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論文を読む〜イントロ編前編(研究をしよう 6)

今回からは論文の読み方編。
前に書いた研究とは何か論文とは何かがまだの人はそちらから読んでいただきたく。

さて。
まずは論文の構造から。
だいたいの論文は前書きがあって、本体があって、考察があって、結論かまとめがある。
言い方は分野や学術誌、研究者によって若干異なる。
序論、本論、結論。
イントロダクション、方法、結果、考察、結論。
他にも色々な言い方があるが、構造自体はほぼ一緒になっている。
これらは論文の中でそれぞれ特定の役割を担っていて、それを意識しながら読む必要がある。
前にも書いたが、論文や研究は本当に玉石混在で、自分でコイツを吟味していかなければならないわけだ。
では、それぞれの部分で一体何を吟味すればよいのか。
これについて何回かに分けて説明していこうと思う。

で、今回のお題に入る前にもう一つ補足。
論文の一番はじめのところに、アブストラクトや要旨というものがついている。
これは何かというと論文の内容をぎゅっと凝縮したもので、読むか読まないかの判断に使う。
詳しくは、論文の書き方のところで扱いたいと考えている。

さて、本題。
今回はイントロ。
イントロダクションの略でイントロ。
このシリーズではこの言い方を使うが、いわゆる前書きの部分のこと。
他にも背景、目的、序論などさまざまな言い方がある。

さて、このイントロ。
論文の中でいったい何どんな役割を持つのだろうか。
よくあがるのが、自分の研究の先行研究や関連研究の紹介、というもの。
これはね、間違いなのだ。
修論レベルでも、ここを理解していない人がいる。

確かにイントロには先行研究やら関連研究やらが紹介してある。
でも大事なのは、何のためにそれをしているのか、がなんだ。
研究とはなにか、論文とはなにか、を思い出した方はもうわかったかもしれない。
先行研究やら関連研究の紹介は、自分の研究の新しさ(新奇性)と意義を主張するために必要だからやっている。
特に意義。
新奇性についてはわざわざ論文で、他の人がやったのを真似してやりました〜、なんて書く人はほとんどいないので、ここからだけで判断するのは難しいが、意義についてはここをしっかり読むことで読み取れる。
というか、書き手が自分の研究の意義を文章でちゃんと伝えることのできる場所がここしかない。
この部分の重要性をわかっている人は、ここにかなり力を入れて書く。
まあ、そうでない論文も多いのだけれども。
ただ、優秀な研究者ほど、ここの書き方がうまい。
これは論文だけじゃなくて、何かを会社の企画書など、何かをわかってほしい系の文章全てに共通すると思う。

つまり、イントロではこの意義を吟味するために読んでいく。
もちろん新奇性についてもわかる範囲で。
イントロには研究の目的とか仮説が書いてあることが多いので、コイツらの意義と言い変えてもよいかもしれない。
かくかくしかじかの理由でこういう目的と仮説が必然的に出てくるでしょ?だからこの研究をやったんだよ。
ってなことが書いあるべきで、その説明に対して、ああなるほどそりゃあこの研究やるの大事じゃん、と思ういう部分が意義ということ。
この意義というのが初めての人にはなかなかわかっていただけないのだが、簡単に言うとこんな感じ。
イントロとは研究の目的や仮説に至るまでの筋道を示して、そいつを通じてそれらの意義を主張するところ、と言い換えることもできるか。
意義、ぼんやりわかったかな。
難しいのでまずはぼんやり理解して、あとはやりながら理解していけばよいと思っている。

ここでひとつ気をつけたいことがある。
それは、新奇性と意義は別物であるということ。
「○○ということはわかっていない。なので本研究で調べた。」は意義ではなく新奇性。
「その○○ということを調べることが学術的にどのくらい大事なことなのか」かが意義。
ここはわかりにくく、よく混同している人がいるので注意したい。

具体的なポイントも書いていこうと思っていたが、わりといい分量になったので今回はここまで。
また次回に書く。




さあ、ゆけ。
羽田空港にて。


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2018/09/23 12:17
休暇中。
職場にて。


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Update 2018/09/23
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