雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。

恒例福井出張日記2019

この週末は恒例の福井出張だった。 年に4週末ほどある集中講義の1回。 土日に朝から晩までしゃべり倒すという結構ハードなイベント。 保育士さんや幼稚園の先生の卵達に教育心理学やら発達心理学の授業をする。 なんでわざわざ福井なのかといえば、前任地が…

本の紹介,「読めなくても、書けなくても、勉強したい ディスレクシアのオレなりの読み書き(井上 智 他,ぶどう社)」

読めなくても、書けなくても、勉強したい ディスレクシアのオレなりの読み書き 井上 智、井上 賞子(著) 難易度:☆ ディスレクシアという障害をご存知だろうか。 世の中には生まれつき読むことが極端に苦手な人たちがいる。 このような障害をディスレクシア…

ネット広告のおススメ事件

ウェブの広告はすごい。 欲しいものを次から次へと当てては、オレにお金を使わせようとする。 欲しい本やらコンピュータやら、こうね、タイムリーに紹介してくれるわけさ。 あとはクリックするのみ。 実によくできている。 で、ね。 数年前。 ネットのやつ、…

本の紹介,「伝えるための心理統計: 効果量・信頼区間・検定力(大久保街亜、 岡田謙介,勁草書房)」

伝えるための心理統計: 効果量・信頼区間・検定力 大久保街亜、 岡田謙介(著) 難易度:☆☆☆☆☆ ここではやさしめの本を扱うことが多いのだが、今回は少しマニアックなやつを。 心理学をやっていると統計検定をよく使う。 この統計検定についてまず整理し、問…

なぜいつもいないのか(大学教員・研究者という生き物5 )

「いつ行っても研究室にいない」 大学教員をやっているとよく言われる言葉である。 僕が学生の頃もそう思っていた。 同僚を見てみても、なかなか会えないレアな教員がいる。 で、今日は、それがなんでなの?というお話。 理由は大きく2つある。 まず1つ目。 …

質問力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 9 )

ひさしぶりのこのシリーズ。 ちょっと他のシリーズに忙しくてサボっておりました。 大学生のうちに身につけて置きたい力。 今回は質問する力。 社会に出るとかなり役に立つ。 結構大事だけど大学生だとおろそかにされがち。 僕はゼミ系の授業だと質問せい!…

本の紹介,「おさなごころを科学する: 進化する幼児観(森口 佑介,新曜社)」

おさなごころを科学する: 進化する幼児観 森口 佑介(著) 難易度:☆☆☆☆ 乳幼児期の心理発達について、さまざまな角度から解説した本。 無能とされていた古い乳幼児観から、意外と有能だと考え直された新しい乳幼児観、大人との質的な違い、脳研究の知見など…

障害児等神経生理学研究2019(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/9)【資料電子版UP済】 第2回 脳と神経の基礎(1)(4/16) 第3回 脳と神経の基礎(2)(4/23)【資料電子版UP済】 第4回 脳科学の方法(1)(5/14) ~ペンフィールドまで 第5回 脳科学の方法(1)(5/21,…

肢体不自由児等の教育課程と指導法2019(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/10)【資料電子版UP済】 第2回 肢体不自由の概要(1)(4/17) 第3回 肢体不自由の概要(2)(4/24)【資料電子版UP済】 肢体不自由教育の歴史(1) ~戦前の教育まで 第4回 肢体不自由教育の歴史(2)(5/8)…

退職と起業のお知らせ

皆様にはいつもお世話になりありがとうございます。 さて、私事ですが、本日付を持ちまして大学を退職し、研究と教育の世界から引退することになりました。 在職中はひとかたならぬお世話になりました。 浅学の身ながらここまで勤め上げることができたのは、…

肢体不自由児等の生理・病理・心理2019(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/10)【資料電子版UP済】 肢体不自由の概要(1) 第2回 肢体不自由の概要(2)(4/17) 第3回 肢体不自由の概要(3)(4/24)【資料電子版UP済】 身体の構造と機能(概要),呼吸器まで 第4回 身体の構造と機能…

特別支援教育(初等)2019(鳥取大学)

授業内容 第1回 オリエンテーション(4/15) 第2回 特別支援教育の概要(1)(5/7) ~特別支援教育の目的まで 第3回 特別支援教育の概要(2)(5/13) ~自立活動,特別支援教育の方法,免許制度まで 第4回 特別支援教育の概要(3)(5/20,予定) …

論文を読む〜結論・ラスト編(研究をしよう 11)

いよいよ、論文を読む編ラスト。 前回までに各論を書いたので、最後に結論についてとまとめ。 まず、結論。 イントロ、方法、結果、考察を精査して、その上で結論が本当に正しいのかを考える。 方法が正しくなくて結論が正しくない。 結果が甘くて結論は立証…

卒業後の大学の使い方

大学まで進んだ多くの人にとって、大学は人生最後の学校、ということになる。 大学は卒業してしまえばそれっきりなのか、といえばそんなこともない。 今日はそんな、大学卒業後の話。 困った時に行く 社会人になると時々困ってしまうことがある。 主には仕事…

大学の授業作りの大変なところ(大学教員・研究者という生き物4 )

先日とある人と話していたところ、大学の授業って、研究の延長線上にあるのでしょ?と聞かれた。 研究で得た知識を使ってそのまま授業できるでしょ、というような意味だったと思う。 うーん、、、まあ、理念的にはそうなのかもしれない。 が、実際はそう簡単…

本の紹介,「大学とは何か(吉見 俊哉,岩波新書)」

大学とは何か 吉見 俊哉(著) 難易度:☆☆☆ 大学とは何か。 こう問いかけられた時、さっと答えられるだろうか。 大学を目指す高校生や現役の大学生に問うてみると次のような答えが返ってくる。 専門的な知識を学ぶところ。 これはある意味では正しいが、十分…

卒業研究のスケジュールを考える

どうやって卒業研究が進んでいくのか。 やったことない人にはイメージしづらいようなので書いてみることにした。 ついでに、どの段階でどんな力がつくのか、具体的にどんなことをやるのか、も書いてみようと思う。 これから取り組む人は参考にしていただきた…

論文を読む〜結果・考察編(研究をしよう 10)

さて、いよいよ論文を読む、も佳境。 次は結果と考察。 まずは結果。 ここには方法に対応する形でつらつらと結果が書いてある。 基本的にはそれ以上でもそれ以下でもないので、イントロ・方法ほど注意深く読む必要はない。 方法に対応する形できちんと書かれ…

半ドンのお話

その昔、半ドンというものがあった。 今の若い人は知らないでしょ。 半ドン。 僕が中学生の頃一部がなくなり、その後いつの間にかなくなっていた。 高校生くらいまではまだ一部残っていたんじゃないかな。 その昔、我が国は週休二日制ではなかった。 僕が小…

発表をしよう〜発表前に編(研究をしよう 臨時版3)

スライドが出来上がった。 そうしたらもうあとは発表を待つのみ、と思うでしょう。 が、それは甘い。 と、いうわけで、スライドができたらやることについて。 (1)しゃべりの原稿を書いてみる いや、私は原稿読むようなプレゼンはしないからいらない、と言う…

発表をしよう〜スライド作成編(研究をしよう 臨時版2)

今回はスライド作成のポイントについて。 その前に、論文とスライド発表は何が違うのかわかるだろうか。 両方とも同じ研究を世に広めるための行為なのだが、目的が全然違う。 論文は自身の行った研究について、検証可能な形で公表するのが目的。 だから、細…

発表をしよう〜スライド作成前準備編(研究をしよう 臨時版1)

発表をしよう編は研究をしようシリーズの最後らへんに持って来る予定だったが、まあ卒論発表会も近いので変則的にこのタイミングで書いてみようと思う。 そのうち本編にのどこかに位置付ける予定。 さて。 大学生も学年が進んでくると、研究発表の機会がやっ…

本の紹介,「IQってホントは何なんだ?(村上 宣寛,日経BP社)」

IQってホントは何なんだ? 村上 宣寛(著) 難易度:☆☆ 知能指数(IQ)を知りたい人向けの本、2冊目。 1冊目「知能指数―発達心理学からみたIQ (滝沢 武久,中公新書)」を読んでいない人はそちらも参考にしていただきたく。 IQはいろいろのところで測定さ…

論文を読む〜方法編後編(研究をしよう 9)

さて、前回のつづき。 方法の章ですべきは研究の正しさの検証。 ここを読み取っていく。 正しさの検証のためには、やったことが余すことなく記載されている必要がある。 これは再現性の検証のためにも必須。 論文によってはこの情報が不十分なため、検証が不…

論文は正しいとは限らない

先日、授業でしゃべっていた時のこと。 ある学生さんから、学術論文についてこんなコメントがあった。 学術論文になっているものってすべて正しいんじゃないんですか? これ、一般の人がよく犯す間違い。 世に出ている論文はあくまでなんらかの根拠をもとに…

原発のハナシ

原発について。 僕は福島に住んでいたことがある。 友人もあっちの方にたくさんいて、震災と原発事故についてはいろいろ思うところがある。 そんなわけなので、このトピックに関してはちゃんと書きたいと思っていた。 僕は原発という発電の仕組みについては…

いい授業ってなんだろうか?

いい授業ってなんだろうか。 僕が大昔、教育実習先の先生に言われた言葉である。 僕はその当時、地方国立大の教育学部にいて、数学の教員免許を取ろうとしていた。 母校の高校がとても好きだったので、中学校に行くのが多数派の中無理を言って高校にて4週間…

大学教員ってどんな人?(大学教員・研究者という生き物3 )

どんな人が大学で教えていているか。 今回はそんな話を書いてみる。 高校までの教員はわりとわかりやすい。 大学で教えることの勉強を多少なりともして、免許を持った教えることのプロ。 じゃあ大学はというと、かなり違う。 そもそも免許なんてないし、アイ…

論文を読む〜方法編前編(研究をしよう 8)

論文の中にはその研究で使われた方法について、詳しく記述する欄がある。 今日はここの読み方について。 イントロに比べるとわかりやすい。 が、それなりの技能・知識が必要なので、ここを読みつつ、必要だと思う知識を別途勉強する、という作業も考えなくて…

書く力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 8 )

このシリーズもそろそろ終盤。 今回は、書く力。 コイツは前に書いた、読む力、ロジカルな思考力の兄貴分。 ここでいう書く、とは小説やエッセイなどを書くということではない。 説得力を持った文章を書く、ということ。 こいつがね、社会に出てから大変役に…