週刊雑記帳(ブログ)

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原発のハナシ

原発について。
僕は福島に住んでいたことがある。
友人もあっちの方にたくさんいて、震災と原発事故についてはいろいろ思うところがある。
そんなわけなので、このトピックに関してはちゃんと書きたいと思っていた。

僕は原発という発電の仕組みについては反対の立場。
原発についてはその仕組みから、放射線のこと、問題点など、いろいろと勉強した。
その結果、現状ではこの仕組みはやめたほうがいいな、と思うようになった。
二酸化炭素が出ないとか、安く電気が作れるとか、地元経済の活性とか、メリットもわからないではないのだが、それよりもデメリットの方がはるかに大きいと思っている。
「安く電気が作れる」については、そもそもそうではないと考えているが。

僕が原発に反対する理由は以下の2点。
(1)事故を完全に防げるとは思えない
(2)発電後のゴミの問題
特に、(2)は致命的だと思っている。

(1)については反対派が第一にあげているのでわかりやすい。
そもそも事故は完全に防げるはずだった。
何重にも安全のための仕組みを作り、確率を限りなくゼロに近づけた。
でも、福島の事故は起きた。
原子力系の事故は起こると大変なことになるため、ゼロでなくてはならない。
何十年動かしても、何千年動かしても、ゼロでなくてはならない。
そんなこと、基本的には無理だと思っている。
世の中には限りなくゼロをゼロとみなしていい事象と、みなしてはいけない事象がある。
本当にまれな事象については、起こってから事後対応でなんとかする。
これができれば前者でもよいと思うのだが、それが無理な原子力系は後者。
一旦事故が起こってしまえば、影響は甚大だし、そもそも事故処理だってかなり難しい。
これは福島事故のその後を見ればよくわかる。
事故処理のメドすら付いていない段階なのに、世間の記憶は薄くなってきている。
そもそも事故によって将来どんな影響があるのか、見えない部分もかなりある。
これが僕が考える原発反対のひとつめの理由。

もう一つは事故とは関係ない。
そもそも仕組み自体に問題があると思っている。
原子力発電を行うと、放射線を出しまくる核のごみがでる。
コイツをどうするか、まだ最終的な方法が決まっていないのだ。
10万年、自然界から隔離しなくてはならないらしい。
そんなこと、それこそ不可能だと思っている。
しかも、だ。
ずーっと使い続ければ、そのうち捨てる場所がなくなるのは容易に想像がつく。
そういう問題が出てきたあたりで、原子力発電はできないということになるはず。
そうすると遠い日の子孫たちは、自分が使いもしない発電方式の、負の部分だけを担うことになる。
これはあまりにも無責任でひどい話じゃないだろうか。
賛成反対含めていろいろ本を読んだが、ここに明確な解決法を与えてくれるものは残念ながら見つからなかった。

我が国に資源がなく、原子力発電がいかに重要かはよくわかる。
安い電気が日本の産業や暮らし大事なこともとてもよくわかる。
それでもなお、先ほど述べた2つのデメリットがあまりにも大きすぎる。
そんなわけで、僕は原子力発電には反対の立場、というわけ。

この問題はとても大事な問題なので、ネットの情報だけではなく、本からも情報を仕入れたうえで自分なりに考えてみてはいかがでしょうか。




松江にて。


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2018/10/22 20:00
今日は心地よい秋晴れだった。
鳥取市内にて。


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Update 2018/10/22
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