IQってホントは何なんだ?
村上 宣寛(著)
難易度:☆☆
知能指数(IQ)を知りたい人向けの本、2冊目。
1冊目「知能指数―発達心理学からみたIQ (滝沢 武久,中公新書)」を読んでいない人はそちらも参考にしていただきたく。
IQはいろいろのところで測定されているのだが、そのわりに知能やIQに関する一般向けの本は少ない。
いい本もいくつかあるのだが、それらは古いものが多い。
そんなか、比較的新しく、内容的にもオススメできるのがこの本。
知能とは何か、から始まり、IQができる歴史的な流れ、IQに関連したテストの紹介、IQとは何か、遺伝とIQまで、この分野のことが幅広く解説されている。
滝沢さんの本は発達の視点が強いが、この本は知能やIQを中心におき、発達的な話は少ない。
子どもや知的障害といった限定なしに、知能やIQを解説しているのが特徴。
言及されている知能テストについても大人を対象としたものが多い。
知能テストとしてはウェクスラー系がメインな印象。
IQと遺伝や男女差・人種差についてはいろいろな研究を紹介しながら、実際のところどうなのか話を進める。
統計的な記述も少し出てくるが、巻末に補足資料もあり問題なく読めると思う。
本書を読むと、ちまたで使われているIQという言葉について、学術的な意味と世間的な使われ方の誤用について知ることができる。
心理学を学ぶ人や特別支援教育に関わる人は一読の価値あり。
教員志望者、現職教員の周辺知識としても役に立つ。
IQって言葉を使ったことあるすべての人の教養としてもオススメ。
鳥取だよ。
Update 2018/10/14
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