週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

大学生のためのメールの書き方入門

大学生になると、初めて友人以外にメールを書くようになる。
ただ、どうもどう書けばいいか、よくわからないらしい。
これは同業者の中でもよく聞くはなしで、友達のようなメールが送られてきた、という例は枚挙にいとまがない。
ただ。
よく考えたら、これを教えてもらうことってあまりないのかもしれない。
見よう見まねで書こうにも、新大学生がちゃんとしたメールをもらう機会はあまりない。
そこで今回は、大学で使う、初めてのビジネスメールの書き方、というのを書いてみようと思う。
社会に出てからはもちろん、在学中も就活や卒業研究などでビジネスメールを書く機会は多い。
こういうメール連絡で、悪い意味で目立ってしまうと、損をする。
大学生になったら練習だと思って、早いうちに習得してしまいたい。

使い分けについて

ビジネスメール、誰に送る時に使うべきか。
これは、基本的に友人以外の誰かに送るときには使ったほうがいい。
いくら仲良くても、立場の違う人、組織の違う人へのメールではビジネスメールの形式を守っておいたほうが無難。
受け取る側がそれに慣れているので、礼儀とか気にしない人でも違和感は持つだろうし、場合によっては感情を害する。
リスクだけが増えて、得るものが全くないので、無難な方を選んでおこう。
もちろん、何らかの主義やこだわりがあってあえてやるなら止めはしないが、人間関係に無用のマイナスのリスクを負うことになるのは知った上でやりたい。

例文

タイトル:心理統計学に関する書籍について

〇〇 先生

はじめまして。
教養学部2年の谷中と申します。
この学期に開講予定の授業、心理統計学についてお聞きしたいことがありメールしました。

今期この授業を履修しようと考えております。
シラバスを見たのですが、教科書のことが書いてありませんでした。
つきましては、授業にあたって参考になる書籍をご紹介いただけないでしょうか。

よろしくお願い申しあげます。

——
島鳥大学
教養学部国際教養コース2年
谷中太郎
hogehoge@shimatori-u.ac.jp

まあ、こんなところか。

パートごとの解説:タイトル

タイトル:心理統計学に関する書籍について

意外に大事なのが、これ。
端的に、メールの内容がわかってもらえる1文がいい。
大学生はちょっとわからないかもしれないが、社会人ともなると受信するメールの数がものすごいことになる。
1日数十通は当たり前で、人によっては3桁ということもある。
これらのメールは自分に向けてのものの他、他者のメールの情報共有、メールによる情報提供まで幅広いものがある。
よって、自分に向けられたメールでも取りこぼしてしまうことがある。
タイトルで内容がそれとなくわかると受け取る側としては大変助かるし、取りこぼしも減る。
受け取る側のことを考えて、わかりやすく内容を伝えるタイトルにしたい。

なお、以下のように、タイトルの後にカッコ書きでメールの目的を明示する手法もある。

タイトル:学会でのご指摘について(御礼)

学会で質問してくれた人にお礼のメールを出す想定のタイトル。
御礼が書かれているのだなぁという心構えでメールを開くことができる。

タイトル:レポートの提出方法について(問い合わせ)

レポートの提出方法がわからない場合に教員に出す場合のタイトル。
何らかの問い合わせで返信が必要なことがタイトルからわかる。

タイトル:研究室訪問ついて(お願い)

教員に研究室訪問のお願いをする場合のタイトル。
何か頼まれているのだとわかる。

パートごとの解説:相手の名前と敬称

〇〇 先生

書かなかったり間違ったり人がいる印象を持つのがこれ。
いきなり用件から始める人がいるが、ビジネスメールでこれをやることは少ない。
まずは、相手の名前+敬称を書くのが基本である。
メールへの返信にさらに返信、とやりとりが続いた場合は、名前+敬称を省く場合もあるが、これは相手のスタイルによる。
無難にやり過ごしたいなら、指示されない限り名前+敬称からはじめるのがよい。
この場合は、

〇〇 先生

谷中です。
お返事ありがとうございました。

では、7/12 12:00か7/13 12:00からではいかがでしょうか。

などのように、名前+敬称の後に簡単な名乗り、続いて本題を書くようにする。
簡単な名乗りが必要な理由については後ほど書く。

続いて、敬称について。
基本的には、先生と呼ばれる職の人には「先生」、それ以外の人には「様」を使う。
相手が「先生」を使ってほしくない、などと言っている場合は、それに従う。

時々あるのが、職階や職名を敬称として使う場合。
例えば、以下。

〇〇教授

あくまで職階や職名は敬称ではない。
よってかなり違和感がある表現なので気をつけたい。
これは、社長、部長でも同じ。
どうしても相手方の職階・職名をつけたい場合は、以下のようにする。

株式会社アカデミック・コラボレーション・カフェ
代表取締役社長
〇〇様

なお、大学教員には教授、准教授、講師、助教などの職階がある。
すべてに教授を使っている場合があるが、これも間違い。
違う、と訂正するのも面倒くさいので捨て置かれることも多いが、SNSなんかを見ていると違和感を持つ教員は多いよう。
気をつけたい。

パートごとの解説:本文前のあいさつと名乗り+α

はじめまして。
教養学部2年の谷中と申します。
この学期に開講予定の授業、心理統計学についてお聞きしたいことがありメールしました。

この部分。
まず、最初のあいさつ。
これは、見ず知らずの人には「はじめまして」を使う。
何らかの知り合いで、お世話になっている場合「お世話になっております」が多いか。
「こんにちは」「おはようございます」を使うこともないわけではない。
「ご無沙汰しております」「お久しぶりです」も使うことがある。
まあ、悪目立ちしなければいいので、まずは「はじめまして」「お世話になっております」を機械的に使いわけて、経験を積むうちにバリエーションを増やしていくのでいいか。

次が、名乗り。
よく、名乗りなくメールをはじめる人を見るが、これはあまり良くない。
前にも書いた通り、社会人は日々ものすごい数のメールを受け取っている。
すると、相手が誰なのかよくわからない、ということになる。
差出人欄を見ろよ、という人もいると思うが、そもそも設定ミスで相手に名前が表示されていない場合もあるし、受け手のメール受信環境がメールアドレスしか表示しないこともある。
いやいや、署名欄を見ろよ、もわからないではないが、一手間かかる。
冒頭に簡単な名乗りをする方が、読む側の負担が減る。
メールを出す場合、こちらが相手に用があってメールすることが多いため、なるべく相手に手間をかけさせないことが大事。

所属を省く人がいるが、省くのはメールの返信段階になってからにした方がいい。
用件を伝える最初のメールで所属が省かれていると、どこの谷中だ、ということになる。
1発でどこの誰かがわかるように、しっかりと所属を書きたい。
所属については、誰に出すのかによって細かさが変わる。
例えば、学内・他学部の教職員に送る場合は学部から、学部内他の学科に送る場合は学科から書くので足りる。
学外の誰かに送る場合は、大学名から学科・コースの所属まで書いておくのがいい。

語尾については、例では「申します」を使っていた。
これは、名乗りとしてはていねいなもの。
他には、以下のものがある。

島鳥大学教養学部2年の谷中でございます。

「ございます」はていねいな表現としてよく使う。
大学生だとサザエさんくらいでしか聞いたことないかもしれないが、改まったシーンでは今でも使う。


島大の谷中です。

名乗りにおける「です」は、簡易な場合。
ゼミの教員などよくやりとりする相手に使う。
返信のやり取りで、2回目以降のメールではこれを使うことが多い。


最後が+α。
例文では、お願いがある旨の文言があった。
これは好みの問題で省いても問題ないことが多い。
が、依頼の場合は結局内容の最初のところで書くことになるので、僕は書くことが多い。

パートごとの解説:本文

今期この授業を履修しようと考えております。
シラバスを見たのですが、教科書のことが書いてありませんでした。
つきましては、授業にあたって参考になる書籍をご紹介いただけないでしょうか。

ダラダラ書かず、端的に伝えたいことを書く。
例の場合は、文脈情報を2行書いているが、書くにしてもこの程度にしたい。
文脈情報がいらない場合、1行だけでもいい。
例えば以下。

〇〇先生

お世話になっております。
国際教養コース2年の谷中です。

国際教養論のレポート課題を提出します。

よろしくお願い申し上げます。

——
島鳥大学
教養学部国際教養コース2年
谷中太郎
hogehoge@shimatori-u.ac.jp

用件が2つ以上ある場合は、番号を打って箇条書きスタイルにするとわかりやすい。
例えば、以下。

来年度のゼミ選びのため、研究室訪問をしたいです。
つきましては、以下の2点を教えていただけないでしょうか。
(1)ご都合の良い日時
(2)分野の参考になる論文や書籍

よろしくお願い申し上げます。

のような感じ。

なお、用件が全く別件の場合は、メールを分けるのがセオリー。
1つのメールにタスクが1つの方が、受け手としてはわかりやすい。

パートごとの解説:結びの文

よろしくお願い申し上げます。

〆の一文は、大学生だとこれ一択でいいと思う。
他にもこれの前に、「ご多用中大変恐縮に存じますが、」をつけるとか、前の分に身体を気遣う文を足すとか、色々なバリエーションがあるのだが、これについては社会人になってから他者からもらうメールなんかでちょっとずつ学べばいい。

パートごとの解説:署名

——
島鳥大学
教養学部国際教養コース2年
谷中太郎
hogehoge@shimatori-u.ac.jp

最後に署名がない人もいるが、上記のような簡単なものでいいので、設定しておきたい。
何往復か続いている返信メールの場合は、署名に代えて名前を書くこともある。
例えば、以下。

よろしくお願い申し上げます。谷中

簡易な場合は、これ。谷中に代えてフルネームの場合もある。
決まりはなく、気分。

少し改まりたい場合は、以下を使う。

よろしくお願い申し上げます。
谷中 久和 拝

謹んで申し上げる、というような意味らしい。
大学院生の時、外部の人が使っていてカッコよかったので使いはじめた。

メールに関するあれこれ

以上で、メールの書き方入門はおしまい。
あとは、関連トピックを少し。

よくあるのが、返信が返ってこない場合。
これは対応が結構難しいのだが、単純に忘れている、メールが埋もれている、ということもある。
1週間くらい待って返事がない時は、送ったメールを下にくっつけて(送ったメールに返信、もしくは転送)問い合わせてみるのがいい。
ちゃんと認識している場合もあるので、失礼に当たらないように、届いているかの確認、くらいのメールがいい。
この場合でも、ていねいに、は忘れず。
1週間待って、と書いたが、用件によってこの期間は変わる。
急ぎの用件で当然すぐに返信があるような内容のメールであればもう少し早くてもいいし、時間を要する内容であればもう少し待った方がいい。

メール関連で困るのが、単位お願い系メール。
ダメとわかった上でダメ元で、みたいなのは余計なメールと仕事が増えるのでやめた方がいい。
相手に時間を使わせるには、あまりに身勝手。
なお、成績に疑義があるとかなら正当な理由なので問題はない。
ただ、いきなりメールとかではなく、規則に定められた正しい手続きをとった方がいい。
本件、よろしくお願い申し上げます。


超長くなった。
参考になれば幸い。
ではまた。




甲子園だよ。


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2025/07/18 19:49
コーヒーを飲みながら。
南町田タリーズにて。



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Update 2025/07/18
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