雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

論文は正しいとは限らない

先日、授業でしゃべっていた時のこと。 ある学生さんから、学術論文についてこんなコメントがあった。 学術論文になっているものってすべて正しいんじゃないんですか? これ、一般の人がよく犯す間違い。 世に出ている論文はあくまでなんらかの根拠をもとに…

原発のハナシ

原発について。 僕は福島に住んでいたことがある。 友人もあっちの方にたくさんいて、震災と原発事故についてはいろいろ思うところがある。 そんなわけなので、このトピックに関してはちゃんと書きたいと思っていた。 僕は原発という発電の仕組みについては…

いい授業ってなんだろうか?

いい授業ってなんだろうか。 僕が大昔、教育実習先の先生に言われた言葉である。 僕はその当時、地方国立大の教育学部にいて、数学の教員免許を取ろうとしていた。 母校の高校がとても好きだったので、中学校に行くのが多数派の中無理を言って高校にて4週間…

大学教員ってどんな人?(大学教員・研究者という生き物3 )

どんな人が大学で教えていているか。 今回はそんな話を書いてみる。 高校までの教員はわりとわかりやすい。 大学で教えることの勉強を多少なりともして、免許を持った教えることのプロ。 じゃあ大学はというと、かなり違う。 そもそも免許なんてないし、アイ…

論文を読む〜方法編前編(研究をしよう 8)

論文の中にはその研究で使われた方法について、詳しく記述する欄がある。 今日はここの読み方について。 イントロに比べるとわかりやすい。 が、それなりの技能・知識が必要なので、ここを読みつつ、必要だと思う知識を別途勉強する、という作業も考えなくて…

書く力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 8 )

このシリーズもそろそろ終盤。 今回は、書く力。 コイツは前に書いた、読む力、ロジカルな思考力の兄貴分。 ここでいう書く、とは小説やエッセイなどを書くということではない。 説得力を持った文章を書く、ということ。 こいつがね、社会に出てから大変役に…

日本の研究力低下についての雑感

どうも、相対的に日本の大学の研究力が落ちているらしい。 他の国の発表論文数の伸びに対して日本のは伸びが悪かったり、影響力のある論文が相対的に少なくなったり。 正確な数字やそれを元にした議論は世の研究者がやってくれているので、そういうのはここ…

労働法を読む(雑学・読書のタネ1)

労働基準法をはじめ、労働関連の法体系を労働法という。 雇う側と働く側では力関係が違う。 その力関係の中で酷い目にあったり、逆にあわせてしまったり。 ある日突然、自分にやって来るかもしれない。 友人が当事者になって困るかもしれない。 法律的に何が…

論文を読む〜イントロ編後編(研究をしよう 7)

さて、前回の続き。 ではそのイントロをどう読んでいくか。 どう批判していくか。 前回の記事で、イントロからは研究の意義を読み取るのだと書いた。 ただ、そもそもイントロにこいつがほとんど書かれていないものがある。 それっぽく先行研究は引用されてい…

本の紹介,「知能指数―発達心理学からみたIQ (滝沢 武久,中公新書)」

知能指数―発達心理学からみたIQ 滝沢 武久(著) 難易度:☆☆ 特別支援系の授業や心理学を教えていると、時々出てくるのが知能指数(IQ)。 知的障害だとIQがいくつ以下で、こんなテストがあるよ、というように教科書で扱われる。 が、結局のところIQってなぁ…

お仕事概論(大学教員・研究者という生き物2)

まずは手始めに、どんなことをやっているのかを簡単に。 我々のお仕事は大きく、教育、研究、それ以外に分けられる。 教育は、授業、授業の準備、ゼミ生の卒論指導、学生さんとの面談なんかが当たる。 研究は、実験、文献調査、研究計画を練る、論文を書く、…

論文を読む〜イントロ編前編(研究をしよう 6)

今回からは論文の読み方編。 前に書いた研究とは何かと論文とは何かがまだの人はそちらから読んでいただきたく。 さて。 まずは論文の構造から。 だいたいの論文は前書きがあって、本体があって、考察があって、結論かまとめがある。 言い方は分野や学術誌、…

大学教員・研究者という生き物 No.1 はじめに

この仕事をやっていると、 普段なにをやっているのか、と尋ねられることがある。 授業と研究というのはなんとなくわかるのだけれども、 授業やっているとき以外の姿がどうも見えないらしい。 研究室にはいつ行ってもいないが、 そのわりに担当授業は高校まで…

それって大学生じゃないとできないこと?【番外編】(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 7 )

今回は肩の力を抜いて、番外編。 高校生やら学生さんに、大学でどんなことするの? と質問することがある。 返ってくる答えは実に色々なものがある。 サークルがんばる。 友人関係を充実させる。 専門的知識をつける。 バイトがメイン。 遊ぶんだー! 本を、…

バックアップをとろう

学生諸君。 卒論やレポートを書くときバックアップをとっているだろうか。 きっととっていない人が多いことと思う。 もしとっていないのであれば、悪いことは言わない。 今すぐ取ろう。 パソコンやハードディスク、USBメモリは、本当にある日突然逝く。 提出…

論文の種類2〜原著論文やら展望論文やら(研究をしよう 5)

論文の種類の2回目。 査読ありとなしの論文があるよという話を前回したが、今回は別の種類分けの話。 学生さんと論文の読み合わせをしていると、時々先行研究のみの論文を持ってくる。 で、発表の段になって、この論文先行研究ばっかで自分で調べた調査とか…

メリットとデメリットを考える

メリットとデメリットを比べて、よく考えて決める。 まあ、みんなよくやっていることだと思う。 さてここで少し思考実験をしてみよう。 ある重大な犯罪が起きたとする。 状況から考えるにこの人以外に犯人は考えられない。 ただ、決定的な証拠がない。 警察…

論文の種類〜査読(研究をしよう 4)

今回は論文の種類の話。 なにそれ、論文に種類なんてあるの、と思われる方もいると思うが、ある。 そしてコレ、結構大事。 データベース(例えば、CiNii)で論文の検索してみるといろいろな情報が出てくる。 これが全部研究論文というわけではない。 まずこ…

統計(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 6 )

さて、お次はこちら。 意外なものがやって来てビックリされた方も多いと思う。 これは人によるんじゃないの、うちの専門分野では使わないよ、とか、私の卒論で統計は使わない予定だ、という人も多いかもしれない。 でも、これは自分の専門分野で使う使わない…

論文とはなにか(研究をしよう 3)

では論文とはなにか。 僕が考えるのはコレ。 なんらかの事実をもとに、ロジカルに自分の主張を展開する文章。 研究をまとめた論文としては事実とロジカルさと主張は絶対に必要。 まあだいたい全学問分野で共通しているのではないだろうか。 これらにプラスし…

経県値2018

経県値というサイトがあってですね。 コレは何かというと、自分の住んだり行ったり泊まったりという都道府県の色地図を作ってくれるというもの。 で、値として経県値というものを出してくれる。 だいぶ前に流行ったので知っている方も多いか。 職業がら異動…

研究とはなにか(研究をしよう 2)

まずはここから。 ここでいう研究とは学術研究のこと。 卒業研究はこいつの端くれということになる。 夏休みの自由研究とか就活の時にやる業界研究とかとはちょっと違う。 さて。 研究とはどんなものか、答えられるだろうか。 「テーマについて勉強してまと…

ロジカルな思考力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 5 )

大学に来たのであれば絶対に身につけたい能力がコレ。 コレを身につけないで出て行くのであれば、もう大学に来た意味はない、と言ってもいいほど大事な能力だと思っている。 ちなみにロジカルな思考とは、話の筋を通して考えること、理屈が正しいこと、みた…

病弱児等の生理・病理・心理2018(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション【資料電子版UP済】 病弱の概要(1)(10/3) 第2回 病弱の概要(2)(10/10)【資料電子版UP済】 第3回 身体の構造と機能(1)(10/17) 第4回 身体の構造と機能(2)(10/24) 第5回 身体の構造と機能(3)(1…

病弱児等の教育課程と指導法2018(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(10/3)【資料電子版UP済】 第2回 病弱の概要(1)(10/10)【資料電子版UP済】 第3回 病弱の概要(2)(10/17)【資料電子版UP済】 病弱教育の歴史と現状(1) 第4回 病弱教育の歴史と現状(2)(10/24) 第5回…

障害児等病理学特論2018(鳥取大学・院)

授業内容 第1回 オリエンテーション(10/5)【資料電子版UP済】 第2回 神経系の基礎(1)(10/12) 第3回 神経系の基礎(2)【資料電子版UP済】(10/19) 発達障害の基礎(1) 第4回 発達障害の基礎(2)(10/26) 第5回 発達障害の基礎(3)(11/…

本の紹介,「それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤 陽子(著),新潮文庫)」

それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤 陽子(著) 難易度:☆☆ この時期には戦争物をいくつか読むようにしている。 で、今年読んだうちのひとつがコイツ。 これが、本当によかった。 今年読んだ本の中で、1番のアタリかもしれない。 そんな本。 著者の加藤…

太平洋戦争のお話

僕は時々戦争の本を読む。 これには理由がいろいろあるのだが、一番はなぜ戦争をするのかよくわからないから。 これを知りたくていろいろと本を読むのだが、なかなか答えには行きつかない。 戦争をする、犠牲の大きさに嫌になる、戦争はダメなものと認識する…

研究をしよう No.1 はじめに

卒論生・修論生、ゼミ、研究系の実習の授業で、研究ってなぁに?論文ってなぁに?という話をよくする。 せっかくなのでその話を記事としてまとめてみようと思う。 なるべくどの分野にも通じるようなことを書くつもり。 ただ、ボクもせまい専門分野で生きてい…

英語(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 4 )

このシリーズもはじめに含めて4回目。 教養、読む力に続いて次は、英語。 意外に思われた方も多いかもしれないが、 これは教養にも読む力にも通ずる大事なスキルだと思っている。 さて、そのココロは。 英語が使えるとかなり世界が広がるのだ。 考えてもみよ…