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本の紹介,1リットルの涙(木藤亜也(著)、幻冬舎文庫)

1リットルの涙
木藤亜也(著)
難易度:☆
関連分野:肢体不自由、病弱教育、特別支援教育


特別支援教育系の教員を目指す人、福祉の現場で仕事がしたい人など、
将来障害のある人と関わる仕事を考えている人は様々な理論、制度を学んでいることと思う。
ただ、やはり教科書的な内容ではなかなか障害の具体的なイメージができないと聞くことがある。
そこで、理論や制度などの基礎を学ぶとともに、当事者やその近くの人によって書かれた手記や日記、エッセイなどをたくさん読むようにしたい。
それによって障害のある人の具体的なイメージをつかめ、 当事者により近い視点を得ることができる。

で、紹介できる何かいい本ないかな、と思って最初に思いついたのがこの本。
僕が学生時代に読んだ印象深い本である。
脊髄小脳変性症という難病がある。
これは運動に関係した脊髄や小脳のニューロンが変化し、消失していくという疾患。
若年期に発症することが多く、ゆっくりと進行し、徐々に運動が困難になっていく。
本書はこの疾患を持った女性の日記である。
症状が軽かった中学時代から高校入学、養護学校への転校、卒業後までの日常が書かれる。

症状が進むにつれて現れる様々な症状や、その時の困難、心理状態などについて、彼女の視点から知ることができる。
将来への不安、一般の高校から養護学校へ転向する時の葛藤など、当事者の視点ならではのリアリティある心情に触れることができる。
このようなことは,教科書的な本からはなかなか得ることができない。
特別支援教育に関わる人はもちろん、教育や福祉・医療に関わるあらゆる人に読んでもらいたい一冊。



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Update 2017/05/16
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