週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

労働法を読む(雑学・読書のタネ1)

労働基準法をはじめ、労働関連の法体系を労働法という。
雇う側と働く側では力関係が違う。
その力関係の中で酷い目にあったり、逆にあわせてしまったり。
ある日突然、自分にやって来るかもしれない。
友人が当事者になって困るかもしれない。
法律的に何がダメで、何が正しいのか。
ダメな時はどのように対処すればよいのか。
コイツを知っているだけでだいぶ違う。
多くの人が社会に出て雇用されながら働くことになると思うので、コイツは学んでおいて損はない。
そんなわけで、今回は労働法関係の本をいくつか紹介する。
全ての社会人、これからの社会人におススメ。


「どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門―(大内 伸哉 著)」


事例を中心に労働法について解説した新書。
会社に内緒でやっていた副業が会社にバレてしまった、上司が残業を認めないため残業代が出ない、など、さまざまなストーリーを紹介し、法律や判例をもとに法的なルールを紹介する。
内容はかなりくだけており、軽い読み物としてサクサク読める。
社会人にとっては身近な事例の法律上のルールを知ることができる。
当たり前だと思っていることが、意外と違法だったり合法だったりするのでおもしろい。

まずは知ってみたい、という人にオススメ。


「泣きたくないなら労働法(佐藤 広一 著)」


一般の人に向けて労働法について解説した新書。
一般的に必要になるであろう項目ごとに、法理や判例を紹介。
労働法の簡単な紹介、採用から始まり、労働時間、賃金、労働時間、退職と、基本的なことを実際の事例を混じえながら解説する。
とてもわかりやすく、初めての人でも簡単に読むことができる。
知識伝達型で学術的ではないが、働く人の基礎知識としてためになることがたくさん詰まった一冊。
社会人としている労働に関するルールをざっと知っておきたい人に1番のオススメ。


「労働法入門(水町 勇一郎 著) 」


労働法について、法学研究者が一般向けに書いた新書。
前2冊は労働に関する日本の実際的なルールを解説したものだが、この本はちょっと違う。
法とはなにか、なぜ労働法が必要か、など理論面からの記述が中心になっているのが特徴。
歴史的な背景、国・文化・宗教による労働観の違いや法への反映などにも触れられており、教養的な意味合いでとてもおもしろい。
日本の労働法の最低限の知識を学びつつ、法の趣旨や背景を深めることができるのがよい。
法律を理解するためには導入の経緯やそれを理解するための背景、それらの国際的な違いを知っておくことが重要だと思わせてくれた本。
ハウツー本とは一線を画してして、それがゆえにオススメな一冊。
僕はこれが一番好きだった。






都内のどっかにて


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2018/11/07 08:00
出勤途中。
汽車車内にて。


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Update 2018/11/07
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