週刊雑記帳(ブログ)

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企業で研究する人(僕のなりたかったもの9)

久々のこのシリーズ。
修士の早い段階で大学教員になるモチベーションが消え、修士時代は企画職で就活をしていた話はすでに書いた。
詳しくは、 僕のなりたかったもの7 僕のなりたかったもの8 いただいて。

当時の僕は、北海道の大学に籍を置いていた。
籍を置いていた、と書いたのは、普通の大学院生とはちょっと変わった学生生活を送ったから。
大学生時代を福島で過ごし、大学院は北海道の大学を選んだ。
その研究室は医学系の所属で、サルの脳について調べるのを旨とした研究室だった。
ところが、ここのボス、ヒトの脳機能を調べる研究費を獲得してきた。
当時その研究室にはヒトの脳機能を調べる計測機器がなく、機器のある外部の機関に誰かを派遣しよう、ということになった。
先輩方はすでにサルを飼っており、研究もそのせんで進んでいるので、手を挙げる人がいない。
その点、僕はその研究室がサルの研究をやっていることすら知らずに進学してきたなんのこだわりもない新人。
じゃあ僕が行きますよ、と手を挙げるにいたった。
この選択が、後々の人生に大きな影響を与えることになるのだが、その時の僕は何も知らない。

派遣先は、関東地方にあるとある大手企業の研究所だった。
計測装置の開発元で、研究室の先輩が滞在して研究をした実績があった。
早く帰ってこいよ、と大学の研究室を送り出されたものの、なんと修士修了まで居座ることになる。
送り出されたのが1年生の9月なので、北海道の大学に籍を置きながら、本格的な冬を経験したことのない、不思議な人間ができ上がった。
そんなに居座ったのにはいろいろな理由があるのだが、この研究所、ものすごく居心地が良かった。
アットホームな雰囲気で、みんな仲が良く、研究もバリバリやっていて、研究費も豊富。
アカデミックな研究職は嫌だけど、ここで研究やるのなら、いいな、と思った。

そんなわけだから、企画をメインに就活をしながら、この企業のみ、研究職で選考に応募した。
で、企業研究もせず、面接対策もせず、軽いノリで受けたところ、人事面接を通ってしまった。
あのメチャクチャな面接で通してくれた、というところに、この会社いいな、とますます惚れ込む。
この企業の採用は、人事面接を通ると、あとは各部署にアポ取って面接してきて、そこの部署長がOKを出せばその部署に採用が決まる、というタイプのものだった。
僕の希望部署は、共同研究をしている自分の研究所。
当然所属長も毎日顔を合わせている、あの課長。
これは決まりかな、と思った。

しばらくすると、その課長から呼ばれた。
「やなか君、うち出してたんだね。書類上がってきたよ。」
ということで、ミーティングスペースで軽い面接、ということになる。
が。
今年の採用枠は1。
脳機能を研究する人は前に採ったので、今年は部門の戦略的に計測装置そのものの研究開発ができる、工学系の博士号持ちを採りたいとのことだった。
さよなら、オレの企業研究員人生、さよなら、研究。

ところが。
その直後、課長から意外な提案がある。
今年の社員としての採用はそういう理由で難しい、でも、別のプロジェクト予算がつく予定があるから、その予算で研究員として研究所で働くというのはどうだろうか、というもの。
で、どこかのタイミングで、中途採用としてうちの社員になればいい、という。
当時、その研究所にはそういうキャリアパスの人がいた。
オファーされたプロジェクトの研究内容も、待遇も、その後の話も、何もかも魅力的だった。
だいたい、ほとんどポスドク(博士了の研究員)みたいなポジションで、修士了で雇ってもらえるようなポストではなかった。

この段階で、企画系総合職もいくつか選考が進んでいた。
が、ここが最もプロセスが早く、内定も1番だった。
よって、ここで僕の就活は終わりを迎えることになる。

ただ。
その後、僕はこの企業の研究所でプロジェクトの研究員をすることも、中途採用の社員となることもなかった。
修了間際の晴天の霹靂のような急展開により、アカデミックな生活が続行することに。
憧れのサラリーマン生活も、東京・横浜の近くに住むことも、早期結婚も、夢へと消えた。
が、これについては、今後も文字にする気はない。
完全に飲み会用のネタ。

と、まあ、今回はここまで。
また気が向きましたら、このシリーズ、書こうと思う。





9回2アウトでも何が起きるかわからない。
人生と同じ。

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2025/04/26 20:09
のんびりモード。
鳥取市内にて。



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Update 2025/04/26
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