週刊雑記帳(ブログ)

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年度末の大学教員は絶望的に忙しい(大学教員・研究者という生き物 10)

久々このシリーズ。
年度末、1月から3月。
この時期の大学教員は忙しい。
絶望的に忙しい。
いや、ほんと。
今回は、なんで?を書いてみる。

まず、卒論総仕上げの季節。
これは、最終学年になればわかるが、結構大変。
そして、この大変、は指導教員にも波及する。
計画的に余裕をもって進めばいいのだけど、もちろんそんなことはなく。
もうギリギリになった卒論生から次から次へと質問や相談がやってくる。
余裕ある組は書き上げた論文を出してきて、コメントを求めてくる。
これがひっきりなしに、しかもそれぞれのテーマでやってくるので、やってもやっても終わらない、ということになる。
年末、紅白を見ながら卒論に赤入れ、なんていうのは大学教員間ではよく聞く話。

加えて、学期末。
質問OKのオーラを出している教員だと、試験前は質問にくる学生も増える。
試験前は質問で予約がいっぱい、というようなこともしばしば。
当然試験については、その実施や採点、成績処理もある。
これも結構時間を取られる。
採点の祭典、なんてシャレが、大学教員からもれてくることもある。

学期末に加えて、学年末でもある。
学年末特有のイベントもかなりやってくる。
例えば、演習系の科目だとまとめや発表会などが設定されていたりする。
すると、これに対応して質問・相談・指導が増える。
卒論や試験前質問にこれが重なると、目がまわるくらいには多忙になる。

これくらいなら、なんとかなるのだが、まだまだある。
年度末は事務や研究もまとめの季節。
各種〆切のお仕事がやってくる。
チームで研究をやっていると、まとめの会議に呼ばれたりもする。
年度末に研究ミーティングは集中する傾向があり、あっちいったりこっちいったり。
そのための研究やそのまとめもまた、集中する。
卒論生が論文の〆切に追われている中、その後ろで教員自体が論文の〆切に追われているなんてことはわりとある話。
事務系の仕事もまたこの時期は多い。
予算の〆、書類の〆、各種手続きの〆、〆〆〆。
特に事務作業が苦手な教員は、やられる。

そろそろ、許したれ、と思うのだが、そうは問屋が卸さない。
入試のシーズン到来である。
国立大だと、共通試験、推薦、前期、後期、とこの短い期間に詰めこまれる。
これ、当たり前なんだけど、誰かが試験問題を作り、誰かが会場を設営し、誰かが試験監督をする。
ミスの許されないお仕事で、気が張り詰めるのもこの種の仕事の特徴で、大変疲れる。

そして、トドメが、次年度の準備。
シラバスのこの部分をこう書きましょう、システムが変わったので新たな入力よろしく、新入生の配る資料の作成・確認してね、などなど。
多種多様にわりとたくさんある。
年度ごとに各種係の担当がえがあるもので、その引き継ぎなんかもある。

かくして、この時期は絶望的に忙しい大学教員が量産される。
字面で見るとなんとかこなせそうな気がしないではない。
ただ。
一つ一つの仕事はそこまでではないのだけど、量がある一定レベルを超えたあたりからわけがわからなくなってくる。
作業中に、急ぎの仕事が入って中断してその仕事に移っている最中に、コンコン質問いいですかの最中に、電話で「センセイ、〆切過ぎたあの書類出てません!」的な感じで、あれ、オレ最初何やってたんだっけ???みたいになることがしばしば。
これはオレ特有の問題かもしれないが。
そんなわけだから、ぜひ、やさしさをもって見守っていただいてですね。


では、今回はここまで。
また。




東京都内にて。


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2023/02/12 17:50
ふむー。
鳥駅スタバにて。


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Update 2023/02/12
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