週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

谷中研究室のメリット・デメリット

うちの指導方針やらなんやらは、 前に書いた
今回はもっとシンプルに、どんないいこと・悪いことがあるの、というのを書いていく。
ゼミ・卒論指導は大学教育の特徴だと思っているので、かなり力を入れている。
基本的には時間をかければかけただけ、自分の能力が磨かれるのがうちの研究室の特徴だと思ってほしい。
ただ、あまり時間をかける気がない人はやめておいた方が無難だとも思っている。

メリット

いろいろな力がつく

ロジカルな思考力

卒論指導全般にわたってここが鍛えられる。
基本的にアドバイスはしても答えは教えない。
テーマをこちらから与えることもない。
論文の読み込みから研究計画、まとめる段階に至るまで、自らロジカルに考えることになる。
なので、この部分はかなり鍛えられることになる。
大学出てからもかなり役に立つ能力になると思う。
ちなみにロジカルな思考力とは何かについては、こちらの記事も参考にしていただきたく。

書く力

卒論指導は添削を細かくやる派から全く見ない派までさまざまな教員がいる。
僕の場合は求められればかなり細かく見て、コメントを返す。
これを複数回やることで、書く力がかなりつく。
この書く力。
研究論文やレポートに特化したものではなく、ビジネス系に共通した汎用的なもの。
こいつも、社会に出てから武器になる。
書く力については、こちらの記事も参考になる。

統計的素養

うちの研究室では論文をたくさん読むことになる。
研究論文は精読の上、完璧な理解を求める。
その過程で身につくのがこれ。
たくさんの方法論を調べ学んでいくことになるので、その中で使っている統計的手法に詳しくなる。
世に出てどう役に立つかは、こちらの記事を参照のこと。

プレゼン力

研究をまとめる段階で身につくのがこれ。
研究発表は、企画の立案、成果の紹介、根拠に基づく結論の主張、など、高度なプレゼン力が必要になる。
卒論をネタにプレゼン能力を鍛えていく。
マジメに取り組むとかなり力がつくと思う。

研究のイロハ

うちはコースの他の研究室よりも大変だと思う。
読む論文数も数十本は当たり前。
研究に使う労力は結構なものになると思う。
そのため、卒業するころにはそれなりに研究のイロハがわかった状態になる。
卒業後、研究知にアクセスすることが可能になる。
本来大卒とはそういうものなはずなのだが、研究のイロハがわからず出ていく人の方が多いので、これはアドバンテージになると思う。
これも、別記事に書いている。


テーマが自由

テーマの自由度が高いのはうちの特徴。
こちらからテーマを押し付けるようなことはしない。
特別支援教育発達心理学、心理学、脳科学あたりがかすれば、何をやってもかまわない。
特別支援関係じゃないとダメ、免許がないとダメ、と思っている人もいるようだがそんなことはない。
半分は特別支援の免許は持ってないし、幼児教育系から進んで来る学生さんも多い。
心理学コースでないと心理学ができないと思っている学生さんが多いようだが、うちでもできる。
脳波計、脳血流計測装置、視線計測装置、実験心理学の設備(実験室)、各種解析ソフトもあるので、その辺りで研究したい人も受け入れ可能。
ヒトの脳は湖山地区だとうちしかできないんじゃなかろうか。

その他

教員との垣根が低い
教員に感情の起伏がない
チョコレート・あめ

デメリット

基本的にメリットの裏返しがデメリットになる。
僕の把握していないデメリットもあると思うので、所属している先輩に聞いてみるのもよいかも。
希望があれば紹介するので声をかけていただきたく。

ヘビー

研究に取られる時間はかなりのものになる。
これはテーマが自由だったり、求める水準が高めに設定してあることによる。
過多はあるものの、ほぼ毎日なんらかの研究活動を行うことになると思う。
そもそもライトにやりたいと考えている人にはオススメしない。

自由度が高すぎる

うちは前述の通りテーマの自由度が高い。
自由度が高いのはテーマだけではなく、進め方も含めてあまり教員は口出しをしない。
自分で計画し展望を持って、自分の責任で進めていくことになる。
このスタイルが向かない人はちょっとしんどいかもしれない。
全く取り組まなくてもなにも言わないが、その結果研究が出来なかったら、それは自分の責任と考えてもらう。
一生懸命やってうまくいかない場合は、ちゃんとサポートするからその辺は安心していただきたく。

研究を見る目が厳しくなる

4年生も半分を過ぎてくると、論文の読み込みがかなり進む。
この結果、研究を見る目が厳しくなってくる。
他人の研究について批判的に読めている証なのだが、これが自分を苦しめることがある。
自分の卒論についても見る目が厳しくなり、要求水準が上がる。
でも研究能力という点では発展途上中。
よって、自分の研究が自分の要求水準に乗らず苦しむ。
まあ、これは仕方ないことなんだけど、苦しいっちゃ苦しいので、デメリットかな。

以上、メリット・デメリットでした。




鳥取市内にて。

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2020/02/02 23:59
休暇中。
自宅にて。


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Update 2020/02/02
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