週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

ポケベルとベル友と

キヨウハベルノハナシダヨ!ヒサ

冒頭のカタカナに懐かしさを感じたアナタ、同じ世代ですな。
大昔、ポケベルというものがあった。
今や、昔の歌に出てくるだけの、ポケベル(ポケットベル)という謎なシステム。
僕が高校生くらいの時に最盛期で、友人の半分くらいが持っていた。

どういうものかといえば、携帯のショートメールのかなり原始的なもの、といえばいいか。
携帯が普及している現代から考えると想像もできないのだが、僕の小さい頃の通信手段は固定電話が主だった。
まだ、手紙という手段が主たるものとして生きており、知らない人と手紙をやりとりする文通という文化が生きていた時代。
リアルタイムで連絡を取るためには、その家の電話にダイヤルし、家族に取り次いでもらう、ということをしなくてはならなかった。
友人を遊びに誘う程度であればいいのだが、長電話をする、異性の家に電話をかけるなどは、極めてハードルの高い行為であった。

バブルの頃には、大きな携帯電話などはあったものの、高校生・大学生が気軽に使えるような代物ではなかった。
そこで、出てきたのが、件のポケベル。
契約すると、ポケベル用の自分専用電話番号を手にすることできる。
ここに電話をして、ダイヤルで数字を打ち込むと、手元のポケベル端末にリアルタイムにメッセージが届く。
古いタイプでは、数字(主に電話番号)を送り、受信したらなるべく早くその電話番号に電話をかけるというような使われ方をしていたらしい。
そのうち、数字や記号にメッセージ性を込め始め(例えば、084でおはよう等)、僕が高校生くらいの頃には短いカナ文字が送れるようになっていた。
*2*2 2285136164049355615132410485686231 ##
で冒頭のメッセージとなる。
*2*2 はカナ入力の意味で、##はおしまいの意味。
あとは基本的には数字2つで1セットで、子音と母音の組み合わせ。
例えば、6231なら、6はあいうえお表で6番目の子音のハ行で1は1番目の母音イを示すので「ヒ」となり、31は「サ」となる。
これを公衆電話で、早撃ちガンマンの勢いで打つ。
10秒か20秒か忘れたが、そのくらいの時間で10円取られるので、なるべく早くダイヤルする。
10円でベルを打ち切るという技を当時のベルもち高校生は持ち合わせていた。
高校の公衆電話は休み時間のたびに長蛇の列になり、これを嫌った高校教員が公衆電話の#ボタンをつぶし、それでもめげずにそれを回避するための悪知恵を用いた高校生と教員の仁義なき戦いが、、、という話は長くなるのでまた今度。

何が楽しいのか、今考えるとさっぱり理解できないのだが、当時のベル持ち高校生は他愛もないメッセージを送り合いながら、交流を楽しんでいた。
カラオケイコウゼ!ヒサ
のような、意味のあるメッセージもないわけではないが、そういうのは教室で直にやりとりするので、基本的にはコミュニケーション自体が目的のやり取りが多かった。
で、誰とやりとりをしていたかというと、友人、恋人、恋人候補、とともに上位を占めていたのがベル友。

ベル友は、ポケベルという不思議な文化と、システムが生み出した、今では考えられない代物。
当時はわりとメジャーで、僕の周りのベルもちは1人か2人はベル友を持っていたように思う。
ベル友には主に2パタンの作り方があって、友人の友人とベル番(ベルの番号)を交換してなるというものと、そんなの無関係に自力で作る、というものがあった。
前者はわかりやすいので説明は必要ないと思う。
問題は、後者。
これは、ちょっと不思議なやり方による。
どうやるのかといえば、ポケベルの番号を適当に入れて、ベル友にならないか尋ねるというもの。
今考えると、スパムメールっぽいのだが、当時はわりとこの方法が使われていた。
理由はおそらく2つ。
1つ目は、ベル番が地域ごとに決められていたこと。
市外局番がついていて、自分のベル番の市外局番を使えば、自分の地域の誰かにつながる。
自分の番号の下1桁2桁あたりを少しアレンジするだけで、地域の誰かにつながる。
これだけだと、危険な香りがプンプンするのだが、この方法でベル友が普及したのには理由がある。
それは、ベル友を欲しているのであって会おうみたいなのに至るには相当に時間がかかること。
その上、ベルユーザー自体が若年層ばっかだったので、そもそも違う年代の人にはつながりづらい。
万が一悪い大人と繋がっても、高校生独自の早打ちメッセージ文化についていけないので、そこでふるいにかかる。
クソだるいベルのやりとりに耐えられないし、そこを逸脱するとすぐ怪しさが露呈して高校生でないことがバレる。
それに、地元高校生ネットワークは凄まじく、友人を介すことで身元調査も可能で、わりとセキュアな仕組みだった。

そんなポケベルも、我々世代が高校生くらいの数年が全盛で、PHS(安価な携帯電話みたいな何か)が出てきたくらいから翳りが見えはじめ、大学生になるくらいには携帯電話へと移行していった。
ベルとベル友には僕も多少の思い出があるのだけど、僕のことは書かない。
知り合いの方は直接聞き出していただければと。
普通のとアマイのとおもしろいのがある。

では今回はこの辺で。
また。




誰もいないベンチシリーズ。
なぜか結構好きな被写体。
たぶん横浜のどこか。

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2025/04/26 18:43
コーヒーを飲みながら。
南町田タリーズにて。



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Update 2025/04/26
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