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論文の種類〜査読(研究をしよう 4)

今回は論文の種類の話。
なにそれ、論文に種類なんてあるの、と思われる方もいると思うが、ある。
そしてコレ、結構大事。

データベース(例えば、CiNii)で論文の検索してみるといろいろな情報が出てくる。
これが全部研究論文というわけではない。
まずここには手記とか単なる雑誌記事、専門的知見の紹介記事などが混ざっている。
まず、これらについて、前に書いた「研究とはなにか」「論文とはなにか」を参考に除く。
残ったやつの中にもまだ研究論文以外のものが混ざっている。
よく間違うのが学会発表の抄録。
これはA4で1-2枚でやたらうすいのですぐわかる。
これは学会発表の要約資料という位置付けなので論文ではない。
確かに研究的なものが詰まっているのだが、あくまで要約なので内容の精査・批判が不可能。
論文の要件を満たさない。

そんなわけで、残ったものがだいたい論文ということになる。
ここからが本題の論文の種類。
まずは査読あり論文か査読なし論文の2つにわけられる。
これは論文の載っている雑誌によるところが大きい。
査読の有無は初学者がだいたいのクオリティーを考える上で役に立つ。

では査読とはなにか。
論文をある学術雑誌に載せようという場合、審査をすることがある。
このプロセスを査読という。
まず、論文を書き上げた研究者は論文を査読ありの学術雑誌の編集部に投稿する。
すると編集部の担当者(レフェリーともいう)は、論文の分野を専門とする研究者数人に論文の批評をお願いする(批評する研究者をレビュアーという)。
レビュアーはそれぞれの専門的知見をもとに、論文に批評のコメントをつけてレフェリーに返す。
内容はココがダメとかココわからんとかココのロジックおかしい、とか、学生がゼミで教員からつけられるコメントと似ていて、それの数倍厳しいものと思ってもらえればよい。
それを見たレフェリーは、掲載するか、直させて再度検討するか、掲載拒否するかを決める。
掲載拒否された論文は基本的にその雑誌に載ることはない。
直させて再度検討の場合、レビュアーからのコメントを投稿者に送って、直すか反論するかしろ、と依頼する。
投稿者はそれに従い、直すべき部分は直し、反論する部分は反論コメントを作り、修正論文とコメントを再度レフェリーに送る。
レフェリーはそれをレビュアーに送り、再度批評コメントを依頼。
コイツが何度か繰り返される中で、レフェリーが掲載を決めた論文のみが載ることになる。
このプロセスは投稿者としては大変しんどくつらいつらい道のり。
ボロっかすに書かれるとへこむのは学生さんだけではないのだ。
対する査読なし雑誌は、研究者が〆切までに完全原稿を投稿し、そのまま掲載されることになる。

まあそんな査読を経て学術雑誌に載った論文なので、査読なし雑誌に比べるとクオリティーが高いものが多い。
初学者が論文を選ぶのに査読ありの雑誌から選んでくるというのは当たり論文率を上げるいい方法である。
その学術誌に査読があるかないかはその学術誌のホームページに行けば大抵載っている。
ただ、あくまで論文はひとつひとつ自分で批評すべきものであることは忘れてはならない。
査読あり雑誌でもレビュアーがヘボければダメ論文でも載るし、査読なしでもしっかりとした論文はある。
しっかりと自分の目で見極めたい。

ちなみに。
同じ査読つき雑誌でも分野や雑誌によってその厳しさが変わる。
簡単に通る雑誌もあれば、かなりクオリティーが高くなければ通らない雑誌もある。
この辺については指導教員や大学院生あたりに聞いてみると教えてもらえる。

一般論になるが、学会の発行する学術誌は査読ありが多い。
大学が出す学術誌(紀要という)は査読なしが多い。
もちろん当てはまらないものもあるが。

今回は論文の種類についてもうひとつ書く予定だったが、長くなってしまったので、ひとまずここまで。
次回残りを書く。




九州と本州を結ぶ海底トンネル。
歩けるのであります。


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2018/08/26 20:17
もいっちょかいてみた。
鳥取駅前ドトールにて。


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Update 2018/08/29
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