週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

引越し大失敗事件

ご出身はどちらですか?
これは気軽に投げられるわりに答えに窮する問いである。
生まれは福岡県久留米市
ただし、これは母方の実家出産だったせい。
居住地は横浜市で、小3まで。
その後、茨城、栃木と引越し、栃木で高校までを過ごす。
今も実家は栃木にあるので、ご出身は?と聞かれると、栃木なのかという気もしないではないが、ふるさと感があるのは横浜、福岡。
よって、どう答えたものか逡巡している一瞬の間ののちに、・・・ヨコハマです、と答えることが多い。

ややこしいのがこの後で、1つ目の大学で秋田、次に福島。
修士で札幌、埼玉と移り住み、就職とともに愛知へ。
その後、異動というか転職というか、そういうので、福井を経て、現在地鳥取にいたる。

そんなわけだから、引越しに関してはセミプロ並みの技術を有する。
なんたって経験回数が違う。
しかも、親の手伝いがあったのは秋田の1回のみで、それ以外はすべて自分でやっている。
ちょっとしたものである。

さて。
今回は、そんな自信と驕りが招いた、悲劇の物語である。

某所から某所へ移動することになった時だった。
お金のなかった僕は、ある悪いアイディアを思いつく。
業者頼まず、トラック借りて自分で引越ししたら節約になるんじゃなかろうか。
早速試算をしてみたところ、だいぶ安くつくことがわかった。
弟を雇って豪華メシをおごってもだいぶお釣りが来る。
さっそく、我が愚弟に連絡を取ってみると、引越し後にドライブがてら家まで送ってくれるのであればよい、とのこと。
この頃の愚弟、ドライブに目がない。
チョロい。

ただ、初めてのセルフ引越しである。
そこは慎重に段取りを決める。
まず、トラックはさすがに危ないので、オートマ・ハイエースに変更。
時間も1往復では危ないので、2往復で予定。
過去の引越し経験と荷物の量から、1往復でも十分だったが、予備で2往復しても余裕なようにした。
仕事後の夕方に弟と合流後、荷物を積み込み。
そのまま出発し、現地で一泊。
次の日の朝、荷物を積み下ろし、昼頃には家に帰還。
もう一往復必要な場合は、すぐに荷物を積み込み出発、夕方前には現地着、積み下ろして、夜遅くなる前に帰宅。
次の日の朝、レンタカーを返却して、そのまま大家チェック。
一日、最後のその地を散歩して別れを惜しみつつ、職場にあいさつ。
愚弟をドライブでもてなしながら家に送り届け、そのまま休暇入り。
なんて完璧な計画か。
予備のリカバリープラン時間まである。

パッキング等準備の時間も余念はない。
当時はわりと忙しく、経験上からも仕事後にコツコツ引越し準備をするというのは難しいと思っていた。
そこで、思い切って引越し前3日を有給にして、かなり早い段階に手続きを済ましておいた。
あとは、そこまでにやるべき仕事を終わらせておけばなんの問題もない。

ここまで聞いたみなさま。
だいたい読めてきた、あれだ、やるべき仕事が終わらんかったんだろ??と予想されることと思う。
が。
そうは問屋が卸さない。
物語は順調に進む。
やるべき仕事については、かなりフル回転で早め早めに取り組み。
なんと、有給取得の3日前くらいまでには終わっていた。
このためにですね、1、2週間くらいかなり無理をして平日・休日の業務時間を増やしたのでございます。

おかげで、計画はトントンと進んでいた、まさに有休に入る前日の夕方のことである。
「やなかさーん。います?」
ボスの登場である。
「あなたさ、あとちょっとでいなくなりますよね。」
はい。
「で、出て行くまでに、これとこれとそれとあれをやって残しておいてほしいんです。」
え??
でも、僕、明日から集中的に引越しの準備、、、、。

と、いうわけで。
そこから3日、フル回転の追加業務こなしモードへ。
寝る以外の全ての時間を追加業務処理に費やし、ようやく有休最終日の夕方、完遂。
完遂と同時くらいに、弟から入電。
駅に着いたから迎えに来いとのこと。
職場からヘロヘロになりながら、駅に到着。
「なんか疲れてるね」という愚弟のセリフを聞きながら、我が家へ帰宅したわけです。

愚弟:「あ、、、あのさ。」
うん。
愚弟:「今日、これから、引っ越すんだよね?!」
うん。

愚弟が目にしたものは、段ボール箱の1つも組み立てられていない、生活感満々の我が家の中。
とてもこれから引越し荷物を積み込むとは思えない、普段の我が家。
本来であれば、ここで我が愚弟はキレ散らかしてもいいところ。
が、僕が史上最高レベルで落ち込んでいて、覇気がない。
あまりにも凹んでいるので、キレどころを失ったみたいで、
「な、、、なんとか、なるよ!がんばろう!手伝うからさ!」
と、励ましモードになる始末。

そんなわけで、そこから荷造りと積み込みを行うも、どうがんばっても時間切れ。
このままだと、2往復どころか3往復の可能性もあるため、仕方なく夜に出発。
朝方に第一便現着、夕方に第二便現着、次の日の深夜(新聞屋とパン屋より早かった)第三便現着。
特に第三便では、ご近所様に迷惑にならないよう、抜き足差し足の慎重な荷物搬入だった。
ほとんど、逆夜逃げ。

ヘロヘロになりながら、レンタカーをギリギリの時間で返却。
と、次は大家さんチェック、なのだが、これが、まだ荷物がだいぶ残っている。
多くは、最後に自分の車に積む予定のものだが、捨てるものも大量にある。
迫る大家さんチェック。
もはや戦場である。
迫り来る退去時間。
階段を登る大家さんの靴音。
ピンポーン。
あ、あの、退去時間1時間ずらせないでしょうか?
大家:「ダメですね。とりあえずさっさと全部外に出して。」


この後、無事(?!)部屋の受け渡しを行い、外に出されたゴミを処理センターに数往復運び、残った家財道具を車に積み込み。
愚弟を約束通り家まで送り届けたところで力つき、熱を出しましたとさ。
あとから気づいたのだけど、この間3日間弱、ほぼ寝てない。

軽いトラウマ級の出来事だったため、その後、セルフ引越しなんてバカなことはせず、セミ・セルフ引越しという工夫された手法を開発してですね。

そんなこんなの、久々、なんの役にも立たないお話。
ではまた。




たぶん、鳥取市内。


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2024/05/06 17:16
休暇だよ。
蒲田タリーズにて。



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Update 2024/05/06
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