。

以上、大学教員はなぜいつもいないのか、について書いてみた。
ではまた。




兵庫の浜坂かなぁ。


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2019/03/11 8:04
出勤中。
汽車の中にて。


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Update 2019/04/21
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