週刊雑記帳(ブログ)

担当授業や研究についての情報をメインに記事を書いていきます。月曜日定期更新(臨時休刊もあります)。

経県値2018

経県値というサイトがあってですね。
コレは何かというと、自分の住んだり行ったり泊まったりという都道府県の色地図を作ってくれるというもの。
で、値として経県値というものを出してくれる。
だいぶ前に流行ったので知っている方も多いか。

職業がら異動と出張が多いのに加え、旅好きときているため、ここの地図がカラフルになるのが楽しくてたまに遊ぶ。
で、久々にやってみた結果がコレ。
やなかの経県値2018

ふーむ。
前回、福井時代に空白だった山陰両県に色がつき、いくらか色が増えた。
坂本龍馬が好きなわりに、まだ高知がなくて、ここは近いうちになんとかしたい。
あとは沖縄かー。
ああ、行きたい。
とても、行きたい。
居住色はもうこれ以上増えなくていいと思っている。

コレはアプリもあるらしいので、興味ある人は遊んでみるとおもしろいよ。




旅、好きですからなぁ。
佐用駅かな。
これから姫新線に乗ろうというところでパチリ。


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2018/08/30 08:12
出張の旅路。
汽車の車内にて。


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Update 2018/08/30
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研究とはなにか(研究をしよう 2)

まずはここから。
ここでいう研究とは学術研究のこと。
卒業研究はこいつの端くれということになる。
夏休みの自由研究とか就活の時にやる業界研究とかとはちょっと違う。
さて。
研究とはどんなものか、答えられるだろうか。

「テーマについて勉強してまとめる」
これは研究とは言わない。
そんな論文見たことある、という人もいるかもしれないが、これは違う。
何が違うのかは論文のところで詳しく説明する。
「実験なり調査なりをしてデータを集めてまとめる」
うーん、近くなったがこれも違う。
これでも研究にならないものもあるし、データを集めなくても研究になるものもある。
「まだわかっていないことについて、調査してまとめる」
これだと、だいぶ研究っぽい。
が、まだあまい。

研究とはなにか。
人によって定義は異なるが、僕の考えるものはこう。
ある学問分野で(1)まだわかっていないもののうち、(2)明らかにする価値があるものについて、(3)何らかの方法論を用いて明らかにすること。
(3)については明らかにしたことが正しいかどうか、が大事になる。
つまり、研究に必要なものは以下の3点ということになる。
(1)新奇性(New)
(2)意義(Significance)
(3)正しさ(Correctness)
前段で書いた例がなぜ研究と言えないのか、わかっていただけただろうか。

ところで。
研究をしよう、と思った時、まず最初にやるのが先人たちの研究を知る、ということ。
実は研究にはよい悪いがあって、(1)から(3)を満たしていたとしても、全部同じように評価されるわけではない。
(1)から(3)にはレベルがあって、それぞれのレベルによって研究そのものの評価が高くなったり低くなったりする。
その辺も含めて、まずは先人の研究から学んでいくのが早道なのだ。
じゃあどうやって研究と出会うかというと、これは学会発表なり論文ということになる。
学会発表をやってから論文にすることが多いので、論文の方が学会発表よりも完成度の高い研究が多い。
よって、まずは論文を読もう、ということになる。
ゼミで研究論文を読むのはそういう意味がある。
このシリーズでも論文の読み方から入る。
論文の読み方はそのまま書き方にもなるので、しっかりマスターしたい。

では今回はこの辺で。




夏×ローカル線
浜坂駅にて。


つづく

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2018/08/23 12:42
お昼休み中。
職場にて。


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Update 2018/08/23
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ロジカルな思考力(なぜ学ぶのか、何を学ぶのか 5 )

大学に来たのであれば絶対に身につけたい能力がコレ。
コレを身につけないで出て行くのであれば、もう大学に来た意味はない、と言ってもいいほど大事な能力だと思っている。

ちなみにロジカルな思考とは、話の筋を通して考えること、理屈が正しいこと、みたいな意味。
なにが正しいのかを考える力、と言ってもよいか。
その一つとして物事を批判的に捉える、批判的な思考というものがあると思っている。
そしてコイツ。
高校までにはあまり磨くことのない能力だと思う。
高校までは国が認めた教科書があって、かなり内容のしっかりした教材で勉強していた。
そのため、内容があっているか間違っているか、ロジカルな思考を駆使しながら読んだり聞いたりする必要はあまりない。
時間も限られているし、精査せずにさっと学び取る方が効率がよい。
ところが大学以降はそうはいかない。
専門分野の最先端な知見ほどなにが正しいかわからない状態で、個々人がロジカルな思考をもとに正しいと思うものを選びとっていかなければならない。
これは社会に出てからもそうで、専門分野に限らず、あらゆる分野にその力が必要になる。
ね、大事でしょ?
これがないと、だれか偉い人が正しいと言っているものを盲目的に信じるしかなくなってしまう。

さて。
じゃあこれをどうやって磨くかといえば、大学で用意されている、ゼミやレポート課題、卒論なんかを利用する。
もちろん、ゼミや卒論では専門性も磨くこともできる。
が、その過程でこの能力を身につけることができるのだ。
ただし、各自がこの能力を身につけることを意識しておかないと身につかない。
ただゼミへの参加や卒論をやっだだけで勝手に身につくわけではないことには注意しておきたい。

では具体的にはどうしたらよいのか。
まずは批判的な思考をみがくことを心がける。
例えばゼミなら必ず質問をするようにしよう。
発表している内容は本当に正しいのか考えながら質問してみる。
なるべく批判的なものがよい。
発表者の主張に根拠はあるのか、根拠は正しいのか、などなど。
わからなければ発表前に資料(元の研究論文など)をもらって予習してからゼミに挑むとなおよい。
内容がわかっていると、ゼミの他のメンバーや教員が鋭い質問した場合にわかるので、勉強にもなる。
ただ、批判の具体的なやり方についてはかなり長くなるのでここでは書かない。
ゼミを担当している各先生方に聞いてみるとよいと思う。
僕の別シリーズ、研究をしようシリーズも参考になる。

これをやっていると批判的な思考がどんどん磨かれていく。
こいつが育ってくると、自分がこれからやろうとしていることや、それに関する文章や発表などについても批判的に眺めることができる。
その批判をかわすためにどうしたらよいか考えることができれば、それはロジカルな思考そのもの。
これはレポート課題や卒論でもみがくことができるが、レポート課題に関しては続編の書く力に、卒論に関しては研究をしようシリーズで詳しく書くのでそっちを参考にしていただきたく。

これね、大事なわりに、この方法がよい、というのや、この本で学べる、というのがない。
大学にいる間に意識しつつ、もがきながら、学業活動の総体として学び取ってもらいたい。
がんばれ。




ロング露光で遊んでみた。
川崎の工業地帯か。


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2018/08/25 18:47
のんびり中。
定番駅前ドトールにて。


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Update 2018/07/14
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病弱児等の生理・病理・心理2018(鳥取大学)

授業内容


第1回 オリエンテーション【資料電子版UP済】
    病弱の概要(1)(10/3)
第2回 病弱の概要(2)(10/10)【資料電子版UP済】
第3回 身体の構造と機能(1)(10/17)
第4回 身体の構造と機能(2)(10/24)
第5回 身体の構造と機能(3)(11/14)
第6回 身体の構造と機能(4)(11/20)【資料電子版UP済】
第7回 循環器系の生理と病理(1)(12/5)
第8回 循環器系の生理と病理(2)(12/12)
第9回 循環器系の生理と病理(3)(12/19)
第10回 循環器系の生理と病理(4)(12/26)
第11回 循環器系の生理と病理(5)(1/9)【資料電子版UP済】
     呼吸器系の生理と病理(1)
第12回 呼吸器系の生理と病理(2)(1/23【資料電子版UP済】)


2/16(土)に集中形式で3コマ授業を実施予定。

 


関連情報


自分で勉強したい人へ【準備中】
病弱児等の生理・病理に関する役立ち情報
病弱に関する役立ち情報


連絡事項


授業の連絡事項



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Update 2019/01/12
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病弱児等の教育課程と指導法2018(鳥取大学)

授業内容


第1回 オリエンテーション(10/3)【資料電子版UP済】
第2回 病弱の概要(1)(10/10)【資料電子版UP済】
第3回 病弱の概要(2)(10/17)【資料電子版UP済】
    病弱教育の歴史と現状(1)
第4回 病弱教育の歴史と現状(2)(10/24)
第5回 病弱教育の歴史と現状(3)(11/14)
第6回 病弱教育の歴史と現状(4)(11/20)
第7回 病弱教育の実際~院内学級(12/5)
第8回 病弱教育の歴史と現状(5)(12/12)【資料電子版UP済】
    代表的な疾患と指導上の注意~糖尿病
第9回 代表的な疾患と指導上の注意~腎臓疾患(1)(12/19)
第10回 代表的な疾患と指導上の注意~腎臓疾患(2)(1/9)
第11回 代表的な疾患と指導上の注意~呼吸器疾患(3)(1/23)【資料電子版UP済】


休講情報:4回分休講。
12月9日(日)に1日使った特別講義4コマ分を実施。

 


関連情報


自分で勉強したい人へ【準備中】
病弱児等の指導・保健・教育に関する役立ち情報
病弱に関する役立ち情報


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Update 2019/01/31
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障害児等病理学特論2018(鳥取大学・院)

授業内容


第1回 オリエンテーション(10/5)【資料電子版UP済】
第2回 神経系の基礎(1)(10/12)
第3回 神経系の基礎(2)【資料電子版UP済】(10/19)
    発達障害の基礎(1)
第4回 発達障害の基礎(2)(10/26)
第5回 発達障害の基礎(3)(11/2)
第6回 発達障害の基礎(4)【資料電子版UP済】(11/7)
    自閉症の基礎(1)
第7回 自閉症の基礎(2)(11/16)
第8回 自閉症の基礎(3)(11/21)
第9回 自閉症の基礎(4)(12/7)【資料電子版UP済】
第10回 担当テーマの調査とまとめ(12/14)
第11回 テーマ発表①~DCD,LD(1/11,予定)
第12回 テーマ発表②~SST(1/16,予定)
     LDの基礎(1)
第13回 テーマ発表③~言語発達,ADHD(1/25,予定)
第14回 テーマ発表④~起立性調節障害ウィリアムズ症候群or応用行動分析(2/1,予定)
第15回 テーマ発表⑤~境界性パーソナリティ障害(2/8,予定)
     LDの基礎(2)

 


関連情報


自分で勉強したい人へ【準備中】
障害児等病理学特論に関する役立ち情報
発達障害に関する役立ち情報


連絡事項


授業の連絡事項



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Update 2018/12/27
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本の紹介,「それでも、日本人は「戦争」を選んだ(加藤 陽子(著),新潮文庫)」

それでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤 陽子(著)
難易度:☆☆


この時期には戦争物をいくつか読むようにしている。
で、今年読んだうちのひとつがコイツ。
これが、本当によかった。
今年読んだ本の中で、1番のアタリかもしれない。
そんな本。
著者の加藤陽子さんは近現代史の専門家で、昭和初期の政治や国際情勢に詳しい。
彼女の本は過去にいくつか読んだことあるのだが、この本はその中でも特にによい。

この本では、明治以降日本が経験した5つの戦争について、国際情勢や国内政治などをもとに、なぜ起きたのか、何を得たのかなどを詳説する。
これがとてもおもしろいくて、わかりやすかった。
教科書のような書き方ではない。
まず、日記も含めたさまざまな記録などから事実をひとつひとつおさえる。
場合によってはキーマンの思想にまで迫る。
その上で時間の前後を比較しながら、確からしいものを選んで行く。
そうすると、ああこの戦争はこんな背景でこんな風に突入して行ったんだな、ということがわかる。
そんな感じで展開していく本。
近現代史の歴史研究とはこんな感じで進めるんだろうなぁ、というのがわかる本でもある。
それがまた、すごくおもしろいのだ。

さて。
僕がこの手の本を読むのは、主に以下の3点が知りたいから。
(1)戦後誰もが無謀と認識する、世界を相手にした戦争はどうして起こったのか
(2)開戦時点で指導者はどうやって終わらせる気だったのか
(3)明らかに負けが確定した後の1年弱、なぜ戦争は続いたのか
このうち(1)と(2)については納得できる答えがあった。
戦争を扱った近現代史の一般書は、読み終わったのに結局なんで戦争に至ったのかよくわからないことがあるが、この本ではかなり深い次元で理解することができる。
一つも答えがなかったり、納得できない理由だったりする本も少なくないので、かなりの良書。

この本では序章として、近代史を学ぶ意義が書かれていて、コイツもまたよい。
戦争とは何か。
その根本的な問いに対して基本原理を説いていく。
戦争は敵対する国家の憲法に対する攻撃という形をとる、というルソーの考えや、戦争の犠牲者数が多いと戦後社会が変わる、という考えは、なるほどなと思った。

ちなみに。
この本は歴史好きな高校生相手の講演をまとめたもの。
そのため、語り口調の文体で堅苦しくなくよめる。
時々生徒さんとのやりとりもあって、ここもなかなかのポイント。
理解が深まるのもそうなのだが、
なかなかこの高校生たちがやるのだ。
おお、そんなの答えちゃうか、というようなやりとりが見えて、感心するやら驚くやら。

戦前の歴史は現代に通底している部分もあって、現代社会を考える上でもなかなか勉強になる。
歴史的な視点を持って現代社会をながめるとまた違った何かが見えてくるのだよね。
現代人の教養として、たまにはこういう本もいかがでしょうか。
かなりオススメな1冊デス。




ぼ、ぼく、ネコ太郎です。
ウソです。名前は知りません。
都内某所にて。



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Update 2018/08/20
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