週刊雑記帳(ブログ)

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本の紹介,「転んでも、大丈夫: ぼくが義足を作る理由(臼井 二美男(著)、ポプラ社)」

転んでも、大丈夫: ぼくが義足を作る理由
臼井二美男(著)
難易度:☆
関連分野:肢体不自由、特別支援教育障害者スポーツ


義肢装具士という仕事をご存知だろうか。
世の中には何らかの理由で四肢を失った人や機能障害を持った人がいる。
義足等の義肢や機能障害をサポートする装具の制作に関わるのが義肢装具士である。
この本はそんな義肢装具士が書いた、義足作りに関する本。
自身の義足作りのエピソードを仕事人生を振り返りながら描く。

著者は義足作りのエキスパート。
義足作りがどのようなものであるか知ることができるとともに、
彼の目を通して、足を切断した人にとっての義足の意味を知ることもできる。
日本で初めてスポーツ用の義足を作った人でもあるらしく、
現在でもアスリートの義足を手がけている。
このため競技用義足とはどのようなものなのか、
義足を使った競技のあれこれについても触れることができる。
彼が関わった競技者等の書いたコラムもありそれもおもしろい。
著者が義足作りと出会ったのは20代後半だそう。
結婚を機に訪れた職業安定所の技能訓練で知ったという。
そこから義足作りに邁進していくストーリーもおもしろかった。
将来何しよう、と漠然とした不安を抱えている人の糧になるかもしれない。

この本は2017年度の読書感想文コンクールの小学校高学年向け課題図書にもなっており、
大学生以上であればさっと読むことができる。
子どもでも読むことができるが、純粋に子ども向けというわけではない。
大人であっても多くのことを得ることができる。
ぜひ多くの人に読んでほしい一冊。



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Update 2017/06/05
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