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本の紹介,「君たちはどう生きるか(吉野 源三郎(著),岩波文庫)」

君たちはどう生きるか
吉野 源三郎(著)
難易度:☆


最近漫画になって話題となった本。
原作は名著と名高く、僕もわりと早い段階で購入。
長らく積ん読本として書架で休んでいた。
漫画も出たことだしせっかくの機会なので、と、先日引っ張り出して来てようやっと読んだという次第。
感想としては、なぜもっと早く読まなかったのか、と、激しく思うくらい、よい本だった。
ついでに漫画版も取り寄せて読んでみたので、あわせて紹介をしようと思う。

さて、内容。
戦前の中学生コペル君(もちろんあだ名)が主人公。
友人と時間を過ごしたりものを考えたりという日常から生じる中学生らしい悩みや葛藤などを通して人間として成長していく。
そんな中学生の物語を綴った長編小説。
コペル君にはお父さんがいないが、近くに伯父さんがいて、いろいろなことを語り合う仲。
伯父さんと日常の出来事や考えたことなどを会話する中で、人間として大事なことを学んで行く、というストーリー。

もともとは戦前に倫理を扱うために書かれた作品だそう。
そのため、ひとつのストーリー毎に伯父さんノートなるものが書かれていて、これがすごくよい。
伯父さんノートは伯父さんがコペル君にいつか読んでもらうために書いた手紙調の文章。
ストーリーごとに考えさせる深いコメントを残していて、これが大人であっても響くのだ。
さすが長年読まれている本なだけある、と納得した。

この記事を書くに当たって、原書と漫画の両方を読んでみたが、これから読む人はできれば原書版を読んでみてほしい。
漫画版も伯父さんノートの部分はそのままなので、基本的なよさはそのままなのだが、
物語部分がやはり漫画向けにアレンジされておりやや浅くなる。
小説という表現方法でしか表現できない部分もあって、やはり漫画だと一段落ちてしまう。
戦前に書かれたものなので原書は読みづらいのでは、と思われる方もいるかもしれないが、この本は古さゆえに読みづらいということは全くない。
漫画版を読める人(たぶん高校生以上)であれば、さらっと読めてしまうと思う。
ぜひぜひ原書の小説版に挑戦してほしい。

いいよ、これ。



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Update 2018/04/11
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