週刊雑記帳(ブログ)

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僕の研究変遷記〜研究員・博士編

学部情報系からスタート。
修士ではいろいろあって最終的に、幼児の脳機能発達に落ち着いた。
この時に、光を使った脳機能計測装置を使える人、というオマケがついた。
前回までに詳しく書いているので、まだ読んでいない人はそちらを読んでいただいて。

さて。
修士修了後、僕は通常の就職活動を経て、研究をする人になった。
オマケの技術のおかげで採用してもらい、幼児の脳機能発達を研究するのが与えられたミッションであった。
ただ、出番は4年後、研究開始時に0歳児だった協力者が4歳になったくらい、とのことだった。
それまでは、その準備と、何か別のことをやってくれ、という。

当時配属された機関は、愛知県にある国の研究所。
研究室は大所帯で、博士前期からポスドクあたりの人数が多く、スタッフとして助教・准教授・教授がいた。
ここの研究室は国内ではわりと有名で、脳機能研究に関する設備と技術が充実していた。
ただ、修士の時に使った、光を使った脳機能計測装置ではない。
MRIという、大きな病院にある装置を用いた脳機能計測。
この分野では、当時国内有数の研究拠点だった。

超簡単に方法論の解説をば。
どういう計測技術かといえば、以下の通り。
前提:MRIは強い磁場を使って空間上にある陽子に電波を出させることで空間の内容物の情報を知る機械
(1)脳が活動する
(2)栄養供給が必要になり、活動をした場所の酸素を持った血液と酸素を運び終わった血液の量が変わる
※ここまでは光の脳機能計測装置の説明と同じ
(3)赤血球の成分は鉄を含み、酸素を運び終わった血液では鉄の性質がほんのちょっと出る
(4)MRIは強い磁場を使うので、磁石にくっつく性質のものが磁場中にあるとその周辺で磁場が乱れる
(5)磁場の乱れが映りやすい画像を数秒に1枚、数分に渡り撮る
(6)画像をパラパラ漫画の要領でめくると、脳が活動している場所の色(値)が変わる(実際には目視してもよく分からんのでちゃんと数値の変化を統計処理する)
上記の技術を利用して、協力者に課題を課して脳を活動させながら撮影をして、どこが活動しているのかを調べる。
と、まあそんな感じ。
MRIを用いて機能を測るので、機能的MRI(functional MRI)と呼ばれている。

そのパイオニアのような研究拠点において、別の装置(光を使った脳機能計測装置)を用いて脳研究をやる人が僕だった。
ただ。
僕の研究プロジェクトでの出番は4年後だという。
その間は準備期間で自由にしていいという。
機能的MRIは簡単には触れない憧れの装置である。
学部生の時、本で読んで以来、ぜひ使ってみたいと思っていた、装置。
これを用いて研究しない、という選択肢があるわけがない。
と、いうわけで、準備期間にこの装置を用いた研究をやって、技術を身につけてしまおう、ということを考えるに至った。
この研究室は、大学院生を取ることもできたため、就職して半年後の秋入学で院博士課程にも入学。

研究テーマは、修士でやった「がまん」の課題を使って、がまんの瞬間ではなくて、その前の時間に注目して課題に注意を向ける脳内過程について研究した。
本当はがまんがよかったんだけど、課題があまりよろしくなかったのか、うまくいかなかった。

そんなわけで、MRIを用いた注意研究、という新たな分野へと進出することになった。
まだ今の専門分野とはかけ離れているのは、その後もいろいろあったから。

が、今回はここまで。
またそのうち、気が向いたら続編を。





横浜は汽車道でパシャリ。

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2025/05/11 19:11
そろそろ日曜が暮れる。
自宅にて。



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Update 2025/05/11
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