週刊雑記帳(ブログ)

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夜行列車のはなし

今はもう残り少なくなったが、僕が大学生くらいまでは夜行列車というのが存在した。
夜に、東京駅、上野駅の在来線ホームに行くと、行き先案内板には全国の地名が並んでいた。
これらの駅に行けば、本当に全国各地どこにでも行くことができた。
南は西鹿児島(現・鹿児島中央)、北は札幌まであって、1時間に数本ずつ厳かに出発していった。
同じ行き先でも複数のルート・本数が用意されていて、それだけの需要があった。
例えば、今も残っている山陰方面行きのルートだと、今のサンライズ出雲のルートだけでなく、京都から豊岡を経て鳥取市を抜けて浜田へ至るルートもあった。
青森行きなんかはもっと多くて、オレが小学生の頃は10本くらいはあったと思う。

さて、この夜行列車。
コイツがとてもよかった。
側から見ていても特別感が半端ない。
ホームには旅人が溢れていて、それぞれが旅情というか旅愁というかそういうものを漂わせていた。
隣のホームは通勤ラッシュの日常なのだが、夜行列車のホームは別世界。
ゆったりとした空気が流れていて、旅のワクワクやら別れの寂しさやら、非日常の特別感があった。

これは日常にいる側から見ても同じ。
通勤ラッシュのホームでぼーっとしている時に、夜行列車が通過していくとうらやましくてたまらない。
車内にいる旅人がのんびりとビールを飲んでいたり、外の世界にカメラを向けていたり。
寝台車には浴衣がついていたため、浴衣でくつろぐ客なんかも。
ロビーカー(その名の通り車両丸々共用スペースのロビーになっている)や食堂車なんかがついていると、うらやましさは最高潮に。
まるで別世界。

これが、乗るという話なると、楽しさはひとしお。
流れる夜景自体もたまらないし、ホームの疲れたサラリーマンに対してちょっとした優越感も。
これらを見つつ、浴衣を着て音楽を聴きながらぼーっとする。
ちょっと気分を変えたい時は、ロビーカーやら食堂車やらに行って食事や飲み物を楽しむ。
寝台車だったりすると、疲れてきたらベッドに寝転がって本を読んだりする。
これがねぇ、たまらないんだ。

僕はこいつらにだいぶ乗った。
九州の祖父母宅への帰省、高校時代の友人たちとの旅行。
1番目の大学の地・秋田へ赴くときも上野から新潟経由の青森行きに乗ったし、大学院で札幌に行く時も北斗星という豪華な夜行寝台特急に乗った。
人生の節目なので、夜行列車旅情効果はいっそうだった。

あれから、時が経ち。
九州行きの夜行は全廃され、東北方面も北海道行きも無くなった。
福井在住の時に使っていた、しぶとく生き残っていた北陸夜行も消え、岡崎時代に使っていた東京行き夜行快速も先日ついに廃止された。
あの大変よかった夜行列車を思い出しつつ、時代の移り変わりを感じている、というわけ。
復活しないかなぁ、と思えど、難しいだろうなぁ、とも思う。

なお。
前半に書いた通り、実はまだ全廃ではなく、山陰・四国と東京を結ぶ便に2本、残っている。
興味がある方は、なくなる前にぜひ乗ってみるといいよ。
本当に、たまらないんだ。

では。
今回はこの辺で。




f:id:htyanaka:20210228230913j:plain サンライズ出雲車内にて。
浴衣付き、個室。
岡山かな。

f:id:htyanaka:20210228230917j:plain 車内でシャワーも浴びれるのだよ。
これがなかなか便利。


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2021/02/20 21:06
今週末は休み。
鳥駅スタバにて。


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Update 2021/02/20
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