週刊雑記帳(ブログ)

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新しいことを始めるということ

本を読んだり、誰かの話を聞いたり。
そういうことで刺激を受けると、人間というのは単純なもので、自分もやってみよう、となることがある。
でもなかなか始められない。
やろうやろうと思いつつ、先延ばし。
やりたいのに時間がない。
そんなことはないだろうか。

さて、そんな時。
知らず知らずのうちにやらない言い訳を探していないだろうか。
それらを理由に、できないとあきらめてはいないだろうか。
やらずに後悔するなら、やって後悔したほうがいい。
人生は一度きりだ、やりたいことはどんどんやっていこう。

先延ばしやるやる詐欺者のボクは、大昔、前の段落のようなことを言われると全くその通りだ、と、奮い立っていた。
そしてそういう人、多いと思う。
しかし。
今はそうは思わない。
新しいことを始めるかどうか、は、よくよく考える必要がある。
新しいことを始めることが無条件でいいこと、とは思ってはいけない。
なぜか。

理由は簡単。
何かを始めることは、何かをやめること だから。
何かを始めると聞くと、自分に新たな何かがプラスされるイメージを持ちがち。
でも、実際にはマイナスの影響もある。
例えば、新たに英会話を始めたとしよう。
英会話の側面だけを考えるとプラスしかないのだが、実際にはそのために今までやっていた授業に関する勉強時間が減るかもしれない。
英会話の費用を捻出するために、書籍を買うお金が減るかもしれない。
時間とお金は有限なので、新たに何かを始めれば、必ず何かをやめなくてはならない。
意識的にやめなくとも、時間とお金の制約から自動的に何かをやめさせられることになる。
この場合、どれを継続してどれをやめるのか、自分で選択せずに成り行きに任せているのと同義。

この点をしっかりと意識しておかないと悲惨なことになる。
新しいことは始められるものの、続かない、ということになりかねない。
ほとんどのことは、一歩踏み出して始めるということはスタートにすぎない。
それによって得たい何かを手に入れるには、結局のところ、いかに続けるか、がキーになる。
継続は力なり、とはよく言ったもの。
ところが、何かを始めることは、何かをやめること、を意識せずに新しいことを始めてしまう人は、継続すべきことが新しく始めたことに駆逐されていく。
本人がコントロールしない形で、気づいたら終わっている、ということが起こりがちになる。
例えば、先述の英会話の例。
始めた後に、今度は英語の原書を読むのがいい、と聞きつけて、早速買ってきて読んだとしよう。
すると、当然のことながら英会話にかける時間が減ることになる。
予習復習の時間が消えるくらいならまだマシで、ひどい場合は通う回数そのものが減る。
すると、結局最初にやってた英会話の成果が上がらないことになる。
同じ領域ならまだマシだが、これが中国語を始める、とか、ジョギングを始める、とか、全く別の新しいこととなると目も当てられない。
結局、スタートした時に目論んだ、ゴールにある欲しかったものを手に入れることがないまま、時間とお金だけはたくさん使った、ということになる。
もったいない。

何かを始めるとき、今やってることのうちどれをやめるのか。
それをやめることと、新しいことを始めること、どっちの方が自分の望んでいることなのか。
立ち止まってよく考えたい。
これをやるだけで、継続したいことの自然消滅をいくらか防ぐことができる。
冷静にじっくりと天秤にかけてみて、それでもなお新しく始めるという判断が下るのであれば、それは始めるだけの価値のあることなのかもしれない。
躊躇せずに、言い訳せずに、思いっきりやってみたらいいと思う。

以上、新しいもの好きでなかなか物事が継続しない君たちへの記事。
僕自身への自戒も込めてね。




夕暮れ時のニコタマ


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2019/09/16 19:24
出張帰り。
鳥取行きの機内にて。


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Update 2019/09/16
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