週刊雑記帳(ブログ)

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図書館をフル活用しよう(大学生のための学び方入門15)

日常大学生と接していると、図書館をあまり活用できていないと感じることが多い。
みなさんは図書館の利用法にはどんなものがあると考えているだろうか。
蔵書本を閲覧したり借りたりするところ。
勉強スペースとして役に立つ。
論文雑誌を探せる場所。
まあこんなところか。

ただ、図書館。
これ以外にもかなり活用できる。
ぜひ知った上でフル活用したい。
そこで今回は、図書館の使い方をマニアックなものまで含めて書いてみようと思う。

大学図書館と公立図書館

大学生にとって図書館といえば大学附属図書館。
しかし、住んでいる地区、大学のある地区の公立図書館も利用する資格がある。
大学附属図書館と公立図書館では、蔵書の種類や得意分野がやや異なる。
大学附属は学術系の図書や雑誌に強い。
一方、公立図書館は一般図書や注目本が強い。
郷土系の資料、新聞の縮尺版なんかも公立図書館の方が厚い印象。

大学生のうちは、大学附属、都道府県立、市区町村立の3つの図書館全てを使い倒したい。
特に、蔵書については大学附属にはなくても、公立の方にある、という場合も多い。
最近の大学図書館は公立図書館と連携して、取り寄せや返却等の相互サービス等が充実している。
意外とアクセスのハードルが低いのでうまく利用したい。

これから書くマニアックな利用法についても、各図書館、得意不得意がある。
意識して使い分けをしたい。


閉架図書(密集図書)と論文探しの旅

各図書館は見ることができる本棚(開架という)以外に、倉庫的に本を収める本棚(閉架もしくは密集という)を持っている。
開架にない図書であっても、閉架に収蔵されている図書は結構ある。
開架にない図書であってもデータベースで検索して職員さんにお願いすると出てくるのはこのせい。

と、ここまでは結構知られていること。
おもしろいのは、施設によって閉架スペースに入ることが可能な場合があること。
公立図書館だと難しいが、大学図書館だと、所属や学年によって入れてもらえることがある。
開架にないかなりマニアックな図書や雑誌を眺めることができる。
これができる場合は、ぜひ活用したい。

特に研究論文を探すときに役に立つ。
閉架には論文が載っている学術雑誌が過去何十年分も収蔵されていることが多い。
ここに入って、雑誌を次から次へと手に取ってタイトルを眺めては、斜め読み、というのは研究のテーマが定めっていない段階での文献検索の1つの方法として有効。
これについては、関連記事も書いているので、そちらも参考にしてほしい。


蔵書がない場合の方法〜取り寄せる

蔵書がない場合にできる方法がある。
一つは取り寄せてもらう方法。
提携している図書館同士だと無料で取り寄せてもらえる。
ただ、送料の負担が発生することもある。
どんな図書でも手に入れることができるのが最大のメリット。
過去に出版された絶版本でもう買えない場合なんかはこれを使う。


蔵書がない場合の方法〜買ってもらう

もう一つ。
忘れてならないのが買ってもらうという方法。
大学附属・公立図書館とも、リクエストというものを受け付けている。
これでリクエストすると、図書館で購入してもらえることがある。
この場合、新品図書の最初の読者になれることが多い。
各図書館の方針や予算にもよるが、買ってもらえる確率は高いと思う。
大学附属の場合は、学生あたりの予算が設定されていて、その範囲内であればほぼ買ってもらえるということもある。
僕は貧乏時代これを大活用したことがあって、とある公立図書館に月数冊のリクエストを出し、そのほとんどを買ってもらっていた。
選書の一部を担っている気分だった。
お金もかからず非常に有効な方法なので、ぜひ活用したい。
公立図書館2つと大学図書館の計3館でリクエストを使い分ければ、ほとんどお金をかけずに好きな本を新品で読みまくることができる。

なお、専門書系であれば、仲の良い大学教員に頼むのも手。
大学教員のところには附属図書館より選書依頼が来ることがあるので、それにのせて買ってもらえることもある。


レファレンスサービス

これは特に公立図書館が強い。
図書貸出受付コーナーの横に、レファレンスサービスという謎のコーナーを見たことがある人はいるのではないか。
このコーナー、図書探しに関する総合相談のようなコーナー。
これが結構役に立つ。

質問は、ざっくりしたものでよくて、
カブトムシの育て方を知りたい、ウクライナの歴史を知りたい、西鉄電車の写真が見たい、ラーメンっていつ頃日本に入ってきたのか、などなど、
具体的な目的・疑問をぶつけると、それに対応する図書・資料の情報を教えてくれるというもの。
このレファレンスサービスは、全国の図書館がデータベースで相談事例の情報を共有しており、かなりマニアックなものまで対応してくれる。
レポートや卒論などで調べ物があるものの、どうやって調べたらいいか見当もつかない場合、まず相談するところの選択肢の一つ。



以上、図書館のマニアックな利用の仕方でした。
図書館はお金がなくても知へアクセスできる場なので、大学生に限らずいつまでもずっと使える。
ぜひフル活用の方法を習得しておきたいもの。

では今回はこの辺でおしまい。
また。




シーズンが終わりました。


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2022/05/22 19:05
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2022/05/22
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