週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

教科書・参考図書は買うべきか(大学生のための学び方入門、番外編)

これはよく出る質問。
僕も大学生のころは悩んだもの。
授業をやる立場からこの問いに答えていく。

まず、僕の授業で使う教科書について。
僕が新規に授業を引き受けた場合、まず教科書探しを始める。
メジャーな分野の場合10-15冊ほど教科書を取り寄せ、ざっと読む。
その上で想定受講生に役に立ちそうな1冊を選ぶ。
基準として以下を考慮する。
・想定受講生の知識・読解レベルとのマッチング
・内容の妥当性
・内容が分野を網羅しているかどうか
・さらに深めたい人の足掛かりとなるか(読書案内、参考文献リストの有無)
・授業後・卒業後も使用できるか
(・絶版にならないかどうか)
全部を満たすことは少ないので、上記について授業で補えるかどうかを考えながら、ベストなものを選ぶ。
ちなみに絶版になるかならないかは、学生さんには一切関係ないが、教員にとってはかなり大事。
せっかくある教科書に合わせて作った授業マテリアルがある日突然ぱあになるのだ。
それが授業開始直前にわかった日にゃ、、、。

閑話休題
そんなわけだから、僕の授業に関しては指定された教科書は買ったほうがいいと思っている。
僕の授業では教科書がなくても大丈夫なように資料を組んで話を進めるようにしてはいる。
ただ、文章から僕の説明とは違った理解を深めることもできるし、聞きもらしを補うこともできる。
多くの教員もこういう方針で教科書を選んでいるのではないだろうか。
そういう教科書であれば買って損はない。

続いて、教員が自分で書いた本を教科書と指定している場合。
こういう教科書について、学生さんは教員が儲けるためにやっていると誤解しがち。
が、これは多くの場合間違い。
そもそも、教科書・専門書で入る印税は使った資料代と時間を考えると割に合わない。
儲けるためにこういった本を書く専門家はいないと思う。
では、なぜそんな本を書くのか。
それは、自分の教えたい内容の教科書がないから。
高校までの授業と違い、それぞれの教員が考える学問領域観がそれぞれ異なる。
これを教えたいなぁ、この内容がいるなぁ、と思っても一つの教科書に全て載っていることはない。
そもそもマニアックな分野では既存の教科書自体がないこともしばしば。
そこで、教員はさまざまな資料を使って授業を作っていく。
そして、授業がある程度の形に出来上がったら、それを文章化してまとめることがある。
これが教科書になる。
そういうわけだから、この手の教科書は担当教員の授業内容がよくまとまったものになる。
授業の内容が完全に文字になっているので、それらを理解するのに大変役に立つ。
授業時間では説明しきれない補足情報やその後の勉強についても載っていることがある。
当該授業の予習復習に最適。

ただ。
気をつけたいのは教科書にはハズレもあるということ。
あまり吟味されずに教科書が指定されている場合はありうる。
自著指定型も、学生のために書かれたものではなく、自分の業績のために書かれたものがないわけではない。
特に後者は、大人数で書かれた教科書で増えている傾向があり、この場合編者がしっかり全体を統括して細かな指示を出していないと、まとまりのないダメな教科書になってしまう。
もちろん、僕の科目ではこういう本は教科書としても参考図書としても除外している。

では、学生としてどうしたらいいか。
オススメしているのは中古本。
Amazonマーケットプレイスというのを選ぶとかなり安く中古本が手に入る。
これを活用してとりあえず手に入れる。
図書館で取り寄せてみて、どんな本かを見てみるのもいいか。
実際に使ってみてよかったら、新品を手に入れてみてもいい。
授業が終わってもういらないと思ったら、自分で中古本として出品すればいくらかお金も戻る。
後輩に売ってしまうのも手。
僕の教科書は、授業以外でも役に立つような視点で選んでいるので、卒業くらいまでは持っていても損はない。
関連分野で働く予定の人は卒業後でも役に立つと思う。

参考図書はどうか。
これは図書館等で借りてきて読んでみて、よかったら購入するくらいでいいと思う。
中古本を活用する方法もオススメ。
たまに当該内容を勉強するのにとても役に立つ本が紹介されることがあるので、手にとってそう感じた本は手元に置いておくといい。

最後にひとつ。
授業前に教科書を買っておいたほうがいいか、について。
これについては、すべての科目でそうする必要はないと思っている。
各科目の第1回目で授業の説明があるので、授業スタイルと授業での教科書の使い方を聞いてから買うのでも遅くはないと思う。
ただ、演習系の授業(例えば、実験、数学等)では、教科書があることが前提の場合がある。
この手の授業で1回目から本編に入っていった場合は困るかもしれないが、まあその時はその時。

ではまた。




神宮に行きたい。


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2020/04/21 9:38
出勤中。
山陰線の車内にて。


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Update 2020/04/21
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僕の遠隔授業の進め方について

コロナの影響により当面の間、私の授業はオンラインという形をとります。
進め方を書いておきますので、受講者は確認をしておいてください。
同業者の方は参考にしていただければと思います。

使用ツール

会議ツール:Zoom
相互やり取り:Google Chat
ファイルやり取り:DropBox or Manaba
その他ツール:Google Form

授業の進め方

Zoomを使って、スライドその他映像をライブ配信します。
受講者はPCを用意して、Zoomで授業へアクセスしてください。
私の顔はあまり登場せず、画面はスライドや教材、たまにホワイトボードを交えた解説を入れます。
Zoomを使った相互やり取りも可能ですが、それ以外の方法での相互やり取りを考えています。
ビデオカメラは指示のあったときにオンにしてもらえれば、通常はオフにしてもらっていてもいいです。

Google Chatは主に相互やり取り、リアクション、質問等のために使用します。
こちらはスマホにてアクセスするか、PCでログインしてZoomのウィンドウと並べておいてください。
ここでは原則敬語を使わず、つぶやくようにリアクションをしてもらいます。
わからなかったら、「わからんー」「???」のように書いてください。
絵文字も使えるので、同意できるコメントにリアクションしてくれてもいいです。
動画配信サイトのコメントのようなイメージです。
対面授業では表情を見たり、質問を投げかけたりしながら、授業の進め方を変えています。
オンラインではその辺が難しいと思いますので、試しにこのツールでリアクションを見てみようと考えています。
疑問点や質問もつぶやくようにどんどん書き込んでくれていいです。
出席もこのツールを使って取ります。

ファイルのやり取りは、公式のmanabaかDropBoxのいずれかを考えております。
最初は両方で行い、DropBoxのほうが楽そうならそちらに統一しようと思っています。
これらのツールを使い、授業資料を事前に配布します。
基本はPDFで配る予定です。
これらのうち、印刷指示のあるものはあらかじめ印刷をしておいてください。
書き込みが必要です。
iPad等のタブレットを持っている人は、印刷せずにそちらに電子的に書き込みをしてもらってもかまいません。

私の授業では授業最後に課題を行います。
これはGoogle Formで行う予定です。

また、現状では少数人数の対面授業はまだ許されているため、毎回研究室に1名学生さんをお招きし、やり取りをしながらの授業展開も考えています。
教育テレビのようなイメージで、学生目線でいろいろコメントしてもらいます。
参加したい、協力したいという学生さんを募りますので、助けると思ってぜひ協力してください。

と、まあ、こんな感じで進めていきます。
かなり手探りですが、対面ではできないような新しい授業の形を作っていこうと思っています。
よろしくお願いします。




羽田空港にて。


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2020/04/19 23:59
ああ、週末が終わる。
自宅にて。


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Update 2020/04/19
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遠隔授業に関するあれこれ No.2 学生事前準備

前回は、遠隔授業に関して概要と予想される問題点を書いた。
今回は学生さんが授業が始まるまでにやっておいたほうがいいことを書く。
ここでは一般的な事項のみを書くので、受ける授業によってさらに追加の措置が必要になると思う。

ネットワーク環境の整備

できれば自宅に光やADSLを利用したWiFi環境を整えておきたい。
ただ、お金と時間がかかる。
自宅にWiFi環境がない場合は、スマホを有効活用したい。
まず、スマホの「テザリング」オプションを申し込もう。
このオプションを使うと、スマホWifi代わりに使用でき、PCがネットにつながる。
あまり使いすぎると容量を食うので、使用状況はこまめにチェックしたい。
また、コロナを受けて、携帯各社がデータ容量の支援を提供している。
プランによっては50GBまで無料になるらしいので、確認をして場合によっては使えるようにしておくといいと思う。

学内ネットワークへの接続設定

多くの大学は学内のネットワークからのみ使えるサービスというものが存在する。
このうち一部のサービスについては、特別なセキュリティをかけたうえで学外から使用できることがある。
遠隔授業がらみだと、授業資料を配るシステム、メールシステム、クラウドシステムなんかでそうなっている場合がある。

そこで、学外からこれらを使えるように設定しておく必要がある。
やり方は各大学の情報センターあたりのHPに出ている。
うちの場合は多要素認証システム(通常のパスワードに加えて、ワンタイムパスワード等を追加)を登録しておかなければならない。
詳しくは、このページを参照のこと。
手続きは学内ネットワークからしかできないこともある(うちはそう)ので、現在何らかの理由で大学に来れない人は、職員に電話か何かで相談してほしい。

※以下は、うちの学生さんに向けて。
うちのシステムは、学内ネットワークからメール等にアクセスするとしばらくは外部ネットワークからでも使える。
が、時間がたつと再認証を求められ、この時に多要素認証システムの登録をしていないと詰む。
ちゃんとやっておいてほしい。

ソフトウェアのインストール

遠隔授業で配布されるファイルを見るにはソフトウェアが必要。
以下のソフトウェアくらいは入っていること前提で授業が進むので、始まる前にインストールしておきたい。

Microsoft Office
安いPCでは入っていないことがある。
最近は大学が包括契約を結んでいることがあり、それに合わせてあえて入っていない生協PCも。
いろいろなEditionがあるが、Word、ExcelPowerPointが見れるようにしておきたい。
特にPowerPointは市販PCだと入っていない場合が多いので注意が必要。
遠隔授業のファイルとして音声付PowerPointはよく使われるものになるハズ。
大学がOfficeの包括契約している場合は、各大学の情報センターあたりのHPにインストール方法が載っている。
うちは、メディア基盤センタのHPにでている。
大学が包括契約していない場合は、自分で買うしかない。

Adobe Reader
資料の多くはPDFファイルで配布されると思う。
これを見るためのソフトが必要。
最近はブラウザでも見れるものの、入れておいても損はない。
上記リンクからインストールできる。
余計なソフトまで一緒にインストールさせようとするので、余計なチェックは全部外しておくとよい。

Google Chrome
会議システム等の各種サービスをブラウザ経由で使う際、このブラウザを指定される場合がある。
うちはGoogle Meetがメインのツールになることが考えられるが、これはGoogle Chromeでないとフル機能が使えない。
ぜひ導入しておきたい。

遠隔授業のための周辺機器の購入

遠隔授業のために、以下の機器が必要になる。
webカメラ
・スピーカー(イヤホン)
・マイク
これらがPCについているか、確認し、ない場合は購入しておこう。

なお、ハウリング対策のため、できることならヘッドセットを用意しておきたい。
ヘッドセットなくても、イヤホン・ヘッドホンを使うことでハウリングを抑えることができる。

会議ツールの導入とテスト

Zoomはよく使われると思うので、あらかじめ導入して試しておきたい。
大学が指定してるツールがある場合はそちらも同じように試しておく。
うちの場合はGoogle MeetとZoomあたりを試しておけばよいか。
ついでに、学習支援システム(Manaba、Moodleなど)についても、一応ログインできるか等を試してみるといいと思う。

資料の印刷方法の検討

ファイルで配られる資料を印刷する方法を考えておく。
学校・コンビニで印刷するのか、家にプリンタ用意するのか。
電子版のまま使うのであれば、タブレットが必須。
おススメはiPadApple Pencilの組み合わせ。
もう紙の持ち歩きはいらなくなる。
これについては、またいずれ書こうと思っている。



ではでは、また。




横浜にて。


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2020/04/19 14:16
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/04/19
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遠隔授業に関するあれこれ No.1 概要と問題

コロナ対策として、全国的に遠隔授業の流れ。
いろいろと困っている人もいると思うので、いくつか書いてみることにした。
参考にしていただきたく。

遠隔授業の形式

おそらく、以下のようなスタイルの遠隔授業が行われることになる。

双方向やり取り型

主にはZoomやGoogle meetを使って、声や映像でやり取りをする型
うちの大学はGoogle meetのやり方について簡単なサポートがあったので、これが多いと思う。
全国的にはZoomが多いのではないか。
授業使用という意味ではZoomが圧倒的に適している。

一方向伝達型(映像、スライド)

学生とのリアルタイムなやり取りはせずに、動画や映像を見ておいてね、という型。
ライブ配信だとZoomやGoogle meet、Youtube等のサイトを使ったものが考えられる。
いつでも視聴可能なタイプとしては、映像ファイルを見てもらう方法、パワーポイントのファイルに音声をくっつけたものを見てもらう方法がある。
いずれもクラウドか学内の教育支援システム(ManabaやMoodle)を介してファイルが配信される。
うちは、クラウドならGoogle Drive、教育支援システムはManabaがメインとなる。

一方向伝達型(テキスト、課題型)

授業内容について資料を読む、テキストを読む、それについての課題を要求するというタイプ。
この場合、ファイルをクラウドか教育支援システムからダウンロードして使う、ということになる。



まあだいたい、こんな感じになるのではないだろうか。
これらを教員が組み合わせて使っていくとになると思う。
教員側も慣れていないので、手探り。
なので、授業が進むにつれてスタイルも変わっていくことになるのではないか。
この辺り、学生側もくんでいただければありがたい。


予想される問題点

ネットワーク環境

一番気になるのがコレ。
どのスタイルにしても、今までに使ったことのない通信量を使うことになる。
携帯回線だと弱いプランの場合は通信制限になってしまう。
どの程度の通信量になるのかはちょっとやってみないとわからないところがあるものの、ここは問題点となると思う。

ソフトウェア

遠隔授業では様々なソフトが必要になる。
特に、対面授業では紙で配っていたものがファイルで配られる。
ファイルを閲覧するには対応したソフトウェアが必要。
教員側は当然入っていると思って配信したものの、学生側に見るためのソフトが入っていない、ということはあり得る。
双方が注意したいポイント。

学内ネットワークへの接続

教育支援システムやメール等は原則学内からのみアクセス可能になっている。
学外から接続するためには、特別な認証(二段階認証、ワンタイムパスワード等)が必要なことが多い。
これらを設定して使えるようにしておかないと、遠隔授業に必要なマテリアルが使えないということになる。
事前に設定しておきたい。
なお、設定方法の解説ページの閲覧や初期設定については学内からのみ可能な場合があるので、うまくできない場合は学内のネットワークへつないで試してみる必要がある。

会議ツール特有の問題

会議ツールでは、マイク、ビデオカメラ、スピーカ(イヤホン)が必要になる。
特に、マイク、ビデオカメラは機種によって入っていない場合がある。
前もって確認しておく必要がある。
なお、同じ授業を複数PCを使って同じ空間で視聴した場合、ハウリングが起こる。
これは、スピーカーから出てきた音をマイクで拾って、それがまたスピーカから出てくる、を繰り返すため。
自宅で一人で聞く以外は対策が必要。

その他こまごましたこと

資料を電子版として使おうとした場合、2台目のPCやタブレットが必要。
授業のライブ視聴に1台目のPCを使っているため、そのPCで資料にメモを取るのはほとんど不可能。
スマホは画面が小さく、メモには適していないし、ライブ映像を見るには小さすぎる場合が多い。
タブレットを持っていない人はあらかじめ印刷を行っておく必要がある。



とりあえず、考えられる問題点を挙げてみた。
具体的な事前準備は次回。




益田かな。


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2020/04/19 14:16
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/04/19
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大学院へ進学したい人へ No.3 研究室探し

大学院へ行きたい。
そんな学生が身につけておくべきことは前回書いた。
今回は院進学先研究室の見つけ方。
先輩が大学院に大量に進学するような大学の学生さんは先輩から話が聞けるが、そうでない他大進学組も多い。
今回はそんな人たちに向けて。

大学院では研究をすることになるので、1人の教員もしくは1つの研究室に所属して研究をやることになる。
大学学部の場合、入ってから卒論の研究室を探すことになるが、大学院の場合はこれを入学前・試験前にやっておく必要がある。
行きたい大学院を探してから、その中で教員を選ぶ、というのではなく、広く日本・世界から指導してほしい教員を探し、その教員が所属する大学院を受験する、というのが普通のコース。
これをどうやって見つけるか。

一つ目は論文・著書からたどって行くコース。
興味ある論文をたくさん読んでいくと、頻出する研究者が出てくる。
これをリストアップしといて候補にする。
わりと王道の方法。
教科書なんかで引用されている研究者名を利用するのもよし。
こうやって探してきた研究者名でWeb検索をかけると研究室のホームページが出てくる。
どんな研究室でどんな論文を書いているのか。
院生はどの程度いるのか、規模はどうか、そんな情報を仕入れて進学するときの参考にする。

もう一つが、学会に参加するという方法。
学部生でも学会は参加できる。
学部生にとってはハードルが高く感じるらしいが、そんなことは全くない。
発表者は大御所から院生、時には学部生が自分の研究について発表している。
学会発表には口頭発表という壇上で大人数に向けて話しているものと、ポスター発表という、研究を伝えるために作ったポスターの前に立って来てくれた人にface to faceで説明するスタイルのものがある。
狙い目は、このポスター発表。
前もっておもしろそうな研究をピックアップして聞きに行く。
で、質問の後、実は進学する大学院を探しているんだ、とかなんとか切り出すと、研究室を見においでよ、となる場合がある。
口頭発表の場合も発表終了後に名刺もって同じように挨拶しに行くと、縁がつながる場合がある。
研究室の主催教員でなくとも、院生や研究員からつないでもらう、ということも可能。
ただ、この場合は大学3年生のうちに参加しておく必要がある。
4年生だと学会の開催時期が院試験から見て遅すぎることがほとんど。

指導教員から紹介してもらう、という方法もある。
指導教員は共同研究先、出身研究室、知り合いの研究者などとつながりを持っている。
自分の興味を伝えて、外の世界を見てみたい、と頼んでみよう。
ちょうどいい研究者の知り合いがいれば紹介をしてもらえるかもしれない。
うまくつながると卒論の段階から進学先の教員と研究できる場合がある。
ただ、これは頼み方に注意が必要。
教員によっては自分のところにいてほしい、と思う人もいる。
面倒くさいタイプだと、自分の指導に不満があるから出ていく、ととるような教員もいる。
なので、そういうタイプの教員に安易に頼んでしまうと後々ぎくしゃくする。
指導教員がどういうタイプかを見極めながら、どういう理由で研究室を移りたいか、をしっかり伝えて依頼する必要がある。
指導研究室の教員ではなく、専門が近い別の教員に相談してみるのもよいか。
他大院への進学を考えている学生さんは、卒論研究室選びの際もその辺をしっかり考えておく必要がある。
ちなみに僕は外に出ていけ派なので、よろこんで紹介する。

と、まあ探し方についてはこんなところ。
ではまた。




高松港にて

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2020/04/12 20:48
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/04/12
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教育やめたこと色々話

この大学で教えるようになって時間が経った。
もともとが教育がしたくてこの仕事を志したので、いろいろとやりたいことを試してはみた。
ただ、授業準備がゼロからなので初年度が一番忙しい、という前評判には見事に裏切られ、年々忙しくなってゆく。
その中で、忙しさゆえに消えていった実践たちと消えそうな実践たちを書き残しておくことにした。
遠い将来、事情が変わって忙しくなくなったときに、復活させる備忘録として。
なぜ忙しくなっていったのか、については、別トピックでまた書く。

補習

教育実習等のやむ得ない事情で授業が受けられないことがある。
特に所属しているところはミニ教育学部みたいなコースであるため、学生の教育実習の数が多い。
小学校へ行って、少し戻ってきて、すぐ中学校、ということになると、授業の4割くらいを抜ける学生が出てくる。
大学のきまりでは不利にならないようにしなければならないため、赴任後2年くらいは、補習授業をやることにしていた。
抜けた学生のうち希望者を集めて、授業の内容をもう一度しゃべる。
時間としては90分×5回×2科目分。
学生が少人数なのと、演習部分はあとでやっておいてもらうのとで、実時間としては実際の授業時間の2/3くらいになる。
手間はかかるものの、教育効果・学生満足度とも高い取り組みだった。
3年目に授業が増えたのを機にやりにくくなり、4年目にさらに授業が増えて完全に消滅した。

課外の勉強会(自主ゼミ)

前任校時代から統計学の勉強会をやっていた。
卒論には絶対に必要だし、現代教養としても必要。
そういったことから、毎年半年くらいかけての統計学勉強会をやっていた。
授業や自学で身につけてもらうのが本来なのかもしれないが、なかなかうまくいっていない。
そこで授業ではできないような少人数ゼミ形式の勉強会を開いていた。
みんなで本を読み込んで来て、わからないところを章担当学生に質問して解決するというスタイル。
これは教育効果が高く、全員が勉強するのでかなり力がつく。
が、これも3年目に余裕がなくなり積極的に声をかけなくなった。
積極的には声をかけないものの、やってと頼まれればやる、というスタンス。
気に入ってる実践ではあるものの、絶滅危惧種

映画鑑賞会

1,2年目まで実施。
授業で扱ったことに関連する映画を希望者を募って放課後に見る、ということをやっていた。
回数は半期に2回程度。
本当は月イチくらいで、いろいろな分野の先生の解説付きで名作を見る、なんてのをやったら楽しいだろうな、と思っていたが、拡充する前に忙しさに負けてついえる。
無念。

試験答案の返却と解説

僕のテストは難しいので、せめてアフターケアはしっかりしようと、答案の返却を実施している。
希望者には答案をざっと見て、できなかったところや答案のクセを個別に解説していた。
3年目くらいからつらくなり、どんどん簡素な説明になり、4年目からは一部科目でこれをやめた。
まだ学部専門科目ではこれをやっているが、いつかできなくなるのではないかと思っている。
同じく、試験の講評をA4で2-3枚ほど書いて還元しているが、これもいつまでできるか自信がない。

オフィスアワー以外の質問対応

僕が大学で本格的に教えるようになった時、一番最初に気になったのが学生に対する教員の敷居の高さ。
わからないことはもっと気軽に質問に行けばいいのに、必要以上に教員との距離を感じている学生が多かった。
そこで、僕の授業に限っては質問しやすい雰囲気を出すように心がけた。
オフィスアワーに限らず、研究室にいればいくらでも質問に答えるようにしている。
このため、試験前は身動きが取れなくなるくらい入れ替わり立ち替わり学生が質問に来るようになった。
最近は僕の担当外の授業・卒論の質問にくる学生もちらほら。
これ、結構時間を取られるのでなんらかの制限が必要かな、とも思うことがあるが、当面はこのまま運用の予定。
ただ、状況が大きく変わればわからない。


以上、教育裏話でした。
大学生の頃は思いもしなかった大変さと日々向き合っている。
ただ、おもしろいのでがんばれている。




そろそろいい時期。

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2020/03/08 17:17
久々休暇。
鳥駅スタバにて。


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Update 2019/01/27
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障害児等神経生理学研究2020(鳥取大学)

授業内容


第1回 オリエンテーション(5/12)
    脳と神経の基礎(1)
      最初~ニューロンの基本構造
第2回 脳と神経の基礎(1)(5/19)
      グリア細胞~主な受容体の種類
第3回 脳と神経の基礎(2)(5/26)
      シナプスの位置とシナプス後電位~ラスト
    脳と神経の基礎(1)
      最初~肉眼解剖学
第4回 脳科学の方法(1)(6/2)
      細胞構築学~TMS法
第5回 脳科学の方法(1)(6/16)
      tDCS~単一ニューロン記録法
    脳科学の方法(2)
      最初~MRIの原理
第6回 脳科学の方法(2)(6/23)
      MRIの原理~fMRIの原理
第7回 脳科学の方法(2)(6/30)
      fMRIの応用例~NIRS
    視覚系と解剖(1)
      最初~錐体細胞
第8回 視覚系と解剖(1)(7/7)
      杆体細胞~外側膝状体
第9回 視覚系と解剖(1)(7/14)
      一次視覚野
    視覚系と解剖(2)
      はじめ~2次視覚野
第10回 視覚系と解剖(2)(7/21)
      腹側経路~背側経路
     聴覚系と解剖(1)
      はじめ~内耳
第11回 聴覚系と解剖(2)(7/28)
      蝸牛~ラスト
第12回 平衡感覚・味覚・嗅覚系と解剖(8/4)
      ポイントのみ
     体性感覚系と解剖(1)
      4つの圧・振動センサー~S1の位置
第13回 体性感覚系と解剖(2)(8/18)
      S1の活動~
     運動系と解剖(1)
      最初~脊髄と運動
第14回 運動系と解剖(2)(8/25)
      一次運動野
第15回 運動系と解剖(3)(9/8)
      高次運動野
     言語系と解剖~音声言語(1)
      最初~発話システム
第16回 言語系と解剖~音声言語(2)(9/15)
      音声言語理解~ラスト
     言語系と解剖~文字言語(1)
第17回 高次脳機能と解剖(9/28,予定)


    



関連情報


自分で勉強したい人へ【準備中】
神経生理学に関する役立ち情報


連絡事項


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Update 2020/08/03
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