週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

コロナの「自粛」の話

先日Twitterに以下のつぶやきをした。


すると、知り合いの学生さんの質問箱に、以下の投稿があったよう。



僕は質問箱をやっていないので、時々こうやって全く関係ない学生さんの質問箱にコメントが送られる。
毎度ご迷惑をおかけして、ごめんねごめんね。
見つけたらフォローするのだけど、今回はつぶやきだと伝わらないかな、と思ってブログ記事化することにした。

まず。
質問箱にある意見については、とても理解できる。
僕も鳥取に住む人間として、安易に県外と行き来してコロナを持ち込んで欲しくないと思っている。
僕自身も持ち込むような行動は控えるようにしている。
鳥取県のページを読んで、感染状況に応じてリスクに応じた行動を心がけている。
これをやっている人はそれなりにいると思っている。

その上で。
やはり冒頭のつぶやきのように、自粛は無理して行うべきではないと思っている。
これは去年から繰り返し言っていること。
人それぞれ抱えている背景や人間としての特性は多様である。
よって、ある人が我慢できることであってもある人にはとてもしんどい、ということはあり得る。
ふざけているように見えて、もう限界ギリギリでこれ以上我慢すると病む、という人もいるかもしれない。
県外の自宅には病気の親族がいて、ここで会わないともう会えないという場合もあるかもしれない。
他地域から大学に進学したものの、地元のような人間関係が築けていないような人もいるかもしれない。
その人が抱えるつらさや苦しみは多様で、背景や人格特性もまた同様。
そして、それらを他人が全てを知った上で、完全に理解して納得することは難しい。

そもそも、自粛とは自分の意思で行動を制限すること。
特に今回のコロナのような場合は、自分のためというよりは社会全体のためにという理由の方が大きい。
そのため、自己の限界を超えてまで行うべきではないというのが僕の意見。
なんでこんなことをわざわざ発信するかと言えば、大学生はそのあんばいがわからない人がいるから。
初めての1人暮らしで、ただでさえストレスをためがち。
でも無理に無理を重ねて我慢をしてしまう。
気づいた時には、精神的に壊れる寸前だったり、壊れた後だったりする。
こうなると、学業を少し休まなくてはならなくなったり、断念しなくてはならなくなったりする。
大学生は不安定な青年期でもあるので、ヘタすれば自死に至る。
そんなに自分を追い込んでまで「自粛」する必要はないよ、ということ。
そういうのを果たして「自粛」というのか、というのもある。
言われないとわからない人もいるので、たまに発信するようにしている。

一方で。
冒頭の質問箱にあるような感染拡大のリスク、それらへの不安や不満があるのも事実。
これはこれで尊重しなければならない。
そういうのを踏まえて、一人一人ができる範囲で自粛する必要があるというのが僕の立場。
この辺り、鳥取県の呼びかけが優れていると思っている。
以下に引用するので読んでみてほしい。

人と人との接触機会を減らす行動を

不要不急の外出は控え、お盆は思い切った休暇や在宅勤務を実施しましょう!
その仕事、飲食会、イベントなどは、電話等でできませんか?日延べできませんか?
多くの人が各地から集まるイベント、同窓会などの中止、延期を検討できませんか?
会食は対策をしっかりした店で普段一緒にいる人とマスク会食を!

この夏は県外との往来を控えて

旅行や帰省を再検討し、「行かない」「呼ばない」「延期」の選択はできませんか?
この夏はできるだけ県外との往来を控え、電話などで温かい心を届けましょう!
やむを得ず往来する場合は、人混みを避ける、県外の人との会食を控える、PCR検 査を受けるなどリスクを考慮した行動を!

基本的な感染予防対策の徹底を

マスクの着用、こまめな手洗い・消毒、エアコン使用中も定期的に換気を!
(周囲の人と十分距離を取って適宜マスクを外し休憩など、熱中症対策も)

強制はせず、個々の事情をくんだ上で、「自粛」をお願いをしている。
「自粛」とはどういうものかをよく示した呼びかけだと思う。

不届き者に腹が立つ、叩きたい、というのは感情としては理解できる。
ただ、それをやって追い込まれるのは大抵は声の小さな弱っている者だったりする。
まあ、こういうのはコロナに限らないので、気をつけたい。




f:id:htyanaka:20210808130953j:plain 長年単身地方暮らしをしている中年の僕が苦しいのだから、
そりゃ若い学生さんはもっと苦しいだろうと思うのだよね。
鳥取市内にて。

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2021/08/08 13:21
休暇中。
鳥取市内にて。


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Update 2021/08/08
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