論文の種類の2回目。
査読ありとなしの論文があるよという話を前回したが、今回は別の種類分けの話。
学生さんと論文の読み合わせをしていると、時々先行研究のみの論文を持ってくる。
で、発表の段になって、この論文先行研究ばっかで自分で調べた調査とかがないんですよ、と言う。
これが今回紹介する論文の種類に関係する。
論文は大きくわけて原著論文と展望論文(総説論文、レビュー論文ともいう)にわけられる。
原著論文はなんらかの方法論をもとに、研究を発表するもの。
前に書いた、いわゆる研究に関する論文がこれ。
新奇性があり、新たになんらかの知見を生み出している。
で、もうひとつが展望論文(レビュー論文)と呼ばれるもの。
論文探しをしていると結構な確率でコイツに出くわす。
これは何かというと、ある分野の先行研究にどんなものがあるか出来るだけ集めてきて、それをもとに新たなアイディア(仮説とかモデル)を提唱するという論文。
方法論の記載がないのが特徴なのですぐわかる。
他人の研究を紹介しつつ新しいアイディアを提唱するというのは結構高度なことなので、初学者にはなかなか良し悪しの判定が難しい。
単なる先行研究の紹介になってしまっているものも多い。
なので、ゼミの発表なんかで使うのは避けたほうが無難。
ただ、その分野のことを知りたいという場合に手っ取り早く先行研究を見つけるためには大変便利なので、そういう使い方はあり。
データベースで検索するよりも効率的によい論文に巡り会える。
さて、これで論文の種類に関する大きなものは説明した。
あとは細々したものを少し。
論文を探してくると、表紙に「原著」「プレシーディング」「資料」「展望」とか書いてある場合がある。
これはその学術誌における論文の種類を示している場合が多い。
学術誌によって定義が異なるが、基本的に原著は原著論文、展望は展望論文のこと。
プレシーディングは学会発表をもとに作成した論文のことで、原著論文よりも質が落ちることがある。
ただ、これはその分野・学会によってバラツキが大きい。
「資料」は原著論文のレベルに至っていないが、なんらかの学術的価値があり掲載されているもの。
上記以外にも雑誌によって様々な種類を設定しているので、わからなかったらその雑誌のホームページに行って調べてみるとよい。
投稿規定というのがどのかに載っていて、そこを読むとよくわかる。
論文の種類についてはこんなもんか。
次回はいよいよ論文の読み方編。
飛行機は見てて飽きない。
羽田空港にて。
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2018/08/27 20:50
帰宅中。
汽車の中にて。
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Update 2018/08/27
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