週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

2021-01-01から1年間の記事一覧

論文に嘘を書いたりしないの?(研究こぼれ話 No.1)

数年前のゼミでの話。 確か、統計を使った数字バリバリの研究論文だったと思う。 その論文を読んでいる最中に、学生さんが素朴な疑問を持った。 「論文に嘘を書いたりしないのか?数字が嘘ってことはないのか?」 実に、いい質問。 今日はこのネタについて。…

本の紹介,「少年事件に取り組む: 家裁調査官の現場から(藤原 正範(著),岩波新書)」

少年事件に取り組む: 家裁調査官の現場から 藤原 正範 (著) 難易度:☆ 家庭裁判所調査官という職をご存知だろうか。 家庭に関する事件について、必要な調査を行う職種。 家庭裁判所は少年法の審判を行うため、これに先立ち調査官は様々な調査を行う。 心理…

障害児等神経生理学研究2021(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/20) 脳と神経の基礎(1) 最初~ニューロンの基本構造 第2回 脳と神経の基礎(2)(5/11) 神経細胞の情報処理:最初~活動電位が生まれるまで 第3回 脳と神経の基礎(3)(5/14) 神経細胞の情報処理:活動電…

肢体不自由児等の教育課程と指導法2021(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/21) 肢体不自由の概要(1) 最初~中枢神経と末梢神経 第2回 肢体不自由の概要(2)(4/28) 脊髄の概要~肢体不自由の病理ラスト 第3回 肢体不自由の概要(3)(5/12) 肢体不自由の教育 肢体不自由教育の歴史…

肢体不自由児等の生理・病理・心理2021(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/21) 肢体不自由の概要(1) 最初~筋系まで 第2回 肢体不自由の概要(2)(4/28) 骨系~重度・重複障害 第3回 肢体不自由の概要(3)(5/12) 重症心身障害~ラスト 身体の構造と機能(概要)(1) 最初~呼…

特別支援教育(初等)2021(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/19) 特別支援教育の概要(1) 最初~インクルーシブ教育まで 第2回 特別支援教育の概要(2)(4/26) 合理的配慮~発達障害 第3回 特別支援教育の概要(3)(5/10) 特別支援教育の目的~免許制度まで 第4回 …

院に行きたい人が知っておきたいこと(大学院へ行きたい人へ6)

僕は地方国立大の学部経由、大手国立大学・大学院(修士)というコースをたどった。 周りには院への進学を志す人がほとんどおらず、研究大学の学生なら当然知っていることを知らなかった。 そこで、当時の僕を想定しつつ、知っておきたいことをいくつか書く…

大学教員(僕のなりたかったもの7)

いろいろと書いてきたが、いよいよコイツ。 これになりたいと思ったのは大学生の中盤ごろ。 もともと修士で他大の院に行くことは大学入学時から決めていた。 その延長線として大学教員という選択肢が出てきた。 理由はいろいろある。 まずは、大学教育に関わ…

本の紹介,「アメリカの教室に入ってみた: 貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで(赤木 和重(著),ひとなる書房)」

アメリカの教室に入ってみた: 貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで 赤木 和重(著) 難易度:☆ 研究業界にはサバティカル休暇というものがある。 研究休暇とも言われる。 大学に何年か務めるともらえ、一定期間(長いと1年間)通常の業務が免除さ…

震災10年

あの日、僕は福井のとある大学にいた。 脳波実験をしていて、実験室の外で実験用のモニタを見ていた。 14時46分。 ゆっさゆっさと静かに揺れ始めた。 天井にぶら下げていた、予備の脳波電極がゆっくりと揺れていた。 小さくゆるい周期で少し長めのその揺れを…

夜行列車のはなし

今はもう残り少なくなったが、僕が大学生くらいまでは夜行列車というのが存在した。 夜に、東京駅、上野駅の在来線ホームに行くと、行き先案内板には全国の地名が並んでいた。 これらの駅に行けば、本当に全国各地どこにでも行くことができた。 南は西鹿児島…

本の紹介,「電池が切れるまで 子ども病院からのメッセージ(すずらんの会,角川文庫)」

電池が切れるまで 子ども病院からのメッセージ すずらんの会(編) 難易度:☆ 世の中には、病気のため通常の学校に通うことができない子どもたちがいる。 ただ、我々には教育を受ける権利があるため、これを保障するために様々な仕組みが用意されている。 院…

成功の理由と失敗の原因と格差社会の話

成功するとお金持ちになり、そうでないとお金持ちになれない。 ある職業は収入が多く、ある職業は収入が少ない。 同じ会社でも、地位によって収入に格差が生じる。 仕事ができる人は富み、仕事ができない人は貧する。 新自由主義の中で、当たり前に受け入れ…

卒業研究の進め方と落とし穴(研究をしよう23)

今回は卒業研究にしぼったテーマを。 卒論生がおちいりやすい落とし穴と研究のすすめ方について。 卒論生はその多くが初めての研究になる。 それがゆえに、研究の進め方の勝手がわからなかったり、落ちやすい落とし穴があったりする。 今回はそれなりについ…

研究テーマを決める(研究をしよう22)

論文の読み方、文献整理、研究計画の立て方はすでに書いた。 これであとは研究計画が勝手にできあがるだろう、と思っていた。 ただ、先日、学生さんが何をやっていいかわからない、と言ってきた。 確かに、今まで書いてきたことだけだと、独力で進めるには少…