雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

卒論・修論で病むのはばかばかしい(研究をしよう19)

大学も後半ともなると、卒業に向けて卒論に取り組むことになる。
修士の院生は修論
これは思いのほか大変で、人によっては精神的に参ってしまうことがある。
今回はそうなりそうになった場合の話。

そもそも研究とは、とーっても大変な営みである。
まず、自由度が高い。
ゴールは曖昧で自分で設定する。
正解も特にない。
様々な特殊技能も必要だし、学ぶことは果てしない。
計画も全部決めて、実行していかなければいけない。
書いてて思うけど、うーん、大変。

特に卒論生にとっては初めての研究となる。
修論生もほんのちょっと経験がある程度。
するといろいろとうまくいかないことが出てくる。
調査・実験がたまたまハズレで結果がちゃんと出なかった。
そもそも研究はうまくいかないことがつきものなのだが、そのあんばいがわからない。
計画通り進められず焦ってしまう。
そもそも計画がうまく立てられない。
研究論文をちゃんと読める(批判できる)レベルに達している場合、自分の研究が自分の求めるレベルに到達しない、ということもある。
批判能力と研究を創造する能力はやや異なっており、後者は経験がないので前者に比べ遅れて成長する。
理想に現実が追いつかない。
それにしんどさを感じる。
これらのことが原因でだんだんと病んでいってしまう、というのがよくあるパタンか。
真面目な学生さんに多い印象。
研究そのものではなく、教員と相性が悪い等の間接的な理由で病んでしまうこともある。

さて。
そうならないように、どうしたらいいか。
1番はなるべく早い段階で、教員に相談しよう。
指導教員と特に仲が悪いわけでなければ、指導教員がいい。
指導教員は研究の先輩でもある。
指導学生がしそうな失敗はたいがいしているし、そうでなくても過去の指導学生の先例がある。
きっと、何かいいアドバイスをくれるはず。
そもそも、研究技能についてはどんなにがんばっていようと卒論生・修論生レベルだと大したことはない。
自分でがんばった末に行き詰まってしまったら、少し相談してみると思いもよらなかった道が見えてくることがある。
指導教官に話すことで問題点が整理されて、研究の方向性が見つかることもある。
完璧なものしか教員に見せない、なんてことは考えず、ある程度がんばったところで未熟なものでもいいから見てもらって相談に乗ってもらった方がいい。
研究自体がいい方向に行くし、鬱々とした気持ちも晴れることが多い。

では、すでに精神的に参っている場合はどうしたらいいか。
これについても、教員に隠さず話してみるのがいい。
わざわざ相談するとかではなくても、研究の相談に行ったついでに、少し精神的に弱っているんだ、と伝える程度でも可。
この場合、指導の仕方が少し変わることもあるし、弱っていることに対してもなんらかのアドバイスがもらえることがある。
別に原因が研究でなくても問題はない。
最近の大学はこの辺りのサポートをしっかりしようとしていて、サポート機関があったりすることも。
精神的に参るなんて風邪引くようなものなので、誰でも起こりうる。
あまり気にせず、まず相談してみるのがいいと思う。

別に相談相手は指導教員である必要はない。
指導教員が怖い、関係が良くない、相談できるようなキャラじゃない、等々、相談相手として適さないことは考えうる。
そういう場合は、誰か仲いい教員や優しそうな教員にねらいを定めて相談しているといい。
きっと力になってくれることと思う。

次に。
指導教員と相性が悪くて弱っている場合。
実はこれはよくある話で、ハラスメントでもない限り、どちらが悪いという性質のものではない。
なので、相性問題で病みそうなくらい悩んでいる場合は、研究室を変更するのはアリだと思っている。
指導教員には話しづらいと思うので、それ以外の信頼できる教員に相談してみるといい。
きっと悪いようにはならないと思う。

研究はおもしろいし、学ぶことも多いと思っている。
が、それで自分を追い込んで病んでしまうのはちょっと違う。
病みそうな場合、すでに病んでいる場合は、自分だけでなんとかしようとせず教員をうまく使っていただきたく。
研究ごときで病んで潰れてしまうのはばかばかしい。
いや、ホント。

ではでは。
また。




智頭ですな。


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2020/06/07 23:30
休暇中。
自宅にて。


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Update 2020/06/07
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iPadのすゝめ(大学生のための学び方入門、番外編2)

遊びにきた学生さんにはたまにオススメするのだが、大学で学ぶに当たってiPadは大変便利だと思っている。
これはタブレットでも構わない。
初期投資としては4−5万円と少々値が張るが、使い方次第では十分元が取れる。
特にiPadApple Pencilの組み合わせは最強。
Apple Pencilの手書き性能はすごいので。

iPadタブレット)ってなあに、という方のために。
こいつは、まあスマホとPCの中間みたいなものだと思っていただければ。
携帯回線を契約するタイプの機種と、PCのようにWifiについないで使うタイプの2種類がある。
後者であれば維持費はかからない。
この場合、スマホテザリングオプションを契約しておき、スマホにつないでネットを使えるようにしておくと便利。
前者はいつでもどこでもネットに繋がるのでとても楽だが、維持費がかかる。
格安simで1000−2000円くらいか。

では。
コイツで何ができるのか。
今日はそのあたりを書いてみる。

書類を読む

授業などでたくさんの資料が配られる。
印刷した紙媒体を使うのもよいが、pdfファイルか何かとして電子化した上で、iPadで読むと便利。
資料のようにかさばらないので、鞄に一つiPadを入れておくだけで全ての資料を読むことができる。
Apple Pencilを使えば手書き感覚で書類に書き込みも可能。
上級生になって研究をするようになると論文を読む機会が増えるが、これもこいつを使うとかなり楽になる。
何よりも、すべての資料が常に手元で見れるというのはなかなか強い。
僕は論文はすべてこれで読んでおり、たぶん数千本の論文がiPadに入っていると思う。

ノートをとる

Apple Pencilが出てから、ノートをこいつでとるのが非常に楽になった。
ノートアプリとしてはMetaMoji Noteあたりが使いやすい(Apple Pencilモードにすると使いやすい)。
手書きとタイプの両方が使えるので、従来のノートとはまた違ったノートを作ることができる。
僕は、学会のノートはすべてこれでとっていて、聞いた情報を手書きで入力しつつ、補足情報をwebからとってきては貼り付ける、なんてノートの取り方をしている。
iPad自体が硬いため机がなくても簡単にノートが取れるのがまたよい。
ちなみに、紹介したノートアプリはpdf等の文書ファイルも開くことができるので、書類の読み書きに使用するということもできる。

辞書として使う

辞書アプリを入れておけば、辞書として使うこともできる。
電子辞書や紙の辞書を持ち歩かなくていい分、カバンが軽くなる。
いつでもどこでも使用できるのもまたよいか。
アプリは有料だが、iPhoneとアプリを共有できるので、iPadがない時でも使用できるのもまたよい。
大学生たるもの、言葉にはこだわりたい。
レポート等、文章を書く時、ちょっと気になった文字は意味を調べて、正しく使う癖をつけたいもの。
以下は、僕が使っている辞書アプリ。
・国語辞典
新明解国語辞典
三省堂国語辞典
国語辞典は2つ入れて、場合によっては2つひいて意味を確かめるようにしている。
・漢字辞典
新漢語林
・英和・和英辞典
Handy英辞郎
まあこのくらいあれば困らない。

簡易PCとして使う

iPadにはPowerPoint、Word等のオフィスアプリを入れることもできる。
これらを使うとPCでファイルを作る代わりにiPadで作業ができる。
クラウドDropBoxGoogle Drive)をうまく使うと、PCで作業したファイルをiPadで引き継ぎ、さらにiPhoneで引き継いで作業することも可能。
ちなみに僕の授業資料は、PCをメインで作っているが、カフェではiPad、出退勤等の移動中はiPhoneを使用して作っている。
授業スライドはiPad経由で出力。
慣れると便利。

電子書籍として使う

Kindleアプリを入れておくと、電子書籍として使用することもできる。
僕は昔は本は紙派だったが、すぐ買える、重くない、場所を取らない、の3つの便利にやられて、電子書籍も結構利用している。


他にも工夫次第で、いろいろ便利な使い方が可能。
社会人だとまた違うと思うけど、大学生の場合、持っていて損はないと思う。
投資に見合うリターンはある。

ではでは。
また。
なんだか、Appleの回し者みたいな記事になってしまった。





東京駅、かな。
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2020/05/31 23:46
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/05/31
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ショートカットキーを使いこなそう(大学生が覚えたいスキル)

今回はPCスキルのお話。
学生さんを見ていて、わりとできていないのがこの操作。
おそらく多くの人は、レポート作成等の作業時、マウス操作を多用していると思う。
文字を選んで右クリックして切り取りを選んで、また右クリックして貼り付けする。
が、いちいちこれらのマウス操作をするのには時間がかかる。
そこで、今回はショートカットという裏技を紹介する。
こいつを覚えると、PCの作業時間は半減する。
簡単なのでぜひ覚えておきたい。

ショートカットとは、いちいちメニューから選んでやる操作をキーボードで1発で行おうというもの。
例えば、切り取りはCtrl+x(Ctrlを押しながらxを押す)でできる。
マウスか何か(Shiftを押しながら矢印キーでも選べる)で切り取りたい文字を選んでおく。
通常はここで、右クリックから選んでいくのだが、前述のCtrl+xを押してみよう。
切り取り作業が行われることと思う。
同じく、Ctrl+cでコピー、Ctrl+vで貼り付けが可能。
よく使うものとしては、Ctrl+zでやり直し、Ctrl+fで検索、Ctrl+sで上書き保存、Ctrl+pで印刷などなど。

これらのコマンドを覚えるだけでも作業効率が飛躍的に高まる。
こいつらはアプリ間で共通していることが多いので、メニュー上のどこからその操作ができるのかわからない場合などでも使用可能。
使ってみればわかると思うが、一度覚えたらコレ抜きにPC作業はあり得なくなる。

で、このショートカット機能。
たいていの面倒な作業にはだいたい用意されている。
なので、メニューを選んで操作という作業が繰り返される場合、ショートカットを調べてみよう。
例えば、CO2の2を下に小さくする、という作業をワードでやる場合。
メニューからこの操作をやるとこれは「下付き文字」と呼ばれる操作ということを知ることができる(操作中のどこかに書いてある)。
そこで、Googleで「ワード 下付き文字 ショートカット」のように検索かけると、情報が出てくる。
ちなみに、これはCtrl+Shift+「ーと=のキー」。
太字にする、下線を引く、等、まあ大概のものはショートカットが用意されている。
あまり使わないものを覚える必要はないが、多用する操作については、その都度調べて使ってみよう。
これでかなり作業が早くなること、間違いなし。

まだ使ったことない人、ぜひ試していただきたく。
レポート作成時間がかなり早くなると思う。

ではでは。
今日はこれにて。




松江かな。


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2020/05/24 19:17
休暇中。
復活駅前スタバにて。


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Update 2020/05/24
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本の紹介,「窓ぎわのトットちゃん(黒柳 徹子,講談社)」

窓ぎわのトットちゃん
黒柳 徹子(著)
難易度:☆


僕は大学で教員を目指す学生さん相手に話す機会が多い。
特に、一般の教室で困ってしまう子どもたちの教育についてよく扱う。
そんな授業で、時々紹介するのがこの本。

この本の主人公は著者の黒柳徹子さんの幼かった日々の姿であるトットちゃん。
時は太平洋戦争のちょっと前。
おしゃべりで気が散りやすい新小学生トットちゃんは、地元の学校で大はしゃぎ。
先生の手に負えず、ついには学校を追い出されてしまう。
そこで、ちょっと変わったトモエ学園という学校に通うことになる。
そのトモエ学園での出来事を中心に、トットちゃんの日常を描いた物語。

この物語、キーとなるのはトモエ学園の校長先生。
この先生がとてもよい。
常に子どものためを考えていて、子どもと対等で、優しくて、トットちゃんとは強い信頼関係で結ばれている。
彼が実践する自由で温かく見守るタイプの教育は、教育とは何かについて考えさせてくれる。
教員を目指す学生さんや現場の教員は、本書から学ぶものが多いことと思う。
そしてもうひとり素敵なのが、トットちゃんのお母さん。
怒ったりしばったりせずのんびりと奔放なトットちゃんと付き合う。
これは簡単なようでなかなか難しい。
作中でのびのびと育っていくトットちゃんの土台として、こういうお母さんと家庭があった。
この辺りもいろいろと考えさせてくれる。

彼らのすごいところは、この物語の舞台が昭和初期であるところにある。
この当時、発達障害という概念もADHDという概念もなかった。
今でこそ、これらについていくらか知られるようになって、読めば、ああADHDっぽいなとわかる。
当時は、特性や対応がある程度共有されつつある現代とはずいぶん違うはずで、その中で、こういう教育や関わりができたところに、教育と子育ての本質を垣間見ることができる。

で、もう一つこの本から学べるのが、日常と戦争。
平和で楽しく刺激に満ちたトットちゃんの生活にも戦争の影が忍び寄る。
そして大好きなトモエ学園にも。
黒柳徹子さんの年齢から考えて、彼女が入学した当時はすでに日中戦争は始まっていた。
太平洋戦争へ向けて、時勢はどんどん変化していた頃である。
ところが戦争が感じられるようになるのは後半。
戦争とはどういうものなのか。
当時の空気感を知ることができて、なかなか示唆に富む。

この記事を書くために今回読み直したのだが、何度読んでも新しい発見があるなぁ、と思った。
読んだことない人はもちろん、一度読んだことある人も読み直してみるといいと思っている。
教育に関わるすべての人にオススメな一冊。
もちろん、お父さん、お母さんにも。




お空より。

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2020/05/06 19:26
GWもおしまい。
お散歩先にて。



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Update 2020/05/05
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本の紹介,「安倍官邸 VS. NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由(相澤 冬樹,文春e-book)」

安倍官邸 VS. NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由
相澤 冬樹(著)
難易度:☆


著者の名前をご存知の方、そんなに多くないと思う。
森友問題で近畿財務局の職員さんが自殺した。
その真相について、職員さんの遺書をもとに文春にスクープした人、と言えばわかるだろうか。
読んでいない人はその記事もご一読いただきたく。

彼の名前はこのスクープ以前から知っていた。
彼はもともとNHK大阪放送局の記者で、森友事件を追っていた人。
クローズアップ現代で森友のスクープ特集を飛ばしたのが彼である。
その後、森友問題のスクープが原因で、記者職を外され、記者を続けるためにNHKを辞めた。
その話をどこかで目にし、名前が頭に残っていた。
前から読もう読もうと思って先送りになっていたのだが、冒頭の文春スクープを読み、改めて手にとったのがこの本。

この本はそんな相澤さんが、NHKを辞めたときに書いた手記。
辞職時に書く本というのは、告発本が多い。
が、この本はその類の本ではない。
NHKで何をして、どうして辞めるという決断に至ったのか。
その辺りが淡々と書いてある。
これがとてもおもしろい。

NHKという組織を通じて、ニュースというものがどのように出来上がっていくかがよくわかる。
どのような事実をもとに記事やニュースが出来上がるのか。
スクープとは何か。
スクープを他社に抜かれたらどうするのか。
報道各社それぞれの性質。
そういうマスコミ・報道の裏側を知ることができる。

特に、ネタがニュースに選ばれる過程がおもしろかった。
記者が集めてきたネタはたくさんある。
しかし、ニュースの時間は限られている。
そこで、ニュース番組ごとに現在上がっているネタから報道するものを選んでニュースを組んでいく。
その過程で、ネタへの価値づけが行われるし、忖度が入り込む余地がある。
報道が政権批判を報じなくなったと言われるが、その理屈がよくわかる。
特定の個人が原因の場合もあれば、組織の中でなんとなく規制が発生することもある。
そんな裏事情が見えてくる。

報道とは何か。
報道で出てくる情報とはどんなものなのか。
その上で、報道各社に何を求めるべきか。
この本を読むとその辺のことがよくわかる。
現代社会の情報リテラシーとして、ぜひ読んでおきたい。
マスコミ業界に興味ある若人にもオススメ。




いつか乗ってみたいな、クルーズ列車。
門司港かな。

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2020/05/06 19:27
GWだけれども。
職場にて。



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Update 2020/05/06
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大学院へ進学したい人へ No.4 研究室を決める前に

前回は研究室の選び方について書いた。
では、よさげな研究室を見つけたら、すぐそこを選んでしまってもいいのか。
答えはNoである。
研究室を決めるにあたってやっておくことがある。

まず、研究室・指導教員の選び方。
これは卒論の研究室・指導教員の選び方と似ている。
この辺りは別記事卒論指導教員(研究室)の選び方に書いているのでそちらも参考にしていただきたい。
卒論と違うのは、研究と専門性の部分がより重視されるところ。
特に、研究者が将来の進路として視野に入っている場合は、研究者育成能力や研究業績が多いかどうか、分野がマッチしているかどうか、がかなり重要になる。
他大進学の場合、これらについて情報収集をして判断する必要がある。
主には以下の方法によって知ることができる。

研究室見学

王道の方法。
院の試験を受ける前に必ずやっておきたい。
メール等で研究室のボスである教員に進学を考えているので話を聞かせてほしいと連絡をする。
たいていの場合はOKの返事が来ると思うので、実際に会って話を聞いておこう。
どんな教員なのか、指導方針はどのようなものなのか、研究室の環境はどんな感じか。
教員だけではなく、研究室に所属する助教さんや院生などにも話を聞きたい。
挨拶ついでに連絡先を交換しておいて、後日気になることを聞くというのもおすすめ。
特に、院生の声は極めて役に立つ。
研究室の指導スタイルが合わないとえらい目に合う。
ブラックな研究室というのも存在するので、その辺もしっかり見極めたい。

ちなみに僕はこの辺の情報が一切なく、試験前に研究室訪問をしなかった。
試験に受かった複数の院に事後的に面談に行き、後から研究室を決めた。
今考えてもすごいことをやったと思う。
絶対におススメしない。

Webによる研究室の調査

今はWebに研究室の情報が出てくる。
事前にどんな研究室なのか調べておく。
ポイントは、教員の数、院生の数、研究論文にどのようなものがあるか、研究論文の数はどんなものか、科研費の取得状況、など。
教員が複数いる場合(例えば、教授がボスで、部下に准教授、助教がいる場合等)、教員1人当たり何人くらいの院生がいるか調べる。
あまりにも多すぎる場合は、指導がしっかりとしてもらえない可能性がある。
ひと学年3人を超えているようだと、注意が必要。
一概に人数が多いから指導できないというわけでもないので、気になったら在籍する院生あたりと連絡を取ってどのくらいの頻度で指導してもらえるかを聞いてみるのも手。

研究論文はその研究室の研究分野や研究のレベルを知ることができる。
研究室のホームページを見てみると大体の場合は研究論文一覧が載っている。
載っていない場合は、CiNii(日本語論文)とPubMed等(英語論文)に教員名を入れて検索する。
多くの場合は、研究室を主宰している教員の名前が一番最後になった、複数著者の論文が出てくる。
一番目に載っている著者がたいていの場合は研究を主導した研究者(院生・研究員・教員)、最後が指導教員となる。
これを見ると、その研究室の所属員がどのような研究をやっているのか等、その研究室がカバーしている範囲がわかる。
自分ではどんな研究ができるか、なんとなく知ることができる。
論文の質の判断が可能なのであれば、実際に論文を何本か読むことで、その研究室のクオリティも知ることができる。
論文の数なんかも判断基準としては使える。
研究室の院生の論文数は、将来自分がそこで書くであろう論文の数を予想することができる。

科研費他、研究費の獲得状況も参考になる。
教員名でweb検索をかけると科研費の獲得情報が出てくる。
コンスタントに研究費が獲得できている研究室は研究力が高いことを意味する。
こういう研究室に行くと、研究にお金がかかる場合や学会参加旅費等にサポートをしてもらえることが多くなる。
ただ、これは教員のスタンスによるので、研究室の所属員にそれとなく聞いてみるのもよい。

修了生のその後

もう一つ大事なのがこれ。
修了生の進路がどうなっているか。
修士了だったら博士進学が多いのか、そうでないのならばどういった進路に進んでいるのか。
博士了の人で大学教員になった人はどの程度いるのか。
研究職としての進路にはどのようなものがあるのか。
研究職ではない進路としてどんなものがあるのか。
この辺りは進学したい人の目的によって異なるので、どれがいいという話ではないが、自分の目的と照らし合わせて吟味する必要はある。
これは修了後の自分がどうなっているか、イメージするのにも役に立つ。

ちなみに修士了が極端に少なくほぼ博士課程に進学する研究室では、修士で民間就活するのはわりと大変。
修士だけ取って民間就職するコースを考えているのであれば、そういう人が一定数いる研究室を選びたい。


以上、研究室を決める前にすることでした。
これ、結構大事。




夕暮れ写真は楽しい。
高松かな。

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2020/04/12 23:22
ひきこもり。
自宅にて。


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Update 2020/04/12
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教科書・参考図書は買うべきか(大学生のための学び方入門、番外編)

これはよく出る質問。
僕も大学生のころは悩んだもの。
授業をやる立場からこの問いに答えていく。

まず、僕の授業で使う教科書について。
僕が新規に授業を引き受けた場合、まず教科書探しを始める。
メジャーな分野の場合10-15冊ほど教科書を取り寄せ、ざっと読む。
その上で想定受講生に役に立ちそうな1冊を選ぶ。
基準として以下を考慮する。
・想定受講生の知識・読解レベルとのマッチング
・内容の妥当性
・内容が分野を網羅しているかどうか
・さらに深めたい人の足掛かりとなるか(読書案内、参考文献リストの有無)
・授業後・卒業後も使用できるか
(・絶版にならないかどうか)
全部を満たすことは少ないので、上記について授業で補えるかどうかを考えながら、ベストなものを選ぶ。
ちなみに絶版になるかならないかは、学生さんには一切関係ないが、教員にとってはかなり大事。
せっかくある教科書に合わせて作った授業マテリアルがある日突然ぱあになるのだ。
それが授業開始直前にわかった日にゃ、、、。

閑話休題
そんなわけだから、僕の授業に関しては指定された教科書は買ったほうがいいと思っている。
僕の授業では教科書がなくても大丈夫なように資料を組んで話を進めるようにしてはいる。
ただ、文章から僕の説明とは違った理解を深めることもできるし、聞きもらしを補うこともできる。
多くの教員もこういう方針で教科書を選んでいるのではないだろうか。
そういう教科書であれば買って損はない。

続いて、教員が自分で書いた本を教科書と指定している場合。
こういう教科書について、学生さんは教員が儲けるためにやっていると誤解しがち。
が、これは多くの場合間違い。
そもそも、教科書・専門書で入る印税は使った資料代と時間を考えると割に合わない。
儲けるためにこういった本を書く専門家はいないと思う。
では、なぜそんな本を書くのか。
それは、自分の教えたい内容の教科書がないから。
高校までの授業と違い、それぞれの教員が考える学問領域観がそれぞれ異なる。
これを教えたいなぁ、この内容がいるなぁ、と思っても一つの教科書に全て載っていることはない。
そもそもマニアックな分野では既存の教科書自体がないこともしばしば。
そこで、教員はさまざまな資料を使って授業を作っていく。
そして、授業がある程度の形に出来上がったら、それを文章化してまとめることがある。
これが教科書になる。
そういうわけだから、この手の教科書は担当教員の授業内容がよくまとまったものになる。
授業の内容が完全に文字になっているので、それらを理解するのに大変役に立つ。
授業時間では説明しきれない補足情報やその後の勉強についても載っていることがある。
当該授業の予習復習に最適。

ただ。
気をつけたいのは教科書にはハズレもあるということ。
あまり吟味されずに教科書が指定されている場合はありうる。
自著指定型も、学生のために書かれたものではなく、自分の業績のために書かれたものがないわけではない。
特に後者は、大人数で書かれた教科書で増えている傾向があり、この場合編者がしっかり全体を統括して細かな指示を出していないと、まとまりのないダメな教科書になってしまう。
もちろん、僕の科目ではこういう本は教科書としても参考図書としても除外している。

では、学生としてどうしたらいいか。
オススメしているのは中古本。
Amazonマーケットプレイスというのを選ぶとかなり安く中古本が手に入る。
これを活用してとりあえず手に入れる。
図書館で取り寄せてみて、どんな本かを見てみるのもいいか。
実際に使ってみてよかったら、新品を手に入れてみてもいい。
授業が終わってもういらないと思ったら、自分で中古本として出品すればいくらかお金も戻る。
後輩に売ってしまうのも手。
僕の教科書は、授業以外でも役に立つような視点で選んでいるので、卒業くらいまでは持っていても損はない。
関連分野で働く予定の人は卒業後でも役に立つと思う。

参考図書はどうか。
これは図書館等で借りてきて読んでみて、よかったら購入するくらいでいいと思う。
中古本を活用する方法もオススメ。
たまに当該内容を勉強するのにとても役に立つ本が紹介されることがあるので、手にとってそう感じた本は手元に置いておくといい。

最後にひとつ。
授業前に教科書を買っておいたほうがいいか、について。
これについては、すべての科目でそうする必要はないと思っている。
各科目の第1回目で授業の説明があるので、授業スタイルと授業での教科書の使い方を聞いてから買うのでも遅くはないと思う。
ただ、演習系の授業(例えば、実験、数学等)では、教科書があることが前提の場合がある。
この手の授業で1回目から本編に入っていった場合は困るかもしれないが、まあその時はその時。

ではまた。




神宮に行きたい。


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2020/04/21 9:38
出勤中。
山陰線の車内にて。


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Update 2020/04/21
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