最近、立て続けに辞書についての記事を書いた。
それに関連して、おもしろい本を読んだので、2冊紹介しようと思う。
元々、別記事の末端に書こうと思っていたものを独立させたもの。
よろしかったら、息抜きに、雑学に、いかがでしょうか。
両方合わせて読むと、より楽しめること間違いなし。
僕は、「舟を編む」を読んでから「辞書を編」むを読んで、もう一度「舟を編む」を読んだ。
そのせいか、「辞書を編む」と、2度目の「舟を編む」は、ちょっと深めに楽しめた、ような気がしている。
「辞書を編む(飯間 浩明 著) 」
辞書のコンテンツを作っていくことを、辞書を編む、編纂するというらしい。
この本は、三省堂国語辞典の編纂者である飯間さんが書いた、どうやって辞書が出来上がっていくかを解説したノンフィクション。
これが大変おもしろかった。
身近にあって、誰もが知っている、国語辞書。
この辞書の編纂過程を、三省堂国語辞典第7版を例に、過程ごとに書いていく。
編集方針から、用例採取、取捨選択、語釈、手入れ、と、どうやって辞書が編まれていくかを知ることができる。
語釈くらいは、何となくわかるのだが、それ以外のところは読んで初めて知るものばかりで、とてもおもしろかった。
語釈の部分だけでもかなりおもしろく、「右」を語釈としてどう書くか、というのは確かに難しいなぁと思った。
各辞書の語釈の違いや工夫度合いに、感心しながら読んだ。
かなりおすすめの1冊。
「舟を編む(三浦 しをん 著) 」
こちらは短編連作風の長編小説。
とある出版社の辞書編纂部門で、中型国語辞書の作成プロジェクトが進められる。
この国語辞典の編纂・作成を軸に、登場人物たちの人生を絡めながら物語を綴った作品。
一つの辞書作りを軸にするものの、章ごとに主人公を変更。
何人かの異なる視点から辞書作りを眺めるとともに、それぞれの異なる人生の物語が展開するスタイル。
辞書作りが軸であるものの、恋愛あり、仕事の挫折ありの、さまざまな物語が綴られる。
飯間さんの「辞書を編む」が辞書編纂の過程のみの解説にとどまるのに対し、辞書作り以外の部分も含めて登場人物の心の動きを楽しめるのがポイント。
この辺りは物語ならではの部分。
三浦しをんさんらしい、爽快な読後感も味わえる。
編纂業務だけではなく、辞書作りのその他の過程や、社内政治など、「辞書を編む」の内容の外側で展開される物語も厚い。
個性豊かな登場人物たちの、それぞれの少しずつ現れる魅力がまたたまらない。
辞書とか関係なく、物語としてお勧めできる作品。
と、まあこんな感じ。
よろしければ。
では、今回はこの辺で。
また。
横浜のどこか。
最近、カラスはかわいいと思うようになった。
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2024/09/14 14:33
アイスティーを飲みながら。
鳥駅ドトールにて。
Update 2024/09/14
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