謎多き、我々の業界を紹介するこのシリーズ。
前回から1年以上も経ってしまったが、ネタ帳にはきちんといた。
書こう書こうと思いつつ、なかなか腰が重くてですね。
というわけで、久々のこのシリーズ、まりいます。
我々のお仕事の大事なものの1つに、学会のお仕事、というのがある。
学会とは。
研究している内容・分野が似た研究者達が集まって作る組織。
本当にゆるい組織で、入るも自由、出るも自由、作るも自由。
同じような研究をしている人たちが集まって、研究者間の交流の機会を作ったり、成果発表の場を用意したり、自分たちの分野の振興を考えたりする。
絶対的な義務といえば、運営のための年会費を負担することくらい。
年1、2回の学術大会を企画したり、学会誌を編集したり、海外との学術交流を図ったり、一般向けイベントを開いたり、と実に様々なことを行う。
複数入ることもできて、僕の場合、10個くらい入っている。
なお、規模の小さなものに研究会という単位のものもある。
基本的に、自主的に運営され、自律的に活動を決める、自治会のようなものである。
で、当たり前なのだが、組織ができれば、それを運営したり活動したり、といった「お仕事」が発生する。
これが、結構な仕事量になる。
特に、著名な先生だったり年配の先生だったりすると、負担が重くなる。
あ、そういう先生に仕事を振られやすい若手が大きな負担をしている場合もあるか。
例えば。
学術大会を開くとしよう。
〇〇学会第xx回大会、といったもの。
まず、大会長というのが決定する。
すると、その所属大学か近隣大学の別の研究者が、事務局長やら企画委員やらの役員に就くことになる。
大きな学会だと学会のお金で雇われている事務担当がいるものの、そこまで人数は多くない。
よって、これらについて、運営の一切を大会長以下役員で仕切って行くことになる。
会場の予約、ホームページの作成、プログラムの作成、目玉講演者の依頼、発表者の募集、などなど。
当日の人の手配、イベントの準備、苦情や意見の受付なんかも。
もちろん、これに加えて会計経理もしっかりしなくてはいけない。
書いてて目が回るほど、仕事がある。
これを、学会に所属する研究者の誰かが回している。
大学の教育や研究の合間を縫って、これらの仕事を行う。
本当に手弁当でやっていて、事務局の電話に苦情の電話をかけて若手が息巻いたところ、相手は事務局長で、大御所の先生だったという笑えない話もあるとかないとか。
大きな学会だと、学術大会以外にも色々と活動がある。
研究振興を図るために、セミナーを開いたり若手の助成を行ったり、というものから、分野のために倫理指針を作ったり、というのまで幅広い。
学会の分野が臨床系(医者や看護師など、患者さんのような働きかける対象がいる分野)だと、これに加えて所属員の教育も担っていたりする。
海外の学会や研究者との交流や法的な問題・社会問題への働きかけを行ったりもする。
これらをほぼ全て、所属している研究者が手間ひまかけて行っている。
ね、大変でしょ。
問題は。
これらのお仕事は所属組織の本来業務でない点。
僕は労働問題にちょっとだけ詳しいので、知り合いの研究者から学会仕事は労働だろうか、と聞かれることがあるのだが、おそらく所属組織の労働にはならない。
所属組織の事務系職員がこれらの仕事を肩代わりして(手伝って)くれることなどは、大学経営層が肝入りで学会誘致をしている場合などかなり特殊な場合で以外はないと思っていい。
これが研究活動である、と言い切ってしまえばそうなのかもしれないが、ほとんどが研究というよりは雑務なので、違う。
所属組織にもよるだろうが、「無給の兼業」というのがまあそんなに外さない捉え方だと思う。
それで大忙し、となっていても所属組織からは、そんな仕事断りなさいよ、という感じにしかならない。
しかしながら、様々なしがらみから学会仕事を断ることは難しい。
大恩ある誰々先生や誰々先輩から頼まれて、しかも普段から学会にお世話になっていて、断れるものではない。
かくして、本来業務ではないが、わりと大変なお仕事、というのが発生してしまう。
ね、大変でしょ。
学会仕事には、学術誌の査読と編集、といういよいよ大変なお仕事があるのだが、長くなったのでこれはまたいつか。
ではまた。
おしゃれな方の、横浜にて。
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2025/02/11 20:11
コーヒーを飲みながら。
鳥駅スタバにて。
Update 2025/02/11
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