雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

卒業後の大学の使い方

大学まで進んだ多くの人にとって、大学は人生最後の学校、ということになる。 大学は卒業してしまえばそれっきりなのか、といえばそんなこともない。 今日はそんな、大学卒業後の話。 困った時に行く 社会人になると時々困ってしまうことがある。 主には仕事…

大学の授業作りの大変なところ(大学教員・研究者という生き物4 )

先日とある人と話していたところ、大学の授業って、研究の延長線上にあるのでしょ?と聞かれた。 研究で得た知識を使ってそのまま授業できるでしょ、というような意味だったと思う。 うーん、、、まあ、理念的にはそうなのかもしれない。 が、実際はそう簡単…

本の紹介,「大学とは何か(吉見 俊哉,岩波新書)」

大学とは何か 吉見 俊哉(著) 難易度:☆☆☆ 大学とは何か。 こう問いかけられた時、さっと答えられるだろうか。 大学を目指す高校生や現役の大学生に問うてみると次のような答えが返ってくる。 専門的な知識を学ぶところ。 これはある意味では正しいが、十分…

卒業研究のスケジュールを考える

どうやって卒業研究が進んでいくのか。 やったことない人にはイメージしづらいようなので書いてみることにした。 ついでに、どの段階でどんな力がつくのか、具体的にどんなことをやるのか、も書いてみようと思う。 これから取り組む人は参考にしていただきた…

論文を読む〜結果・考察編(研究をしよう 10)

さて、いよいよ論文を読む、も佳境。 次は結果と考察。 まずは結果。 ここには方法に対応する形でつらつらと結果が書いてある。 基本的にはそれ以上でもそれ以下でもないので、イントロ・方法ほど注意深く読む必要はない。 方法に対応する形できちんと書かれ…

半ドンのお話

その昔、半ドンというものがあった。 今の若い人は知らないでしょ。 半ドン。 僕が中学生の頃一部がなくなり、その後いつの間にかなくなっていた。 高校生くらいまではまだ一部残っていたんじゃないかな。 その昔、我が国は週休二日制ではなかった。 僕が小…

発表をしよう〜発表前に編(研究をしよう 臨時版3)

スライドが出来上がった。 そうしたらもうあとは発表を待つのみ、と思うでしょう。 が、それは甘い。 と、いうわけで、スライドができたらやることについて。 (1)しゃべりの原稿を書いてみる いや、私は原稿読むようなプレゼンはしないからいらない、と言う…

発表をしよう〜スライド作成編(研究をしよう 臨時版2)

今回はスライド作成のポイントについて。 その前に、論文とスライド発表は何が違うのかわかるだろうか。 両方とも同じ研究を世に広めるための行為なのだが、目的が全然違う。 論文は自身の行った研究について、検証可能な形で公表するのが目的。 だから、細…

発表をしよう〜スライド作成前準備編(研究をしよう 臨時版1)

発表をしよう編は研究をしようシリーズの最後らへんに持って来る予定だったが、まあ卒論発表会も近いので変則的にこのタイミングで書いてみようと思う。 そのうち本編にのどこかに位置付ける予定。 さて。 大学生も学年が進んでくると、研究発表の機会がやっ…

本の紹介,「IQってホントは何なんだ?(村上 宣寛,日経BP社)」

IQってホントは何なんだ? 村上 宣寛(著) 難易度:☆☆ 知能指数(IQ)を知りたい人向けの本、2冊目。 1冊目「知能指数―発達心理学からみたIQ (滝沢 武久,中公新書)」を読んでいない人はそちらも参考にしていただきたく。 IQはいろいろのところで測定さ…

論文を読む〜方法編後編(研究をしよう 9)

さて、前回のつづき。 方法の章ですべきは研究の正しさの検証。 ここを読み取っていく。 正しさの検証のためには、やったことが余すことなく記載されている必要がある。 これは再現性の検証のためにも必須。 論文によってはこの情報が不十分なため、検証が不…

論文は正しいとは限らない

先日、授業でしゃべっていた時のこと。 ある学生さんから、学術論文についてこんなコメントがあった。 学術論文になっているものってすべて正しいんじゃないんですか? これ、一般の人がよく犯す間違い。 世に出ている論文はあくまでなんらかの根拠をもとに…

原発のハナシ

原発について。 僕は福島に住んでいたことがある。 友人もあっちの方にたくさんいて、震災と原発事故についてはいろいろ思うところがある。 そんなわけなので、このトピックに関してはちゃんと書きたいと思っていた。 僕は原発という発電の仕組みについては…

いい授業ってなんだろうか?

いい授業ってなんだろうか。 僕が大昔、教育実習先の先生に言われた言葉である。 僕はその当時、地方国立大の教育学部にいて、数学の教員免許を取ろうとしていた。 母校の高校がとても好きだったので、中学校に行くのが多数派の中無理を言って高校にて4週間…

大学教員ってどんな人?(大学教員・研究者という生き物3 )

どんな人が大学で教えていているか。 今回はそんな話を書いてみる。 高校までの教員はわりとわかりやすい。 大学で教えることの勉強を多少なりともして、免許を持った教えることのプロ。 じゃあ大学はというと、かなり違う。 そもそも免許なんてないし、アイ…

論文を読む〜方法編前編(研究をしよう 8)

論文の中にはその研究で使われた方法について、詳しく記述する欄がある。 今日はここの読み方について。 イントロに比べるとわかりやすい。 が、それなりの技能・知識が必要なので、ここを読みつつ、必要だと思う知識を別途勉強する、という作業も考えなくて…

書く力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 8 )

このシリーズもそろそろ終盤。 今回は、書く力。 コイツは前に書いた、読む力、ロジカルな思考力の兄貴分。 ここでいう書く、とは小説やエッセイなどを書くということではない。 説得力を持った文章を書く、ということ。 こいつがね、社会に出てから大変役に…

日本の研究力低下についての雑感

どうも、相対的に日本の大学の研究力が落ちているらしい。 他の国の発表論文数の伸びに対して日本のは伸びが悪かったり、影響力のある論文が相対的に少なくなったり。 正確な数字やそれを元にした議論は世の研究者がやってくれているので、そういうのはここ…

労働法を読む(雑学・読書のタネ1)

労働基準法をはじめ、労働関連の法体系を労働法という。 雇う側と働く側では力関係が違う。 その力関係の中で酷い目にあったり、逆にあわせてしまったり。 ある日突然、自分にやって来るかもしれない。 友人が当事者になって困るかもしれない。 法律的に何が…

論文を読む〜イントロ編後編(研究をしよう 7)

さて、前回の続き。 ではそのイントロをどう読んでいくか。 どう批判していくか。 前回の記事で、イントロからは研究の意義を読み取るのだと書いた。 ただ、そもそもイントロにこいつがほとんど書かれていないものがある。 それっぽく先行研究は引用されてい…

本の紹介,「知能指数―発達心理学からみたIQ (滝沢 武久,中公新書)」

知能指数―発達心理学からみたIQ 滝沢 武久(著) 難易度:☆☆ 特別支援系の授業や心理学を教えていると、時々出てくるのが知能指数(IQ)。 知的障害だとIQがいくつ以下で、こんなテストがあるよ、というように教科書で扱われる。 が、結局のところIQってなぁ…

お仕事概論(大学教員・研究者という生き物2)

まずは手始めに、どんなことをやっているのかを簡単に。 我々のお仕事は大きく、教育、研究、それ以外に分けられる。 教育は、授業、授業の準備、ゼミ生の卒論指導、学生さんとの面談なんかが当たる。 研究は、実験、文献調査、研究計画を練る、論文を書く、…

論文を読む〜イントロ編前編(研究をしよう 6)

今回からは論文の読み方編。 前に書いた研究とは何かと論文とは何かがまだの人はそちらから読んでいただきたく。 さて。 まずは論文の構造から。 だいたいの論文は前書きがあって、本体があって、考察があって、結論かまとめがある。 言い方は分野や学術誌、…

大学教員・研究者という生き物 No.1 はじめに

この仕事をやっていると、 普段なにをやっているのか、と尋ねられることがある。 授業と研究というのはなんとなくわかるのだけれども、 授業やっているとき以外の姿がどうも見えないらしい。 研究室にはいつ行ってもいないが、 そのわりに担当授業は高校まで…

それって大学生じゃないとできないこと?【番外編】(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 7 )

今回は肩の力を抜いて、番外編。 高校生やら学生さんに、大学でどんなことするの? と質問することがある。 返ってくる答えは実に色々なものがある。 サークルがんばる。 友人関係を充実させる。 専門的知識をつける。 バイトがメイン。 遊ぶんだー! 本を、…

バックアップをとろう

学生諸君。 卒論やレポートを書くときバックアップをとっているだろうか。 きっととっていない人が多いことと思う。 もしとっていないのであれば、悪いことは言わない。 今すぐ取ろう。 パソコンやハードディスク、USBメモリは、本当にある日突然逝く。 提出…

論文の種類2〜原著論文やら展望論文やら(研究をしよう 5)

論文の種類の2回目。 査読ありとなしの論文があるよという話を前回したが、今回は別の種類分けの話。 学生さんと論文の読み合わせをしていると、時々先行研究のみの論文を持ってくる。 で、発表の段になって、この論文先行研究ばっかで自分で調べた調査とか…

メリットとデメリットを考える

メリットとデメリットを比べて、よく考えて決める。 まあ、みんなよくやっていることだと思う。 さてここで少し思考実験をしてみよう。 ある重大な犯罪が起きたとする。 状況から考えるにこの人以外に犯人は考えられない。 ただ、決定的な証拠がない。 警察…

論文の種類〜査読(研究をしよう 4)

今回は論文の種類の話。 なにそれ、論文に種類なんてあるの、と思われる方もいると思うが、ある。 そしてコレ、結構大事。 データベース(例えば、CiNii)で論文の検索してみるといろいろな情報が出てくる。 これが全部研究論文というわけではない。 まずこ…

統計(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 6 )

さて、お次はこちら。 意外なものがやって来てビックリされた方も多いと思う。 これは人によるんじゃないの、うちの専門分野では使わないよ、とか、私の卒論で統計は使わない予定だ、という人も多いかもしれない。 でも、これは自分の専門分野で使う使わない…